9月11日(月)からは、
日本の豆腐業界をリードする、相模屋食料株式会社 代表取締役社長の
鳥越淳司さんが登場。
機動戦士ガンダムとコラボレーションした『ザクとうふ』や、
『BEYOND TOFU』シリーズなどのヒット商品誕生の背景、
豆腐業界の今と豆腐文化の継承、そして、新たな挑戦についても伺いました。
相模屋食料株式会社 詳しくは、コチラ
ヒット商品
機動戦士ガンダムとコラボレーションした『ザクとうふ』が
大きな話題となりヒットした。
これはガンダムの豆腐をつくりたい、
ザクの頭をつくりたいという思いから作った
100%自分の趣味の豆腐。
この容器をあつめて、いろいろな色を塗る人や
ザクとうふの容器を飾って居酒屋などもあった。
『BEYOND TOFU』シリーズの『うにのようなビヨンドとうふ』は、
「うに」よりも「うに」らしくというコンセプトで作った豆腐。
『BEYOND TOFU』シリーズはいろいろあるが、
『うにのようなビヨンドとうふ』は一番の自信作。
豆腐はシンプルなので何にでも合うが
くせになる味がないという話をもらい、
くせになる味は何かと考えた。
くせになる味は魚介、という話から
魚介の味で一番くせがあり、頂点にあるのは何かと考え、
たどりついたのが「うに」。
商品開発
『BEYOND TOFU』シリーズの『オリーブオイル漬け』は、
100%植物性のヴィーガンチーズ。まるでチーズ。
乳製品を一切使わず、豆乳を使用。
発酵させているので、チーズの風味がする。
チーズは牛乳を発酵させたもの。豆腐は豆乳をにがりで固める。
そして、欧米には街に個人のチーズ屋さんがあり、
日本は街に豆腐屋さんがある。
流れとしてはチーズと豆腐は同じだと思った。
商品開発は、自分のアイディアを、工場の人たちに話し、
やるぞ!という形。
実現のやり方も全部自分で考えて示す。
アイディアを話したときに、それはできないと言われても、
こうやればできると自分が言えるので、やってみてくれる。
出来上がると楽しいので、次からは「できない」という声はでてこない。
そうやってたくさんの商品が生まれた。
『カルビのようなビヨンド油あげ』という商品がある。
日本人にとって、文明開化の前は油揚げが肉として食べられていた。
現代の肉としての油揚げはこうだということを証明してみようと
できた商品。開発には1年半を要した。
やるぞと思ってやっていればいつかはできる。
豆腐にはこんなに可能性があるということをもっと追究していきたい。
豆腐文化の再建・継承
「三之助」というブランドでつくられている最高峰の『只管豆腐』。
大豆にこだわり、職人がこだわってじっくり作っている豆腐。
農家の方が直接「三之助」で使ってほしいと持ってきた
あまりない大豆を使用している。
豆腐店は30年くらい前は55000軒あったが、今は5000軒を割っている。
一番は後継者問題。
11年前に破綻しそうな豆腐屋さんや豆腐メーカーの救済を始めた。
豆腐はその土地によっていろいろな豆腐がある。
木綿豆腐といっても群馬と京都では全然違う。作り方も違う。
そのような職人さんの技術を伝えている。
昭和の時代、日本が豊かになろうという時代、
コストを下げて豆腐をもっとたくさん作ろうという流れになり、
機械化、自動化される中、職人の技術が軽んじられる流れがあった。
破綻していく豆腐メーカーはそのような状態にある。
自分は、設備がどうということではなく、
魂のこもった豆腐を作る職人さんがどれだけまだいるか。
それを発掘して再建していくということをしている。
子会社化して、現在は全国に20工場ある。
社長としての挑戦
もともと乳製品の会社に勤務。
相模屋の社長の娘と結婚し、相模屋に入った。
最初の2年間は豆腐作りを自らおこなった。
職人としての機微というものが身についているので、
今、再建しようとする会社にいってもどこが感どころかわかる。
40億かかる工場を作る際は当時の社長だけがやりたいといい、
みんなは反対したが、自分はやりたいと思った。
日本一大きな豆腐工場を作ったことで、全国に流通できるようになった。
もともとは豆腐の一番おいしいタイミングである“あつあつのできたて”
の豆腐をお客様に提供したいと思ったことからだった。
水にさらすと温度が落ちてしまう。
であれば、陸上で温度が下がらないうちに豆腐をパックしようと考えた。
生産量が増え、
さらに、雑菌が増える時間帯と温度帯を通らずパッキングができ、
冷却をするだけにしたので、できたてのおいしさを保ちながら、
日持ちが伸ばすことができるようになった。
一つの壁が打ち抜けたと思う。
これからの夢、目標
今取り組んでいるのは『フォアグラのようなビヨンドとうふ』。
こんなの豆腐は絶対できるわけがない、
というものをやりたいと思っている。
私自身がそんなに食べたことがない高級食材で
「これが豆腐?」と言わせてみたい。
「本物に近づけない」ということをテーマのひとつとしている。
「うにのようなビヨンドとうふ」は
一口目、二口目のいいイメージのウニを豆腐で表現したいと思った。
フォアグラも食べ進めると脂っぽさを感じ、少しでよかったと感じるが
イメージのままバクバク食べられるフォアグラを表現したい。
これからやろうとしているものでは『大トロのようなビヨンドとうふ』
各地にお豆腐の文化を担っている豆腐屋さんがグループにはいっているので、
それぞれの技術を合わせていくと、できるのでは・・・ということができている。
豆腐は1000年以上の歴史がある。
やれると信じてやれば、できることはかなり多いと思う。
豆腐はこれだけ面白い、可能性があるということを広めたいという思いと
日本の伝統文化も捨てたもんじゃないということを
証明したいという思いが原動力となっている。
相模屋の豆腐はスーパーや百貨店で販売している他、
業務用でお店で使っていただいていたりと、
相模屋という社名は知らなくても豆腐は食べていただいていると思う。
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