道の駅プレゼンツ 大石久和のラジオ国土学入門

  • TOP
  • ブログ一覧
  • 第2回のテーマは「日本のインフラ投資は先進国で最低!?」
2019.10.27

第2回のテーマは「日本のインフラ投資は先進国で最低!?」

番組アシスタントの新保友映です!

10月6日から始まりました「ラジオ国土学入門」ですが、日本シリーズなどで、第2回の放送は10月27日になりました。この間、台風19号や記録的な大雨で東日本では大きな被害が出てしましました。なぜ日本は災害が多いのか、大石さんのご専門である国土学を知れば知るほど、国土と災害の関わりが分かってきました。

新保 まずは前回のおさらいとして、日本列島の特徴を教えてください。

「日本列島は細長く幅が狭い上に、1000〜3000m級の高い山が連なっています。世界でもこのような国土は日本以外ありません。そこに流れる河川は、とても短く数が多い。さらに急流です。この条件で大雨が降ると、すぐに水があふれてしまいます。日本人は世界と比べても厳しい条件の上に暮していることを知るべきです」(大石)

新保 インフラ整備や防災対策をしているのに、どうして大きな被害が?

「豪雨が温暖化の影響なのか、1時間に100ミリの大雨が、30年前に比べると、およそ2倍に増えています。それに対して、日本の堤防にかける費用は、この20数年間で半分になっているんです。財政の問題とか、いろいろ理由はあると思いますが、豪雨は増えているのに、それを守るための堤防が強化されてこなかった、これが被害を大きくした背景と言っていいと思います。」(大石)

新保 日本はインフラ整備が進んでいる国だと思っていましたが……

「この20数年間に、洪水対策を含めたインフラ整備にあてた費用は、ほとんどの先進国が1.5倍、2倍、3倍なんです。アメリカは2倍です。イギリスやカナダは3倍です。それに対して0.5倍というのは先進国の中でも日本だけです。だから日本の堤防は強くならないんです」(大石)

新保 今回は、昭和33年の狩野川台風並みと言われましたが……

「今回、狩野川流域では、大きな被害が出ませんでした。なぜかというと、放水路を造っていたからです。戦争が終わって6年後の昭和26年に着工し、昭和33年の狩野川台風には間に合わず、大きな被害が出てしまいました。しかし、今回、大きな被害が出なかったのは、放水路が完成していたからなんです。ということは、過去の人の〝贈り物〟のおかげで、今の人たちは安全な環境を手にいれたと言っていいです。現在の我々が、次の世代に残すべき安全な環境を造らなければいけないのに、ものすごく手を抜いてきています」(大石)

新保 いま、日本に住む私たちに出来ることはありますか?

「国民の一人一人は主権者でありますから、税金をどこに使っているのか、監視する目を持っていただきたい。私たちは、この暮らしを守るために、税金を払っています。政府が国民の生命や財産を守ることを怠っているようでは、国民は声を上げなければいけないと思います」(大石)

新保 聞けば聞くほど、意外なお話ばかりです! 詳しくは、上記の「聴き逃しサービス」をクリックして、ぜひ、番組をお聞きください!

*コラム「峠という文字について」*

「峠」という字は中国で作られた漢字ではなく、日本で作られた国字です。中国は、大平原が多く、そこで暮らした人々は「峠」という文字を必要としませんでした。日本は山が多く、峠を越えて移動しなければなりません。峠の向こうに、何があるのか、どんな人が暮らし、どんな食べ物があるのか、そこを越えると、全く違う世界が広がっている、そんな感覚を日本人は持っていたことから「峠」という文字を作り出しました。

*「駅長さん登場!」*

道の駅 朝霧高原 志村正信駅長

道の駅 朝霧高原は、富士山を背景に富士宮市北部朝霧高原の国道139号沿いに平成12年3月27日に開駅しました。周囲には白糸の滝、田貫湖、狩宿の下馬ザクラ、富士山本宮浅間大社など、観光資源もいっぱいです。また、富士山の絶景ポイントで、写真撮影にやってくるアマチュアカメラマンの休憩スポットにもなっています。

Q.道の駅は防災機能も持っていますが、防災セミナーを開いたとか?

駅長 京都大学の鎌田教授(専門は火山学で、著書「富士山噴火と南海トラフ」など)がみえて、南海トラフ地震の際は、富士山が噴火することもあるだろうと教えていただきました。防災セミナーを通じて、早め早めの避難、安全な場所への避難が大事だと知って、台風19号の際も、ドライバーの皆さんへ、早め早めに、安全な場所への移動を呼びかけました。

Q.道の駅で耳寄り情報はありませんか?

駅長 高原の牧場があるところで、非常に牛乳が美味しいです。その牛乳を元に作ったソフトクリームが絶品です。また「ヨーグル豚(とん)」という銘柄の豚で作ったソーセージも人気ですよ。富士山が目の前に見える高原にありますので、とにかく空気が美味しいので、ぜひ当駅に遊びに来てリフレッシュしてください。

道の駅 朝霧高原
静岡県富士宮市根原字宝山492-14
Tel:0544-52-2230
営業時間
【売店・アイス工房】8:00~17:00
【食堂(レストラン)】8:00~17:00(LO16:30)
※天候により時間の変更がございます
https://www.asagiri-kogen.com/73417/

最新番組ブログ
パーソナリティ
  • 大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )
    大石久和(おおいし ひさかず )

    大石久和(おおいし ひさかず )

    1945年岡山県生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、70年に建設省(現国土交通省)に入省。道路局長などを歴任、道の駅の制度化などに尽力し、2004 年退官。その後、全日本建設技術協会会長、土木学会会長、日本道路協会会長等を歴任。また早稲田大学大学院(客員教授)、東京大学大学院(特任教授)、京都大学大学院(特命教授)としても教鞭を振う。専攻は国土学。 国土に働きかけるインフラ整備とその恩恵の体系、社会資本整備の哲学である「国土学」を提唱。著書に「『危機感のない日本』の危機」(海竜社)、「国土と日本人 災害大国の生き方」(中公新書)、「国土が日本人の謎を解く」(産経新聞出版)、「国土学 国民国家の現象学」(北樹出版)、「国土学事始め」(毎日新聞社刊)などがある。趣味は家庭菜園。

アシスタント
  • 新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)
    新保 友映(しんぼ ともえ)

    新保 友映(しんぼ ともえ)

    1980年山口県生まれ。青山学院大学法学部卒業後、2003年ニッポン放送にアナウンサーとして入社。プロ野球情報番組などを務め、野球の取材や知識が深い。女性アナウンサーでは35年ぶりとなる「オールナイトニッポン」のパーソナリティをはじめ、音楽番組「三宅裕司サンデーハッピーパラダイス」、バラエティ番組「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」など数々のレギュラー番組に出演し、萩本欽一さんや志村けんさんの番組アシスタントも務める。また報道番組「高嶋ひでたけのあさラジ!」では、ニュースや芸能情報も担当。2018年ニッポン放送退社。現在は、スポーツイベント、トークショーの司会、各種表彰式・授賞式、記者会見、試写会等の司会も務める他、ベースボール専門サイトFull-countでプロ野球のコラムも執筆している。