スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2021.02.19

2021年2月15日(月)

子どもの頃、誰もがよく食べていたモノ、『駄菓子』についてです。

 

■今週(2/15~2/19)のテーマ:『駄菓子』

 

2/15(月)  『“駄菓子”の名前の由来』

 

駄菓子の『駄』という字には“値うちのないもの、つまらないもの、

粗悪なもの、価値の低いもの“といった意味がありますが、

どうしてそんな名前で呼ばれるようになったのでしょうか?

 

駄菓子の歴史は江戸時代に始まったとされています。

当時、白砂糖はとても貴重で、それを使ったお菓子のことを

『上菓子(じょうがし)』と呼んでいました。

“高級なお菓子”の意味で、いただくことができたのは

大名や上級の武士だけだったそうです。

 

それに対して黒砂糖を使ったお菓子、例えば『かりんとう』や『おこし』、

『カルメ焼き』などは値段もお手頃で、庶民的なお菓子でした。

それを『上菓子』と区別するために、

『駄菓子』と呼ばれるようになったといわれています。

 

『駄』という字の意味からイメージが良くないように感じますが、

あくまでも『上菓子』に対しての『駄菓子』であって、

つまらないものでも、粗悪なものでもありません。

 

そんな駄菓子ですが、白砂糖が一般的なものになってくると、

今度はそれを使った駄菓子が次々と生まれて、

その世界も広がっていきます。

 

特に子どもにとって駄菓子はおこづかいでも

いっぱい買えることができる、ワクワクする食べ物ですよネ。

私の実家は今で言えば、コンビニのようなお店をやっていて、

駄菓子も売っていたので、子どもの頃から駄菓子に囲まれていました。

友達には“みっちゃんはイイなぁ~。お菓子が食べ放題で”って

うらやましがられていましたが、私は本当に幸せでした。

 

なので、今でも駄菓子に目がない私です。

上菓子よりも駄菓子のほうが好きかな・・・って

思ってしまいます。

 

 

2/16(火)  『うまい棒』

 

今回、『駄菓子』をテーマに決めた時、

すぐに頭に浮かんだのが『うまい棒』です。

“真ん中に穴が開いたコーンスナック”です。

東京・墨田区に本社があります『やおきん』という会社が

販売しています。

 

でも『うまい棒』を作っているのは、私のふるさと、

茨城県常総市にある『リスカ』という会社なんです。

 

この『うまい棒』という名前ですが、

『コーン棒』とかいろいろ考えた結果、

最終的に“うまいんだから”という理由で決まったそうです。

 

『うまい棒』が誕生したのは1979年(昭和54年)です。

最初に『ソース味』の1種類だけが発売されて、

その後、ほぼ同じ時期に『サラミ味』と『カレー味』が発売されました。

さらに翌1980年には『チーズ味』、『バーガー味』、『やさいサラダ味』が

登場して、それ以降、数々の種類が誕生しています。

 

そんな『うまい棒』の最大の魅力は、お値段が1本10円なんです。

これは発売当初からずっと同じだそうです。

昭和に誕生したお菓子が平成を越えて、令和になった今も

変わらずに10円だなんて、本当に嬉しいですよネ。

 

1本10円にしたのは“100円のスナック菓子を1つ買うよりも、

『うまい棒』を10本買ったほうが楽しい!と

思ってもらえるように・・・“という思いが込められているそうです。

 

そうなんです。リスカさんは常総市を代表する企業なんですが、

子ども心を一番に考えてくれているんですよネ。

私にとって『うまい棒』は、やっぱり駄菓子の代表です。

 

 

2/17(水)  『さくらんぼ餅』

 

『さくらんぼ餅』とは、水飴が主な原料の『餅飴(もちあめ)』と

呼ばれるお菓子で、モチモチとしたお餅のような飴です。

小さな四角形をしていて、それが容器の中にキレイに並んでいて、

つま楊枝で1つずつ刺して食べます。

 

この『さくらんぼ餅』ですが、サクランボの絵が描かれたパッケージが

特徴ですが、よく見ると3つのサクランボの並びが

微妙に違うんです。

また並んでいる数も12個のものもあれば、15個のものあります。

これはいろいろな会社から『さくらんぼ餅』が発売されているからで、

そのためパッと見は同じでも、それぞれ違うそうですよ。

 

例えば、明光製菓(めいこうせいか)の『さくらんぼ餅』は

『こざくら餅』という名前が付いています。

こちらは1955年(昭和30年)に発売されました。

 

富士製菓の『さくらんぼ餅』には『もちもち君』という名前が

付いています。こちらは1961年の発売です。

 

さらに、共親製菓(きょうしんせいか)の『さくらんぼ餅』は

1979年の発売です。

    

