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2020.11.27

「笙(しょう)」の演奏家、宮田まゆみさんに聞く、「笙」の魅力

雅楽で使われる東洋の伝統楽器「笙(しょう)」の演奏家、宮田まゆみさん登場。

「第50回ENEOS音楽賞・邦楽部門」を受賞。

「笙」という楽器の魅力、演奏法や活動について伺いました。

 

宮田まゆみさん HP コチラ

 

笙の第一人者

雅楽とは大きく分けて、

日本古来の物と、朝鮮半島や中国から渡ってきた物に分類される。

様々な文化が融合して、平安時代の中頃から

現代まで継承されてきた歴史の深い音楽。

昔は寺で演奏される事が多く、次第に貴族などの宴会で

演奏されるようになってきた。

「笙(しょう)」は竹と木で出来ていて、上部には17本の竹が

二つの山のように並べられていて、鳳凰の羽根をイメージしている。

本来は温めてから演奏に使う。空気を吸ってもはいても

音が出る不思議な楽器になっている。

 

宇宙のハーモニー

元々は、国立音楽大学でピアノを専攻していた。

ピアノも好きだったが、大学の「音楽美学」という授業で

音楽の歴史に触れ、世界各国の音楽感を学び、

その中で「宇宙のハーモニー」に出会った。

古代の人々に共通する感覚、森羅万象に作用する響き

という物に興味を持った。

笙の音色は「天から差し込む光」と表されるような音で、

初めて聞いた時自身の求める音だと確信した。

実際に大学卒業後、本格的に笙(しょう)を習い始めた。

雅楽の楽器を学ぶ場合、楽器を吹く前に、

音色を自身の声で表現して練習する。

 

「合竹(あいたけ)」という独自の和音

1983年に世界で初めて「笙(しょう)」のリサイタルを行った。

元々、演奏家になるつもりはなく、

ただ笙(しょう)の音に触れたいという思いで、

演奏していたが、当時の国立劇場では、

一種の雅楽のムーブメントが起きていて、

だんだんと出演が増えていき、担当プロデューサーに

勧められ、リサイタルに至った。

笙(しょう)は音を出すだけならば

息を吹き込むだけで誰れでも簡単に吹く事が出来る。

ただ、息を吹き込んでも、吸っても音が出るため

そのタイミングを掴むのが難しい、また合竹(あいたけ)という和音の

出しやすい並びになっているため、

ピアノの音階の順番通りに並んでいない。

 

「第50回ENEOS音楽賞・邦楽部門」 受賞

「第50回ENEOS音楽賞・邦楽部門」を受賞。

ENEOS音楽賞とは、1971年から続く、歴史のある音楽賞で

自身が音楽監督を務める雅楽演奏グループ「伶楽舎(れいがくしゃ)」

の活動が評価され受賞に至った。グループ一同とても嬉しく感じている。

「伶楽舎(れいがくしゃ)」雅楽の発展、研究を目的に創設されたグループ。

従来の古典の雅楽はもちろん、新しい雅楽作品や、

復元されていないより古い雅楽の探究などを国内外で行なっている。

また、雅楽を未来へつなぐために、子供達のための雅楽プロジェクト

にも着手している。具体的には学校での講演行なっていて、

文化庁に申し込まれた全国の小中学校で、

雅楽の演奏はもちろん、一緒に雅楽器を体験したり、

様々なワークショップを行なっている。

子供達も目を輝かせながら一緒に楽しんでくれている。

 

万国共通の雅楽の魅力

笙(しょう)の演奏家として世界で活躍している。

日本と世界でのリアクションの差はそこまで感じていない。

現在は日本でもそこまで、親しまれている文化ではないため

ある意味新鮮に感じてくれている人が多い。

しかし実際に雅楽や笙(しょう)の音色に

どこか悠久を感じる事が出来る点は、

日本も世界にも共通で、心地よく感じてもらえる事が多い。

ヨーロッパでも教会でオルガンを聞くなどという風習があり

似ている部分がある。雅楽は敷居の高いイメージが強いが、

平安時代などはもっと気楽に、イキイキと楽しまれていた。

これからもさらに楽しい雅楽を追求していきたい。

 

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