道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

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2019.12.08

第7回のテーマは「日本には、雪国と雪のない国の2つの国がある」

番組アシスタントの新保友映です!

北国から雪の知らせが届いていますが、今回は「わが国には雪国と雪のない国の2つがある」というテーマで大石さんがお話しします。

新保 日本には、2つの国がある?

「日本列島には背骨のような山脈が日本海と太平洋を分けるように連なっています。暖流の対馬海流から暖かい空気がたちのぼり、それが大陸から吹いてきた冷たい風によって雪になり、日本海側に大雪を降らします。その後、山脈を越えた乾燥した風が太平洋側に吹き込むわけです。そういうことから雪国と雪のない国の2つの国が日本にあるわけです」(大石)

新保 雪国は除雪など、苦労が多いですね。

「雪が多いからといって経済を止めるわけにはいきません。雪を溶かしたり、雪をどかしたり、雪国は苦労の連続です。一年間の降雪量が4メートルを超える人口50万以上の都市は日本しかないんですよ」(大石)

新保 新潟には道路から水がチョロチョロ流れる融雪パイプがありますね。

「そういった融雪施設や雪崩防止施設などには大変なお金がかかります。電気の熱で融雪する方法、地下水を利用する方法など、いろんなことをやってきましたが、試行錯誤の連続でした」(大石)

新保 雪国に住む人の苦労を知らないといけませんね。

「中には、豪雪地帯に住まなければいい、という人もいますが、雪を引き受けている雪国のおかけで、太平洋側は快適に暮らせるわけです。さらに豪雪地帯があるから、美味しいお米、美味しいお酒が飲めるんですよ」(大石)

新保 大石さんが、日本の国土について、熱く語っています。詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*コラム「海峡も国境の一つ」*

対馬海峡とドーバー海峡、それぞれの幅は何キロあるか、気にしたことがあるだろうか。イギリスとフランスのドーバー海峡は、わずか30キロ。歴史を紐解くと、ローマ帝国の将軍カエサルが、紀元前にドーバー海峡を渡ってブリタニア(イギリス)を大軍団で攻めていける。これはドーバー海峡が狭かったからだ。一方、対馬海峡は200キロもある。遣唐使は19回ほど日本を目指したが、その半分が遭難。鑑真和尚もなんども遭難し、南方の島にたどり着いた。それほど厳しい環境の対馬海峡だが、日本はこの海峡のおかげで外敵から守られたと言ってもいい。つまり海峡も国土の一つなのだ。

*「駅長さん登場!」*

新潟県十日町市の「道の駅 クロステン十日町」岩船眞人駅長

クロステン十日町は、絹織物をはじめ、地場の産業振興を目的に昭和58年に設立。平成9年からは道の駅にも指定され、十日町エリアの観光の拠点になっている。地元の新鮮農産物と農産加工品を販売する「農産物コーナー」や十日町地域の地酒を中心に幅広く取り揃えているお酒コーナーなど、充実の品揃え。ギネス記録に登録された世界一の「つるし雛」の展示あり、入館は無料。

Q.ギネス記録に登録されたものがあるとか?

岩船 高さ10メートル、重さ350キロのつるし雛があります。雛が1万2,000個で、この数がギネス記録に認定されました。十日町は、着物の街で、端切れでつるし雛を作る風習がありました。子供の健康を祈願にもなっていますので、近くのお寄りの際は、ぜひ、見学に来てください。

Q.十日町は大豪雪地帯ですね。

岩船 12月の初めぐらいから徐々に降り始めて、平均2〜3メートル。ひと冬の累積降雪量は20メートルに達します。除雪には苦労しますが、雪が降るおかげで美味しいお米、おいしいお酒ができます。雪室(天然の冷蔵庫)も活用しています。

Q.15年前に中越地震が起きましたが……

岩船 15年前の10月23日、十日町の近くが震源地で、震度6強でした。当駅が避難場所になったことと、15周年を迎えたことで、第1回「道の駅リレー防災セミナー」を開催しました。この防災セミナーで注目したのは、ダンボールベッドや簡易トイレなど、新しい防災グッズでした。当駅でも最新の防災グッズを整えていこうと検討しています。

道の駅 クロステン十日町
所在地:新潟県十日町市本町六の一丁目71番地26
電話:025-757-2323
駐車場:普通車:362台(無料) 大型車:8台(無料)
https://cross10.or.jp

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パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
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    大石久和(おおいし ひさかず )

    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。