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2024.01.12

西村宏堂さんに聞く世界で活躍するメイクアップアーティストになるまで、そして僧侶の道を志した理由。

メイクアップアーティストで、僧侶でもある西村宏堂さんが登場。

世界で活躍するメイクアップアーティストになるまで、

そして僧侶の道を志した理由、

さらに、LGBTQ+の当事者として活動をする中、感じていることなど、

西村さんがこれまで歩んできた人生と思いを伺いました。

 

西村 宏堂 オフィシャルサイト コチラ

X(旧Twitter) コチラ

インスタグラム コチラ

 

 

 

 

 

LGBTQ+であること

幼稚園の時から男の子に興味があった。

しかし、それを周りの人に言ってはいけないということは

3歳くらいでもわかっていた。

セーラームーンが好きだったり、お姫様ごっこが好きだった。

カミングアウトすることができたのは24歳くらいの時。

それまでずっと隠していた。

自分が好きなものについて話すことができず、

とても淋しい思いをしていた。

そんなパーソナリティだったので友達がなかなかできなかった。

自分が周りの人から否定されていると思っていたので、

自分も相手のことを否定しないとやっていけず、

意地悪な自分になってしまいっていた。みんなのことが嫌いだった。

しかし、カミングアウトできるようになり、応援してもらったり、

自分の体験が他の人の助けになると知り、

みんな辛いことがあるのではないか、

みんな一生懸命でいっぱいいっぱいなのではないかと気が付いて、

そこから思いやりの気持ちをもったり、

自分のように辛い思いをしている人がいたら励ましたいと思うようになった。

 

 

メイクアップアーティストの誕生

メイクをどうにかうまくなりたいと思い、21歳のとき、

ニューヨークでメイクアップアーティストの方に弟子入りし、

5年間、見て学び、自分でもメイクし、指導を受けた。

その後、ロサンゼルスのヘアメイク学校に行き、勉強。

メイクが大好きで、いろいろな色を使ったり、全部をこだわりたい。

しかし、全部のパーツ、眉も100%、目も100%、

リップも100%とすると全部で300%になってしまう。

例えるなら、ハンバーグがでてきて、てんぷらがでてきて、

カレーがでてくるという感じで多すぎる。

メイクも全部で100%にすると成り立つ。

どこに%を費やすかを自分でメイクしてみて、研究して、

編み出していくと良いバランスが見つかると思う。

メイクアップアーティストの方に弟子入りしたとき、

最初はメイクのレッスンを受けるというところから始まり、

4時間で10万円といわれた。当時20歳の自分にとっては高額。

母親に相談したところ、

「自分がやりたかったことだから投資だと思っていいんじゃない」

と言われ、10万円をできるだけ最大限につかい、

5年間、アシスタントとして働く機会を得た。

それにより、ミスユニバースの世界大会に行くなど、

いろいろ夢が叶えることができた。

 

 

僧侶の誕生

僧侶はご住職と呼ばれ、その子供である自分はご子息と呼ばれて育った、

一方、同性愛者は差別的に呼ばれることもある。

そういった2つのアイデンティティが一緒になったらどうなるのか、

社会の偏見を試すようなことをやってみたいと思った。

肩書やセクシャリティではなく、中にある心をみてもらいたいという気持ちで

自分が悩んでいた同性愛者であったことや

皆が尊重されることの大切さを話したいと思うようになった。

自分はディズニープリンセスが大好きで、

髪は長くしてなびかせて生きて生きたかった。

しかし、僧侶は髪を剃らないと修業に入れないということが

仏教の道に入る上でとてもハードルが高かった。

しかし、きちんと知らないで、多分こうだとみなして

嫌がることは偏見や差別につながる。という母からの教えから

それを仏教に関して自分もおこなっていたと思い、

どんな修行でどんなことを勉強できるかをみてみようと思った。

自分は同性愛者であるということを悩んでいたが、

月の光が街全体を照らして眺める人がみんな

その美しさを味わえると同じように、

仏教ではどんな人でも同じように救われる。

一番悩んでいたところを励ましてくれた教えだったので

仏教の道に行ってみて良かったと後に思った。

2500年くらい歴史のある教えなので説得力がある。

 

 

ハイヒールを履いた僧侶

2021年アメリカの雑誌「TIME」で次世代リーダー21人に選出された。

今まで皆が思っていた僧侶の姿をアップデートしているということで

選んでもらったのだと思う。

仏教、僧侶というと質素でミニマムで厳格な印象かと思う。

自分もそれが嫌だった。しかし華厳経の中の観音菩薩は

冠を付けていてきらびやかに着飾っている。

「素晴らしい菩薩になりたいのであれば、

 荘厳な身なりと頭脳明晰、力強い体、

優秀な御付の者をつけていることが大事

 そうでないと人はあなたのことを尊敬してくれないだろう。

 皆が素敵だと思ってくれるからこそ、あなたは他の人に

メッセージを伝え導くことができる」

という華厳教の教えを仏教の哲学者である父から教わり、

着飾ることが悪いことではないと学んだ。

仏教は知れば知るほどいろいろな教えがある、

大事なことを見るヒントがあるのだと思った。

LGBTQ+への理解は昔と比べたらよくなってきていると思う。

自分がニューヨークでメイクをしてハイヒールを履いて歩いていたら

小さな男の子が自分に向かって石を投げてきた。

しかし、メイクが素敵とほめてくれる人もいる。

日本で石を投げてくる人はいないが、大きな声で応援する人もいない。

穏やかな印象。

どんな国でもどんな地域でも、皆が「そういう人もいるよね」と思って

安心して生きていける社会が増えればと思っている。

 

 

みんなに伝えたいこと

サンマーク出版から『正々堂々―私が好きな私で生きていいんだ』を出版。

そこで「他の人の意見に自分の人生をゆだねないで」と言っている。

自分ができるかできないかをベースに、

他の人にアドバイスすることはよくあると思う。

しかし、実際にいろいろなことを成し遂げた人は、

「できない」とは言わないと思う。

できるよと言ってくれる人にアドバイスをもらい、

自分ができると思わない限り、夢も実現できないと思う

また、自分に自信を持つことが大切。

自信には「比べられる自信」と「比べられない自信」の2つあると思う。

たとえば英語がクラスで1位だとしても、全国でみたり、

ネイティブの人と比べたら、その自信は揺らいでしまう。

しかし、「自分には愛してくれる家族がいる」や

「自分は思いやりの思いがある」という

比べられない自信、自分の気に入っているパーソナリティがあると

自分の自信を保つことができる。

活躍していたり、いろいろなステージに得意で進んだとしても、

自分は価値がないのかな、足りないのかなあと思ってしまう時に、

揺らがない自信が一番のお守りになってくれる。

生きていると人と自分を比べてしまうことはある。

自分の人間としての価値は、位とか、収入とか、

どれだけ活躍しているかということに関係なく

みんな平等だと仏教ではいっている。

みんな平等、自分も価値があるということを伝えたい。

 

 

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