福岡県北九州市小倉で海鮮丼とぬか炊きの専門店
「味処 矢野」を経営されている矢野寿美子さんが登場。
「ぬか炊き」とは何なのか?海外からわざわざ食べにくる方もいるという
矢野さんの絶品「ぬか炊き」の美味しさの秘密、
さらに、ぬか床が食材をおいしくするのはなぜか 伺いました。
「味処 矢野」ホームページ コチラ
そして、ぬか漬け、ぬか炊きに興味ある方は
ぜひ矢野さんのブログを コチラ
購入は コチラ
「ぬか炊き」と「ぬか床」の歴史
「味処 矢野」は小倉駅から徒歩7~8分のところにある。
「ぬか炊き」とは北九州市小倉の郷土料理。
小倉城の城下町で普及してきた伝統保存食
ぬか漬けは微生物がいい仕事をしてくれる。
微生物が分子を細かくして野菜の中に入り込んでおいしさをいれてくれる。
ぬか漬けはちゃんと発酵させればおいしい。
熟成からくるうま味がある。
「ぬか」は、米を精米したときにでたカラが「米ぬか」。
白米にしたときに芽のところが削られてしまい、もったいない、
また、江戸時代に白米が食べられるようになって脚気が増え、
殿様が悩み、ぬか床ができたとも言われる。
ぬかに水と塩と香味野菜をいれて混ぜてできたものが「ぬか床」。
殿様が大切に床の間に置いていたので「ぬか床」といわれた
という記述がある。
体にいい大切なものとして扱われていた。
江戸時代には「おささじ」という言葉があった。
これはぬか味噌のことで、
ぬか味噌で炊いた魚を「おささじ煮」と言った。
ぬか床の不思議
ぬか床の中には微生物がたくさん棲んでいる。
微生物を生かし続けるためにえさを与えないといけない。
野菜をえさとして与える。
野菜で微生物を元気にすると、ちゃんと育った微生物が
うま味成分を出し、野菜に付与してくれる。
そして美味しくなった野菜を私たちがいただく。
適温管理によって微生物が増殖し、香りのもと(香気成分)や旨味を生成してくれる。
なので、漬けないとおいしくならない。
餌を与えないと菌が弱り、おいしくなくなる。
ぬか自体は炭水化物で、乳酸菌しかついていない。
野菜に酵母菌が付いているので、
野菜を入れることで、酵母菌や乳酸菌などいろいろな菌が育つ。
乳酸菌は一番強い菌なので、悪い菌がでてくると抑え込んでくれる。
自分の家のぬか床は、母が嫁に来て作ったもので
およそ100年近いぬか床。ぬか床は腐らない。
ぬか床の表面は好気性菌。下は嫌気性菌が生きている。
好気性のところにカビなど悪い菌がはびこる。
それを取り除いてあげると、下は生きている。
ぬかが少なくなってきたら、生ぬかと水と塩を足す。
するとどんどん菌は増えていく。
ぬか床の継承
新しくぬか床をつくるときは、
小指の第1関節くらいの量の種ぬかを置き、
生ぬかと水と塩をいれると、1ヵ月で菌がどっと増える。
ぬかが持っている栄養分、炭水化物が餌になり、
種ぬかの菌が元気になる。
300年続いたぬか床の表面がかびてしまっても、
中の方から種ぬかを小さじ1杯をとって新しく作れば、
300年の歴史が繋がる。腐らない。
むか床は再生できる。
自分のぬか味噌はそれ自体を食べてもおいしい。
うま味が詰まっている。
「ぬか炊き」は、ぬか床のぬか味噌をいれて炊いた煮魚料理。
矢野さんの「ぬか床」
美味しいぬか味噌にするに10年はかかった。
水を増やしたり、減らしたり、混ぜる回数を増やしたり、減らしたりと、
いろいろ試行錯誤するうちに、すごくいいかおりがしてきた。
九州大学の工学博士である研究会の会長曰く、
これは香気成分のラクトンということだった。
これまでに1000人以上に教えて、
このラクトンが出せたのは1人だけ。
常在菌といって、一人一人、手についている菌が違う。
最初は「味処 矢野」のぬか床を分けてあげても
4日、5日経つとその人の菌の味に変わる。
体温と手の菌が合わさって美味しくなる。
適温は20度から25度。混ぜると少し温度が上がる。
体温の違いは大きく、母と娘でも味が変わる。
自分でおいしいと思うことが大切。
美味しいと思うものを長く続ければいい。
一生懸命自分で研究することが大切。
失敗しても直せるので、どんどん失敗すればいい。
酸っぱくなりすぎた、臭くなったと言う時も直す方法がある。
自分はがんばってその方法を見つけてきた。
それを皆に教えている。
ぬか床が「直して」と伝えてくる。五感でわかる。
文化庁の「100年フード」に申請をし、自分たちの研究会が認定を受けた。
小倉にこのようないいものがあるということをPRしていきたい。
矢野さんの「ぬか炊き
郷土料理の「ぬか炊き」。
調理方法は、鍋に水をいれ、ぬか味噌をちょっと入れ、
魚をいれ、煮立ったら取り出し、調味する。
好みの甘味、辛みにする。
塩分はぬか味噌の中に入っているので、てんさい糖で味を調える。
同じぬか味噌をつかっていても魚によって味が変わってくる。
保存食なので、日持ちがする。
誰も作っていなかった「手羽元のぬか炊き」も作った。
「ぬか炊き」は素材の持ち味をしっかり表現してくれる。
ぬか炊きにすると青魚独特の臭みもなく、食べやすい。
サバのぬか炊きは、ぬか味噌を多くつかっていて、
自分のところのぬか味噌はうま味成分が多いので
しっかりとした味になっている。
イワシは一度に220匹炊くので、ぬかをあまり入れると熟成が追い付かなくなる。
サバは120切れなので、多少多く入れてもぬかが甕の中に残る。
大量生産はできない。
真空パックして4週間ほど日持ちする。
「味処 矢野」のホームページで通信販売している。

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