話し合いや会議を可視化する「グラフィックファシリテーション」の第一人者、
山田夏子さん登場。
一般社団法人グラフィックファシリテーション協会代表理事、
そして株式会社しごと総合研究所の代表を務められています。
企業や教育の現場で注目されている「グラフィックファシリテーション」について
具体例を交えながら教えていただきました。
一般社団法人グラフィックファシリテーション協会 詳しくは コチラ
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株式会社しごと総合研究所 詳しくは コチラ
*山田夏子さんの著書
『グラフィックファシリテーションの教科書』(かんき出版)
山田さんによる「グラフィックファシリテーション」
作成したものを持参いただきました。↓
「グラフィックファシリテーション」とは
「ファシリテーション」は円滑にする、促進していくという意味。
「グラフィックファシリテーション」とは会議や話し合いの場を絵と色を使って
同時進行で、話していることを描いていくこと。見える化する。
絵自体はシンプルに丸と線でできていて、絵が苦手な人でもできる。
人間は言葉にする前にイメージやニュアンスがある。
本人も言葉にしきれないニュアンスを
声のトーンやその場の雰囲気から感じ取って絵で描く。
それにより、本人が言おうとしていることがクリアになる。
見える化することで会話を活性化したり話し合いの質を深める。
企業で多く活用されている。
変化の激しい世の中。今までのやり方ではだめだと考えている企業が多い。
新しい会社のビジョンや新しく新規事業を考えるといった
答えがない話し合いの場に参加し、
皆が想像する先の未来を絵におこしながら、
合意形成ができるようにサポートしていく。
絵を描いていくうちに潜在的に持っている、無意識に思っていることが
表面にでてくる。
「グラフィックファシリテーション」の必要性
「グラフィックファシリテーション」で絵を描くこと自体は
トレーニングを積めばできるようになると思う。
それよりも難しいことは、人の話を本当に丁寧に聞くこと。
聞く側の都合で解釈をしてしまい、人間関係に支障がでてしまうことがある。
それを解決することから始まった活動。
本人が言おうとしていること、本当はどう思っているのかということに
興味をもって丁寧聞くということが意外にできていない。
情報が多く、それを処理することに一生懸命になってしまっている。
立ちどまって、相手のことを感じてみる、自分が何をいいたいのか考えてみる。
「グラフィックファシリテーション」は
それを絵に描くことでちょっと立ち止まって、
話している大事なところをみんなで味わう。
家庭でもできる。
子供は大人より言語能力が高くないので、親は都合よく言葉で言い抑えがち。
しかし、絵で描いてコミュニケーションをとると伝わりやすい。
本当は何を伝えたかったのかわかるようになる。
問題解決の糸口が見つかる。
グラフィックファシリテーションを実践
「グラフィックファシリテーション」をすることで、
心の無自覚だったことがわかってくる。
黒木瞳さんの新婚当初の夫婦喧嘩の話をその場で絵にしていただきました
悔しかった話というのをきいていると、大抵の場合、お互いに対する期待がある。
しかし、お互いにそれを口にしていない。
言葉にしていない期待のあてがはずれてしまうと人はよくもめる。
絵にしてみると言葉にしないといけないということを感じる。
「グラフィックファシリテーション」にたどり着いた経緯
両親が早くに離婚したことで子供ながらに
「人がわかり合うというのはどういうことか」ということが
自分の中の探求テーマになっていた。
話し合いや会議で話す際に本当はどう思っているのかなど、
みんなが本音を隠さず、安心して話すためには、どうしたらいいのか
という思いが自分にとっての原動力になっている。
もともと専門学校の先生だった。
個人個人の能力以上に、人間関係がパフォーマンスや成長していくことに
影響を与えると学生たちをみていて思った。
学生同士がもめていること、学校に持っている不信感などについての
話し合いを絵に描くところから始めた。
描いたものみて、話を始めたり、本当の声がでてくる。
絵は間違って書いてもいい。それは話してくれる人が訂正してくれる。
お互いの認識の“ずれ”をなくしていくことで、
学生も本当にいいたいことをわかってもらえたという感覚になっていった。
また、学生たちの中には、社会にでて3年もたたずに
会社をやめてしまう子が結構いて、それは。ほぼ人間関係でやめていた。
そこから、学校の中だけでなく、
就職先の企業の人間関係も整える必要があると思い、仕事にしはじめた。
これからの夢・目標
私たちは、自分の中の葛藤やチームの中での対立を見ないようにしがち。
見ないようにすることでこじれたり、大きな問題を生んだり、
取り戻せない争いにつながってしまうように思う。
なので、「グラフィックファシリテーション」で
見ないようにしているものを明らかにして、
当人同士では話せなくても、
壁打ちで絵があることでもう少し正直に話すという場を作ることが
平和への一歩であると思う。
コミュニケーションは、情報の交換ではなく、
もっと心の交流、お互いが思っていることを交流し合うことだと思う。
しかし、SNSやテクノロジーが進化していくと、
情報交換するだけで、コミュニケーションをとった気になってしまう。
それが勝手に解釈をしたり、勝手に期待してがっかりしてしまうことに
つながるのではないかと思う。
今後の夢としては、
国会など忖度が多いところに行って描くことをしてみたい。
「グラフィックファシリテーション」は
あらゆる問題が解決するであろう現代の魔法。

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