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2020.07.31

作家 まさきとしかさんに聞く「イヤミス」の世界

作家、まさきとしかさん登場。

最新刊『あの日、君は何をした』についてはもちろん、

作家になったきっかけや、「イヤミス=嫌な気分になるミステリー」は

どのようにして生まれたのか、その秘密を伺いました。

 

ツイッター コチラ

小学館 コチラ

 

ミステリーが出来上がるまで

7月7日に、最新刊『あの日、君は何をした』が発売された。

2部構成のミステリー作品で、 1部では2004年を、

2部では2019年を描いている

1部では、中学生の息子を亡くしてしまったある女性の

心の葛藤を綴っていて、2部では、ある殺人事件を

捜査する二人の刑事を中心に話が進んでいく。

読み進めるうちに、1部と2部が徐々に繋がってくる。

怖いもの見たさが癖になり止まらなくなってくる作品。

普通小説を書く場合は、書く前にあらすじや、

構成をまとめた、いわゆるプロットと呼ばれる物を作成する。

プロットには時間をかけて、入念に作り込むようにしているが、

書き始めてから思い通りにならない事も多く、

基本的に書いている時の気持ちや、

流れに身を任せて執筆活動を行なっている。

 

 

偶然が生んだ、作家への道

2007年に「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞。

以来、多くのミステリー小説を生み出している。

読者からは男性だと思われている事が多く、

どの作品にも、一風関わった女性が出てくるという特徴がある。

小学生の頃から本は好きで、児童向けの世界名作全集から、

若草物語や小公女などを好んで繰り返し読んでいた。

中学生になってからSF小説に熱中し、

特に、星新一さんの作品が好きで、その熱意から

友人と共に交換SF小説を書くほどで、幼少期から創作意欲は強かった。

ある時、川辺為三さんの創作教室の案内を見つけ、

自身の好きな作家、藤堂志津子さんの産みの親でもある、

川辺為三さんの教室に会ってみたい。という興味本位で、

教室に通い始め、自身の評価が思ったより高かったこともあり、

軽い気持ちで作家の道を志すことを決意した。

 

 

 

ミステリー作家のルーティーン

現在は、北海道札幌市で執筆活動を行なっている。

自身では努力が苦手な方だと思っていて、

仕事がすぐに億劫になってしまい、

職を転々としていた時期もとても長かった。

そんな中、小説を書くことだけは、楽しく感じる事が出来たため、

仕方なく小説家になるかしかないという、消去法のような気持ちで

執筆活動を始めた。執筆活動をするにあたって、

休みなどは特に決め、毎朝7時ごろに起床し、

ラジオ体操を行い、決まった朝食を食べるようにしている。

野菜・納豆・味噌汁・ご飯というメニューをほぼ毎朝食べていて、

食後にコーヒーを淹れて、執筆を始めるという毎日を過ごしている。

夕方頃まで、休憩を挟みながら机に向かい、

その日の調子次第では深夜まで、書き続ける事もある。

 

 

「嫌な気分になるミステリー」

仕事以外での唯一の楽しみは「ももいろクローバーZ」。

ライブに行ったり、楽曲を聞いたり、映像を見て楽しんでいる。

ファンクラブにも入るほどで、自身でも唯一心が華やぐ瞬間だと感じている。

「イヤミス=嫌な気分になるミステリー」というジャンル分けされる事が多く。

自身はあえて「イヤミス」を意識して、書いているわけではないが、

読者の心に刺さるような、印象深い作品を書けている、

という意味では、悪い評価ではないと考えている。

人間らしさや、深層心理、人の汚い部分と綺麗な部分の、

二律背反な部分が、本当の美しさや素晴らしい作品を生むと信じている。

日常生活のこだわりは、あえてこだわりを持たない事

あまり考えすぎずに生きる事で

柔軟に色々なことを吸収できると考えている。

 

 

最新刊『あの日、君は何をした』

最新刊『あの日、君は何をした』は2部構成の作品で、

異なる時代の1部と2部が、15年の時を経て

徐々に重なってくるミステリー小説。帯には、

ミステリー好きはもちろん多くの人に手にとって欲しい。

大切な人がいる世界と、失った世界を描いているため、

今、当たり前に大切な人が周りにいる人達に、

「幸せ」の定義について、改めて考えて欲しいとも思っている。

人それぞれの捉え方で、人の気持ちの移り変わりを

体感して欲しい。これからは少し執筆のペースを上げ、

1年に2・3冊は出版出来るように、より執筆活動に力を入れていきたい。

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