05月23日会津若松編

街歩き「会津若松編」中村  

国指定史跡、若松城跡。
別名、鶴ヶ城。
1384年、至徳元年、蘆名七代の
蘆名直盛が建てた館、
東黒川館がはじまりとされます。
黒川城と名を改めたのちは、伊達、蒲生、上杉、加藤と
その城主が次々と代わり、
1593年、文禄2年、蒲生氏郷が天守を竣工。
天守閣が空高く翼を広げたような形であることから
「鶴ケ城」と呼ばれるようになりました。
「今見える天守閣は、昭和40年に復元されたものだけど…
     なるほど、これは立派ね…」

本丸には、「鶴ヶ城博物館」。
城下町の人々の暮らしや、城での生活の様子を知ることができます。
江戸時代に栄華を極めた会津ですが、幕末
薩摩、長州藩などが明治政府樹立のため、江戸幕府側と戦った戊辰戦争で、
幕府派として最後まで抵抗。
激しい戦場となりましたが、鶴ヶ城は陥落せず、
一ヶ月におよぶ籠城戦が行われた歴史を持ちます。
昭和から平成にかけて復元され、美しくよみがえった鶴ヶ城。
春には桜、秋には紅葉に包まれる、会津若松のシンボルとして親しまれています。

-----

戊辰戦争が引き起こした悲劇のひとつ、白虎隊。
当時の会津藩の軍制は、年齢別に編成されていました。
それぞれ、玄武、青龍、朱雀、白虎と呼ばれ、
白虎隊は、16から17歳の武家の男子による部隊でした。

白虎隊「士中二番隊」42名は、苦戦を強いられ
猪苗代湖近く、戸の口原合戦場から退却、
うち20名が飯盛山に逃れます。
しかし、城下町の火災によって炎に包まれた鶴ヶ城を見て、
落城したものと思い、自刃。
地元の人に助けられた飯沼貞吉をのぞく
19名が命を落とすこととなりました。
その後、飯盛山には、白虎隊士 十九士の墓が建てられました。
「ここから、復元された鶴ヶ城がよく見えるわ…。
     今でも、たくさんの人がお線香をあげに来るのね」
墓の近くには、会津藩最後の藩主、松平容保の歌碑。
そこには、こう刻まれています。

「幾人の 涙は石にそそぐとも その名は世々に 朽ちじとぞ思ふ」

-----

会津若松駅で見かけた、「あいづライナー」の真っ赤な車両。
「あら、先頭車両に描かれているイラストは……「あかべぇ」だわ!」
会津のマスコット‘あかべぇ’のモデルは、会津の郷土玩具「赤べこ」。
真っ赤な牛の張子人形で、頭をトンとつつくと
上下左右にゆらゆら揺れる姿が、なんともユーモラス。
807年ごろ徳一大師が会津の地に
福満虚空蔵尊圓蔵寺を建立した時、
材木を運んで最後まで働き通したのが、赤色の牛、赤べこ。
この牛にあやかり、厄除けや縁起物のお守りとして広まりました。
会津地方に悪い病気が流行った時、赤べこを持っていた家族が疫病にかからなかったと言われています。
    
市内の工房で、私も赤べこの絵付け体験。
「真っ赤なボディに、白と黒、金の塗料で描いていくのね。
     うーん、まっ、われながら上手くできた…かな?」
ちょっとおもしろい顔の赤べこが、頭をゆらゆらさせています。

-----

日本を代表する医学研究者、野口英世。
英世が16歳から19歳の青春時代を過ごしたのも、
ここ、会津若松。
市内の中心部を走る野口英世青春通り。
この通り沿いに、
英世が一歳の時のやけどで癒着した左手の手術を受けた
会陽医院があります。
この手術が、英世が医学の道へすすむきっかけとなり、
中学卒業後、ここ会陽医院の書生として、
住み込みで医学の基礎を学びました。

会陽医院の建物は、そのまま残され、
現在は「野口英世青春館」という博物館になっています。
「この建物の2階で、野口英世が生活していたのね。
使い込まれた木の文机…
どんなにか熱心に勉強していたんでしょうか」
1階にある喫茶店で、コーヒーと手作りケーキをいただきながら、
偉人の心を思います。

-----

<曲紹介>

会津若松の街歩きと併せてお届けした曲は、

M1‥ハンス・ジマー、「スペクターズ・イン・ザ・フォグ」
M2‥小椋佳、「愛しき日々」
M3‥ロイ・オービソン、「ドリーム」
M4‥ニッティ・グリッティ・ダート・バンド、「ミスター・ボージャングル」
M5‥キャット・スティーヴンス、「雨にぬれた朝」
そして、
M6‥ダイアナ・ロス、「マホガニーのテーマ」でした。

-----

<声の歳時記>

◇まずは、秋田県。
「“市(いち)の日”の祭り、開催」
大館市で、400年の伝統を誇り、通常「7」の付く日に開かれている「七日市日」。
年に二回だけ、規模を大きくして開催する日があり、一回目が
5/27(木)に柳町児童公園で行われる「春の市日まつり」です。
当日はおよそ80店の露店や屋台、フリーマーケットなども立ち並びます。 抽選会もあり。

◇続いては、東京都。
「都会の中心で、例大祭」
新宿の繁華街に鎮座し、“芸能の神様”として知られる花園神社。
今、流行のパワースポットでもあります! そんな都会のオアシスで、
5/28(金)から31(月)までの四日間、「例大祭」が行われます。
今年は“表の年”で、本社神輿と雷電神輿の渡御が行われ、
獅子頭と島田囃子をのせた山車を先頭にして、宮神輿が都会のど真ん中を練り歩きます。
また、初日から三日間は、露店100店が登場します。

◇お次は、神奈川県。
「ひと足早く…夏を告げる祭りです」
5/29(土)30(日)の週末と、横浜開港記念日である6/2(水)の計三日間、
臨港パークをメイン会場に「第29回横浜開港祭」が行われます。
首都圏で一番早い花火や、無料ライブ、マリンイベント、
新しい試みとなるスイーツパラダイスなど、今年も様々なイベントが繰り広げられます。

◇そして、山梨県。
「日本一の、すずらん畑です」
笛吹市芦川町の、芦川の最上流は、日本随一といわれる
“にほんすずらん”の群生地。 県の自然記念物にも指定されています。
5/28(金)から30(日)までの三日間は、「すずらんの里祭り」。
期間中は、そば打ち体験や、特産品の即売など、様々なイベントが行われ、
群生地まで無料送迎バスの運行もあり!

◇つづいて、石川県。
「スペシャルウィークです!」
5/30(日)から6/6(日)までの一週間、輪島市のマリンタウンを中心に
「輪島市民祭り2010」が行われます。
能登素麺の粉引き唄に由来する「能登麦屋節全国大会」を皮切りにして、
昼間は鼓笛隊やマーチングバンドが街をパレード、夜は能登最大級の花火大会です。

◇おしまいは、和歌山県。
「美味しいモノを食べに行きませんか?」
和歌山の名産をいくつご存知でしょうか?
お馴染みの紀州の梅、それからみかんジュース、柿の葉寿司、和歌山ラーメン。
お肉では、県の南部特産の高級和牛「熊野牛」や、2008年に
“地鶏・銘柄鶏食味コンテスト”で最優秀賞を受賞した
「紀州うめどり」もあります!
美味しい物の宝庫、和歌山へ、食の旅はいかがですか?