古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2022.08.15

2022年8月14日放送『タクシー』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽をミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第38回目のテーマは『タクシー』。

以前取り上げた「鉄道」に続く、乗り物シリーズです。

タクシーは、単に移動手段としてだけでなく、

感情や思い出に浸ることができる、格好の場所にもなるようです。

今回は、このタクシーが恋や人生の歌にどのように描かれているのかを探ってみました。

 

まず1曲目は、鈴木聖美さんで「TAXI」。

34歳という遅咲きのデビューながらも、この年の日本有線大賞・新人賞を受賞し、

今なお名曲として歌い継がれているナンバーです。

主人公が、雨の中タクシーで向かうのが、

かつてふたりでよく行ったと思われるジョージの店です。

単なる思い出の店と思いきや、

別れた相手は今も常連客として顔を出している・・という、

現実の世界でもありがちな状況が、

多くの人の胸に刺さったのかもしれません。

終わった関係の中に友情を見出そうとしたり、

別れても逢いたくなってタクシーに乗ってしまう、

そのどうしようもない行動もまた、

多くの人の共感を得たとのだと思われます。

 

続いて2曲目は、天馬ルミ子さんで「その時わたしはTAXIを停めた」。

1978年、ピンク・レディーの「妹分」としてデビューした、

天馬ルミ子さんの3枚目のシングルです。

若いお嬢さんが東京の世田谷あたりからタクシーに乗り込み、

しばし道案内をしたあと、

なぜ急いでいるのかを運転手さんに打ち明ける、そんな内容です。

 

3曲目は、山口百恵さんで「BLACK CAB (ロンドン・タクシー)」。

この曲が収録された12枚目のアルバムのレコーディングは、

実際にロンドンで行われました。

百恵さんにとっては初の海外レコーディングだったそうで、

旅先での不安ながらもタクシーに乗って出かける様子が描かれています。

ロンドンでは、タクシーのことは、「ブラックキャブ」と呼ばれています。

このロンドン・タクシーは、長い歴史と伝統を誇り、世界一安全で、

運転手になるための試験が、かなり難しいといわれているそうです。

 

お別れの曲は、星屑スキャットで「真夜中のドライバー」でした。

こちらは、1995年にリリースされた、

沖縄音楽をうたう「ネーネーズ」の「真夜中のドライバー」を、

ミッツさんが所属する星屑スキャットがカバーしたものをお送りしました。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2022年8月21日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

最新番組ブログ
パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
    ミッツ・マングローブ
    ミッツ・マングローブ

    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。