いずれの『さくらんぼ餅』には、定番のサクランボ以外に

様々な味の種類があります。

そして今ご紹介した3つの会社は、

いずれも愛知県名古屋市西区にあるそうなんです。

この辺りは全国最大規模の駄菓子の問屋街だそうですよ。

 

懐かしいなぁ~。『さくらんぼ餅』。

山の中から食べようか、左下から食べようか、

斜めに食べてみようかな・・・なんて考えながら食べるの

楽しかったなぁ~。

駄菓子にはいろんな思い出が詰まってますネ。

 

 

2/18(木)  『都こんぶ』

 

『都こんぶ』とは、お酢や甘味料などで味付けした昆布です。

大阪・堺市にあります中野物産の人気商品です。

 

誕生のキッカケは創業者の中野正一(しょういち)さんが

昆布の問屋さんで奉公されていた時、倉庫の中にある昆布の切れ端を

おやつ代わりに食べていた時のことです。

“昆布に味付けしたら、お菓子になるのでは?”

そう考えた中野さんは1931年(昭和6年)、19歳の時、

独立して会社を作り、昆布を原料としたお菓子を開発しました。

それが現在の『都こんぶ』の原型です。

 

この『都こんぶ』という名前は生みの親の中野さんの生まれ故郷、

京都への思いが込められているそうです。

つまり『都こんぶ』の『都』とは“京の都”のことなんですネ。

 

『都こんぶ』はお子さんだけでなく、大人にも人気ですよネ。

そのキッカケの1つが、当時の国鉄の駅の売店での

販売だったそうです。

その際、箱のサイズを小さくすれば売店に置いてもらえるはず!と

考えました。

その結果、男性のスーツのポケットにも女性のハンドバックにも入り、

しかも手のひらにスッポリ収まるサイズになったそうです。

 

それを基本に現在の“小さな縦型の赤い紙の箱”に、

桜の花びらと『都』の文字が描かれた『都こんぶ』が誕生しました。

ちなみにピンクの色の箱もありますが、こちらは梅酢味です。

 

『都こんぶ』、これも好きです。

駅の売店とかで見つけると、つい買ってしまいますよネ。

でも『都こんぶ』の梅酢味、ピンクのパッケージは知りませんでした。

今度、見つけてみたいと思います。

 

 

 

2/19(金)  『糸引き飴』  

 

『糸引き飴』は飴の中から長い糸が通っている飴で、

それがケースの中で束ねられています。

その束の中から糸を1本選んで引くと、

飴がケースから上がってくるので、

その飴が食べられるというものです。

自分が選んだ糸がどの味の飴になるかは、運次第なんです。

 

大粒の“大玉(おおだま)”が当たることもあれば、

同じ味ばかり続くこともあるので、選ぶ時はドキドキします。

 

この『糸引き飴』は『耕生製菓(こうせいせいか)』の商品で、

正式な名前は『耕生のフルーツ引(ひき)』といいます。

 

1955年(昭和30年)頃に誕生しましたが、

最初の頃は飴の形はすべて円錐形だったそうです。

それが1970年代の初め頃に、イチゴやミカンといった

フルーツの形に進化したそうです。

また味もフルーツ味以外に、

コーラ味の『コーラ糸引(いとひき)』があります。

 

そんな『糸引き飴』の食べ方ですが、人それぞれだそうです。

“途中でガリガリと噛み砕いて、糸と飴を引き離します“という方もいれば、

“糸をぶら下げた状態で食べて、時々、クチから出して

飴の状態を確認します“という方もいるそうです。

 

これ、ウチの店にもありました。

色がキレイで、見てるだけでワクワクするものでした。

 

駄菓子は子どもにとって、夢の世界に連れていってくれるものです。

そして大人になると、懐かしい思い出でいっぱいになる・・・

なんか素敵なお菓子だなぁ~って思います。

 

 

■今週の感想 

 

番組でもお話しましたが、私の実家は今で言えば

コンビニのようなお店をやっていて、

駄菓子も売っていたので、子どもの頃から駄菓子は

とても身近な存在でした。

 

今回お話した以外にも、たくさんの駄菓子がありますが、

人それぞれ思い出に残る駄菓子って、きっとあるかと思います。

大人になった今でも駄菓子を見ると、

なんかワクワクしてきますよネ。

そして駄菓子屋さんでは、持っているお金で何がいくつ買えるか

自分で計算するので、子どもにとって

計算を学ぶ実践の場でもありましたネ。

懐かしい思い出です。

 

追伸:

2/13深夜、福島県沖で発生した大きな地震で

被害にあわれた方には、心よりお見舞い申し上げます。

コロナに地震と不安ばかりがつのりますが、

1日でも早く穏やかな日常が戻ることを願うばかりです。

 

 

【お知らせ② 次週(2/22~)からのテーマ】

 

実は私の故郷、茨城県と大きな関係があるんです!

『レンコン』についてです。

 

 

【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/