05月29日福島県西会津町

福島県西会津町編

JR磐越西線 野沢駅から、南におよそ10キロ。

『一生に一度は、なじょな願いも聞きなさる 野沢の山の神様』、
3年続けて参拝すれば一生に一度の願いを必ず叶えてくださるという、
大山祇神社があります。

御本社は、山の中の参道をおよそ1時間登った先。

道祖神が見守る参道、そばにあるのは豊かな水が勢いよく落ちる弥作の滝。
昔から『信仰の滝』と言われ親しまれてきました。

「ふぅ、ずいぶん登ってきたわ。
  石段に、立派な杉並木。へぇ、樹齢は450年以上かぁ」

荘厳な山の中で、木々の声を聞きながら歩き、お参り。

毎年6月は1ヶ月にわたる春の例大祭『大山まつり』。
家内安全・五穀豊穣を祈願し、特に多くの参拝者が訪れます。

御本社の麓、村の中に設けられた遥拝殿では
野点や御神楽奉納などが行われ、ひときわ賑わいます。

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野沢駅から南におよそ2.5キロ。
平安初期、807年に開かれた寺、鳥追観音 如法寺があります。

ここは『会津西方浄土』と言われ、
観音堂の東側から入り、鳥追観音に祈願したら、そのまままっすぐ西口から出る。
その遥か彼方先が、西にあると言われる極楽浄土『西方浄土』なのです。

また、金剛力士像をなでで祈願すると、
ころりと大往生すると言われることから、
「会津ころり三観音」のひとつに数えられています。

「そうそう、もう一つ見所があるのよね。
  この観音堂に、日光東照宮の眠り猫の彫刻で知られる、
   左甚五郎作の『隠れ三猿』がいるんですって。
    一匹、二匹……うーん、最後の一匹がなかなか見つからないわ」

三匹の猿を見つけられたら、運が開くと言われています

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野沢駅から歩いて10分。
西会津の自慢がたっぷりと詰まった『ふるさと自慢館』があります。
古くからある白い漆喰の蔵を改装、レトロな雰囲気を残す館内。
西会津が生んだ偉人の功績を伝えます。

医学を学んだ渡部思斎は、幕末の慶応2年、1866年、
この地に私塾『研幾堂』を設立。
『東北の松下村塾』と謳われ、多くの偉人を輩出しました。

思斎の長男で、野口英世の手を手術した渡部鼎、
イギリスの経済学者アダム・スミスの『国富論』を翻訳した石川瑛作、
『英国法律全書』を翻訳した法律家・野澤雞一など…。

「あら、そんな偉人の展示に混じって、
  不二家のマスコット、ペコちゃんの人形がたくさん飾られてる」

『ペコちゃん』という名前は、
東北弁で牛を意味する『ベコ』からつけられました。
そんなつながりで、
ここに珍しいペコちゃん人形のコレクションがあるんだとか。

西会津のユニークな『ふるさと自慢館』です。

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喜多方のしょうゆラーメン、裏磐梯の塩ラーメンに並ぶ名物が、
西会津の味噌ラーメン。

いつの頃からか、西会津の主流は味噌ラーメンになりました。
具材はひき肉とスープで煮込んだ野菜がたっぷり、
ちぢれ麺に絡む味噌のスープが絶妙な味わい。
野沢駅周辺には、たくさんの味噌ラーメンの店が並びます。

中でも、ちょっぴり変わり種は、『同気食堂』のとんかつみそラーメン。

「うわぁ! 野菜がたっぷりな味噌ラーメンの上に、
  いい色に揚がったとんかつが一枚まるごと乗ってる!」

実はこのお店、お肉屋さんが経営。
道理でこのボリュームなわけです。
大きな肉が1枚出てくる「焼肉定食」や、新鮮な馬刺しも人気なんだとか。

ガツンとパンチのきいたメニュー、誰かにススメたくなる味です。

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<街歩きパートの曲紹介>


西会津の町歩きと併せてお届けした曲は‥

  M1‥ボン・ジョヴィ、「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」
  M2‥レイ・パーカーJr.、「ゴーストバスターズ」
  M3‥ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース、「スタック・ウィズ・ユー」
  M4‥ジョー・ジャクソン、「ホーム・タウン」
  M5‥バッファロー・スプリングフィールド、「フォー・ホワット」
     そして
  M6‥ヴァン・ヘイレン、「ジャンプ」でした。


<花鳥風月〜旬の言の葉>


四季、時とともに移りゆく春夏秋冬。
そして、自然の流れにそうように存在する、数々の言葉。
彩りのある日本語を、季節の歌とともにお届けする
「花鳥風月〜旬の言の葉〜」
今回、注目するのは…『テントウ虫』


日本には日々の暮らしに溶け込み、
心和ませるいくつもの風物詩が1年を通じて巡ってきます。
それらが季節の景色を彩り、風にのって薫り、聴こえ…私達のまわりを包むことで、
趣きのある言葉が紡ぎ出されます。
花鳥風月、季節ごとの草花や生き物、旬の味覚、年中行事、詩まで、
日本の気候風土に寄り添うように存在している数々の言葉を知ることで、
日常生活を心豊かなものにしたいですね。
今回、ご紹介する旬の言の葉は、『テントウ虫』。

小さな赤い体に黒い斑点、まんまるで可愛らしい虫の代表であるテントウ虫。
春など過ごしやすい季節に現れて、
逆に真夏と真冬は無駄なエネルギーを消耗しないように
休眠をとる性質を持っています。
名前は、その習性から。
テントウ虫は飛び立つ時にとまっている物の先端まで登ってから
羽を広げて飛んでいきます。
これは太陽などの光に向かって進む本能で「走光性」といいます。
その姿を見た昔の人は“天への道を教えてくれる虫”であると考え、
漢字で「天」の「道」の「虫」と書いて「天道虫」と名付けました。
つまり、テントウ虫のテントウは、お天道様というわけです。
♪赤、青、黄色の衣装をつけた、テントウ虫がしゃしゃり出て〜♪
お馴染みのウエディングソング「テントウ虫のサンバ」。
このタイトル通り、テントウ虫は本当にサンバを踊るのか?
実際はこれ、交尾の際にオスが見せるボディシェイキングという特有な行動です。
休眠を終えたテントウ虫が次世代へ子孫を残すための生殖行動の一環であり、
その姿がサンバを踊っているように見えるのです。

   
  M1‥チェリッシュ、「てんとう虫のサンバ」
  M2‥遊佐未森、「地図をください」