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2026.02.13

車いすカーリング 元日本代表コーチの持田靖夫さんに聞く、車いすカーリングの競技の魅力や選手たちを取り巻く現状。

車いすカーリング元日本代表コーチの持田靖夫さんが登場。

車いすカーリングの競技の魅力や選手たちを取り巻く現状、

さらにミラノ・コルティナ冬季パラリンピックに出場する

混合ダブルス日本代表チームについても伺いました。

日本車いすカーリング協会 コチラ

 

右から 

・カーリング用のブラシ、

・競技用ストーン

・車いすカーリングで使用する、デリバリースティック、

・ストーンにデリバリースティックをセットし、選手はこのスティックを押し出し

35m先にあるハウス(円)の中にストーン(石)を投げ入れてる

 

 

ミラノ・コルティナ冬季パラリンピック

今回のミラノ・コルティナ冬季パラリンピックで、

車いすカーリングの混合ダブルスに日本代表が出場する。

車いすカーリング自体は以前からあったが、

日本代表の出場は2010年のバンクーバー大会以来、実に16年ぶり。

自分にとっても本当に待ち望んだ舞台である。

出場するのは小川亜希選手と中島洋司選手のペア。

昨年3月の世界選手権で優勝しており、

今大会で一番いい色のメダルに近いチームではないかと

自分は思っていて、本人たちもそこを本気で狙っているはず。

混合ダブルスは今大会から正式採用された新種目で、

これまでは4人制のみで、2人で戦うダブルスは

1人5投と石の数が少なく、より戦略性が問われる。

カーリングは“真ん中の取り合い”。

いつ中央を取るか、そのためにどんなガードを置くか、

常に考え続ける競技。

石が少ない分、一投の重みも技術差もはっきり出る。

だからこそ、この2人の経験とお互いを知り尽くした関係性は大きな強み。

見ていて安心できるペアだと思う。

 

 

車いすカーリングの基礎知識

カーリングは、真ん中を取り合う競技。

真ん中の円の部分を「ハウス」と呼び、

すべての石を投げ終わった時点で、そのハウスの一番中心に

石を置いているチームに得点の権利がある。

真ん中に近い順に数えていって、相手の石が出てくるまでが得点。

つまり、相手よりいくつ中心に近づけられるかという勝負。

石、いわゆるストーンは約20キロ。

車いすカーリングでは、座った状態から投げるため、

「デリバリースティック」という長い棒を使って、

約35メートル先のハウスに向かってストーンを送り出し

ストーンに当てたり、止めたい場所に止めたりする繊細な競技。

障害の状態によって、使える筋肉や力の入り方は人それぞれ違う。

どう体を使い、どうストーンに力を伝えるかは選手によって全く異なる。

コーチとしては、その選手がいちばんまっすぐ、

安定して投げられるフォームを一緒に探し、

必要なトレーニングも提案していく。

車いすカーリングの見どころは、投げる技術の高さ。

氷をブラシでこする「スイープ」がないので、

すべては投げ手の技術にかかっている。

一投一投の精度の高さに注目してほしい。

 

 

車いすカーリングのコーチの役割

2024年の世界車いすBカーリング選手権で、

チームを史上初の銀メダルに導いた。

B選手権は世界選手権の予選会で、

上位3チームに入らなければ次へ進めない。

ここを突破できなければ、世界選手権にも

パラリンピックにもつながらない。

日本は長くその壁を越えられなかった。

だからこそ今回の結果は、選手たちにとっても

大きな自信になったと思うし、

その一助になれたのならコーチとして嬉しい。

思い切った決断もした。

競技歴1年未満の鏡裕輝選手を国際大会で起用。

彼は経験は浅いが、勢いのある速い石を投げられる希少な選手。

責任は自分が取ると伝え、送り出した。

本番で大事な場面で最高のショットを決めてくれたとき、

抜擢して本当によかったと心から思った。

チームに常に伝えているのは、

「思っていた」は後から言わないということ。

試合が終わった後で「あの時こう思っていた」と言うのは

非常にネガティブな状況になる。

カーリングはコミュニケーションのスポーツ。

感じたことはその瞬間に伝えるようにと指導している。

 

 

日本の車いすカーリング事情

車いすカーリングの選手は、日本全国でも50人に満たないのが現状。

氷上で専用リンクが必要な競技なので、

どうしても北海道や青森、長野といった

施設のある地域に選手が集中する。

仲間を誘ってくださる方もるが、移動や環境のハードルもあり、

思うように競技人口が伸びていないと感じている。

だからこそ自分は、体験会を大切にしている。

健常者の方に車いすに乗ってプレーしてもらう体験会も行っている。

参加者からは「難しい」「車いすの選手はなぜそんなに

正確に止められるのか」と言われる。

強さを計算しながらストーンを投げるにはとても頭を使うが、

やっていくうちにコツがつかめて楽しくなる。

ゲームをすると皆白熱し、より面白さが伝わると感じている。

車椅子の方が飛び込みで体験会に参加するというのは

ハードルが高いので、体験をしていただいた健常者の方に、

周りの車いすに乗られている方がいたら

今度一緒にきてくださいと声をかけている。

カーリングは年齢も性別も問わないスポーツ。

若い世代にも知ってもらえるよう、

これからも体験の場を積み重ね、競技の輪を広げていきたい。

 

 

パラリンピックでの車いすカーリングのみどころ

3月6日開幕のミラノ・コルティナ冬季パラリンピックで、

車いすカーリング混合ダブルスに日本から

小川選手と中島選手のペアが出場する。

自分たちで勝ち取った舞台なので、まずは誇りを持って、

悔いのない戦いをしてほしい。そして目指すは金メダル。

車いすカーリングの魅力は、自分の技術だけで

勝負を組み立てるところ。

氷は刻々と変化し、滑る・滑らない、曲がる・曲がらないを

見極める洞察力が求められる。

ダブルスは2人だけだからこそ、コミュニケーションも大きな鍵になる。

車いすカーリングの母国はスコットランド・イギリスで

大国と呼ばれるのがカナダ。

今一番の強国は中国。ミックスダブルスは韓国が強い。

アジアでは車いすカーリングは非常に盛んでレベルが高い。

今回のパラリンピックをきっかけに、

競技を知ってもらう機会が増えることも期待している。

もっと多くの方にこの競技を知って頂く機会を増やしていきたい。

 

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