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2023.12.18

#298「週刊 なるほど!ニッポン 〜特別授業〜 晴の輔と学ぶ!自動車リサイクルの仕組みとは?」の巻

あなたは、普段からリサイクルを心掛けていますか?

昨日僕は、飲み終えたペットボトルをキャップとラベル、本体、別々にして捨てました。これ立派な「リサイクル」の1つなのです。

僕は、落語家ですから、江戸時代の庶民の暮らしぶりを語ることが多いのです。江戸の社会は、文字を書く紙は再生紙、着る物は古着が当たり前。使えるものは修理しながら、再生しながら、徹底して使い回す。循環型社会、リサイクル社会だったのです。割れた瀬戸物を直す「焼き次屋」さんがいたり、それから鍋や釜の破損を修理する「鋳掛屋」さんがいたり、修理専門のあらゆる職人がいたのです。

「週刊 なるほど!ニッポン」。今回のテーマは「リサイクル」の中でも「自動車=クルマのリサイクル」について、私、立川晴の輔が授業風にご案内します!

 

◆まず、1時間目。

テーマは

車のリサイクルとは何か?それは循環型社会の実現に向けた、とても大切な取り組みの一つです。そのために、自動車リサイクル法が定められています。この法律の正式名称は「使用済み自動車の再資源化等に関する法律」これは2002年に制定されました。そのきっかけは、1990年代後半、様々な社会問題が表面化したことでした。

 

どんな問題か?

・不法投棄された使用済みの自動車から有害物質が流出して、土壌や地下水などを汚染する問題。

JARC提供

・不適正な処理によって放出されたフロンガスがオゾン層を破壊して生態系を変化させる問題。

・金属などの素材や部品をリサイクルした後に残るゴミをシュレッダーダストといいます。このほとんどが廃棄物として埋立処分されている問題。

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これらの問題を「どげんかせんといかん!」と言ったかどうかは分かりませんが、「循環型社会」の実現に向けて、急がなければと2005年から「自動車リサイクル制度」の運用がスタートしました。クルマを使用する私たちも、自動車メーカーも、関連事業者のみなさんも、みんなで力を合わせて取り組んで行こう!となったわけです。この「自動車リサイクル制度」は、海外から“ジャパンモデル”と呼ばれていてとてもユニークな社会システムだと注目されているのです!

JARC提供

ちなみに、私たちはクルマを購入するときに「リサイクル料金」を支払うことでこの制度に参加しているのです。…ということは、僕も参加していますね!

日本では年間どれくらい使用済みの車が発生しているでしょうか?

  • 約100万台
  • 約200万台
  • 約300万台

正解は約300万台。③が正解です。そんなに使用済みの車が出ているのですね。でもね、これがうまくリサイクルされたら資源として生まれ変わるのですから、まさにSDGsです。上手く活用してもらいたいです。

JARC提供

◆2時間目

テーマは

具体的にどのような流れでリサイクルされているのでしょうか?この仕組みは、私たちがクルマを買うところからスタートしています。5つの流れがあります。

①クルマを買う時にリサイクル料金を支払います。

②使わなくなったクルマは、販売店や整備店などの引取事業者に引き渡します。

③引取事業者は、フロン類回収事業者に引き渡し、カーエアコンで使用されているフロンガスを回収してから解体事業者へ。

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解体事業者は、ガソリンやオイル、あとエアバッグを回収したのち、エンジン、ドアなど、まだ使える部品を取り除き「リサイクル部品」として販売します。残った車体は破砕事業者に引き渡します。そして破砕事業者は、車体から鉄・銅・アルミなどの金属資源を回収します。その際、最後の最後に残ったプラスチックやゴムなどのシュレッダーダストを自動車メーカーに引き渡します。

⑤自動車メーカーは、シュレッダーダストのほかに、解体事業者やフロン類回収事業者から回収したエアバッグやフロンガスを適正にリサイクル・処理します。

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ちなみに、『クルマを買う時に支払う“リサイクル料金”は何に使われているのか?』私たちが支払うリサイクル料金は、フロンガスやエアバッグ、さらにシュレッダーダストの適正処理のために使われています。

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このような形で、私たちユーザーも参加している「自動車リサイクル制度」が本格スタートしたことで、2004年9月末に約22万台もあった車の不法投棄などもグングン減っていきました。どれくらい減ったと思います?

2022年3月末のデータになりますが、約22万台が、わずか5,000台に!減ったでしょ?もう桁が違います。

循環型社会の実現に向けて、みんな一人ひとりがきちんと役割を担われた結果です。そして、自動車メーカーが新しいクルマを開発や設計する時には、運転性能や安全性能などはもちろんですが、使い終わった後のリサイクルのしやすさも考えられているのです。

いや~ただただ廃棄されるだけだったクルマが部品ごとに再生されていく。この循環がもっともっと当たり前になるといいですよね!

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それでは〆に謎掛けでも1つ!

クルマのリサイクルとかけまして、TikTokの動画と解きます。

 

今日は「週刊 なるほど!ニッポン 〜特別授業〜  晴の輔と学ぶ!自動車リサイクルの仕組みとは?」というトピックスでお届けしました。皆さまご理解いただけたでしょうか?自動車のリサイクルは僕の大好きな江戸時代の循環型社会に近づいていますね。

そんな「自動車リサイクルの仕組み」に

ここでお知らせです。

今日ご紹介した「自動車リサイクル」について、小学生を対象にした「クルマのリサイクル」作品コンクールが行われていて、作品を募集しています。「クルマのリサイクル」にまつわる「標語」と「ポスター」の2つの部門があって、応募締め切りは、来年2月29日必着です。詳しい事は、コチラの公益財団法人 自動車リサイクル促進センター、ホームページをご覧ください。

それでは、次回もお会いしましょう。立川晴の輔でした。

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      立川晴の輔

      落語立川流 立川志の輔一門
      1972年11月21日兵庫県神戸市生まれ
      東京農業大学農学部卒業

      ◆経歴
      平成 9年(1997) 立川志の輔に入門。志の吉を拝名
      平成15年(2003) 二ツ目に昇進
      平成20年(2008) 東西若手落語家コンペティション グランドチャンピオン
      平成25年(2013) 真打に昇進。志の吉から晴の輔へ改名

      東京八重洲、町田、千葉、川越の独演会をベースに全国各地での落語会、子ども落語会、企業落語講演、結婚式の司会等で活動中。