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2023.11.11

同時通訳者の田中慶子さんに聞く同時通訳の仕事の魅力。

同時通訳者の田中慶子さんが登場。

田中さんは、総理大臣やビル・ゲイツ、デビッド・ベッカムなど

同時通訳を担当された経験がある日本トップクラスの同時通訳者。

高校時代不登校だったという田中さんが同時通訳者になるまでの話や、

同時通訳の仕事の魅力、さらに、英語上達法についても伺いました。

 

田中慶子さんのX  コチラ

 

voicy 「田中慶子の夢を叶える英語術」配信中! コチラ

『不登校の女子高生が日本トップクラスの同時通訳者になれた理由』

(角川アスキー総合研究所)

コチラ

 

『新しい英語力の教室 同時通訳者が教える本当に使える英語術(できるビジネス)』

(インプレス)

コチラ

 

同時通訳者になるまで

アメリカの大学を卒業後帰国し、日系の外資系企業に就職。

その後、NPO活動をしていて、

自分がやるべきことはこれだと、思ってやっていたが、

そのNPOが財政難で破たんし、失業。

その時、できることをやってみようと思い、

やったことの一つが通訳学校に通うことだった。

アメリカからの帰国後、アメリカで得た知識を日本語で何というのか

わからないということがあり、

通訳の人がどうしているのかという素朴な疑問がずっとあった。

ここから、失業を機に、通訳の学校へ。

そしてそのまま通訳者になった。

同時通訳者となったのは、

プロの通訳者は同時通訳もやらないと仕事が増えないということもあるが、

たまたま自分が通った学校が、CNNのニュースの

同時通訳者を育成する学校だったということもある。

アメリカの生活は全部で7年。

高校は不登校だったので、日本で大学に進学ができずアメリカへいった。

アメリカの大学は勉強がハードでついていくのに必死だった。

日本で不登校だったときは、勉強がとてもつまらないものと思っていたが、

アメリカにいって勉強するのがこんなに楽しいんだと目覚めた。

 

 

アメリカ留学へ

自分はとても不器用な人間でひとつひとつ納得しないとできない。

学校でこれを勉強しなさいと言われることに

ひとつひとつ立ち止まり、「どうして?」となってしまう子どもだった。

自分の納得できるペースでやると、気が付くと人と違うところにいた。

高校2年生の時、不登校になってしまった。

このとき、昼は家でずっと本を読んでいて、

夕方になると地元の演劇集団に出かけていった。

ここは、社会問題について大人も学生も話し合い、

一緒に演劇を作ろうというサークルなようなものだった、

いろいろな人と議論をするのが楽しかった。

高校はギリギリで卒業し渡米。

渡米したのは、社会に馴染めなかったということと、

社会問題について議論をしているときに、

日本社会ってどうなんだろうという疑問もどこかにあり、

違う世界を見てみたいという気持ちがあった。

ある日、海外に行き、これからは英語が必要にだと思うんだと

母に何気なくポロっと言ったら、

親も心配していたようで、翌日、真剣に考えてみたらと言われた。

実は、自分は前日に話したことを忘れていたが、

このチャンスをのがしてはいけないと思い、「留学したい」と言い、アメリカへ。

 

 

英語上達法

英語力をつけるには目的がはっきりしていることが大切。

それが決まっていないと、

どこから手を付けていいのかがわからなくなる。

日本人の英語に対する苦手意識は、使う機会が圧倒的に足りないから。

テスト勉強は結構してきていて、英語が“使うもの”ではなく

“学ぶもの”になってしまっている。

英語の知識レベルは日本人はとても高いが、

知識は使って経験を経ないとスキルにならない。アウトプットが大事。

アウトプットすると恥ずかしい思いをすることもあるが、

伝わらなかったときに、もうひと頑張りをして、どうやったら伝わるのか、

あの時言いたかった単語は何だろうかと後で調べて覚える。

そのように、自分の経験と共に学んだ英語はインパクトが強烈で定着率が高い。

1日1個でもそうやって覚えていけば、生きた英語が身に着く。

英語は使いながら覚えるというのが一番いいと思う。

誰かと話しているつもりでのエア会話でも、妄想でもいいので、

自分の口で英語を話すというだけで違う、

 

 

通訳者の仕事

通訳の学校で訓練を受けているときに、

「何を言っているのかを訳すのではなく、

何を言わんとしているのかを汲み取って、訳しなさい」

と先生から言われた。これが同時通訳の面白さで難しさ。

自分たちの仕事は伝わらないと仕事したことにならない。

仕事の前にすごく準備をする。

その人が今話している言葉を、前準備で得た背景・知識と合わせて

「つまり、この意味でいっているな」ということを

可能な限り汲み取って訳す。

そして訳される側の言語の人にどうやったら伝わるかということで、

その場でなんとかでてきたものを訳す。

あそこはああやって訳したほうがよかったなど、今でも毎回考えながら帰る。

どんどん新しい言葉がでてくる。

英語だったものが日本に入ってきて、そのままカタカナで使われていたり、

一部の人だけがカタカナで使っていたが

次第に一般的に使われるようになったということもある。

普段から日本語のメディアをチェックしながら

この言葉は一般的に使われているとか、専門の方だけが使っているなど、

理解し、その上で、聴いている人が誰なのかにより、

どこまで噛み砕くのか、そのままカタカナで言っていいのか、

それとも意味を補足しながら言った方がいいのかを考えて訳す。

 

 

コーチング

同時通訳という経験を生かして、コミュニケーションのアドバイスをする

「コーチング」という分野でも活動している。

英語をどのように使うか、ということや、

英語でコミュニケーションをする時には何が必要かという、

英語をただ学ぶというよりは、使う上での自分の気持ちなどが

コミュニケーションの中で大事だと思い、

コーチングという形でお手伝いしている。

著書。『新しい英語力の教室 同時通訳者が教える本当に使える英語術(できるビジネス)』(インプレス)を出版。

コーチングでは多くの人に知っていただくのは難しいので本という形をとった。

自分にとっての英語ってなんだろう、

自分が英語を学びたい目的ってなんだろう、ということを考えながら、

自分に必要な英語の勉強を計画する。

また、やる気は持続するものでないので、

やる気がなくてもやらざる得ないことの習慣化の仕組み、

作り方などもコーチングのアプローチで書いている。

通訳する上で、通訳させて頂く方のことはすごく理解したいと思う。

通訳をしていると魅力的な方にたくさん出会える。

知りたいと思える方の通訳ができるというのは幸せだと思う。

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