10月10日伊勢市編

街歩き「伊勢市編」

五十鈴川の河口に位置する二見浦。
「清き渚」と呼ばれ、伊勢神宮の参拝前に心身を清める
禊ぎの場 でした。
この場所にあるのが、二見興玉神社。
磯には、大注連縄が張られ、夫婦のように寄り添う夫婦岩。
夫婦岩の沖合およそ700メートルの海中に沈む
「興玉神石」と、日の大神
「天照大御神」を拝む、鳥居の役割も担っています。

伊勢神宮参拝のための清めの習慣は、いまでも
二見興玉神社で、「浜参宮」として受け継がれています。
興玉神石より採取した「無垢鹽草」と呼ばれる海藻で
お祓いを受ける。
こうして、伊勢神宮へと向かうのです。
「はぁーっ・・・さすがに朝の空気はひんやりしているわね。
  そろそろ日の出かな。
    だんだん、空の色が明るくなってきた…
      わぁ、海の向こうに、太陽が顔をだした…!!
      なんて神秘的なのかしら・・・」
神聖な気持ちで、一日が始まります。


伊勢神宮・内宮、「おはらい町」の中ほどに
『お伊勢さんの「おかげ」』という感謝の気持ちで誕生した街、
それが、「おかげ横丁」。
「江戸末期から明治初期の風情」をテーマに、
およそ2700坪の敷地に、伊勢路の代表的な建築物を移築、再現。
ここに、三重の老舗の味、名産品、歴史、風習、人情まで
すべてが ぎゅっと詰まっています。

「これこれこれ! 伊勢うどん。
食べてみたかったんだぁ!!
でも…なんて太いうどんなのかしら・・・幅が1センチくらいあるわ。
あっ、お箸ではさんだら切れそうなくらい柔らかい!
それに、まるで醤油みたいに色の濃いおつゆ…。
ふーん・・・食べ慣れたうどんとは全然違うけど、
      素朴でほっとする味ね!」
おなかを満たして、さらに横町を散策します。
見えてきたのは、まるで江戸時代の店がまえのような、趣のある建物。

「これが、伊勢名物の餅菓子、「赤福」本店ね。
   外側の餡につけられた波のような形は、五十鈴川の清流でぇ
    中に入ってる白いお餅は、川底の小石を表してる・・・
     はあ、そうだったんだ。」
およそ300年前からある「赤福餅」を土産に、
五十鈴川を目指します。


伊勢神宮の南。
伊勢市宇治にある山域、神路山を水源とする神路川。
そして、島路山を源とする島路川。
この二つの流れが合流して、内宮の西を流れる 五十鈴川になります。
この五十鈴川沿いにテラスがもうけられたカフェで、一休み。
町屋風の建物で、コーヒーとロールケーキをいただきます。

「清流のせせらぎを聴きながら、カフェでコーヒーかぁ。
   ふふっ、江戸時代のおかげ参りとはまったく違う、現代人の癒しの空間ね。」

五十鈴川は、別名「御裳濯川」と呼ばれ、
倭姫命が御裳のすそのよごれをすすいだことから名付けられた、
という伝説が残されています。
川の流れに沿って歩くと、
内宮への入口、宇治橋が見えてきます。
日常の世界から神聖な世界へのかけ橋。
大鳥居をくぐり、宇治橋をわたると、自然と身が引き締まる…そんな気がします。
    

「お伊勢さん」「大神宮さん」と親しく呼ばれ、
「伊勢神宮」として有名なこの社、単に「神宮」というのが正式な名前。
天照大御神を祀る内宮・皇大神宮と、
豊受大御神を祀る外宮・豊受大神宮をあわせて、「神宮」と呼び、
古くは 伊勢太神宮、とも言われました。

神宮参拝は、まず外宮から。
その後、内宮へ向かいます。
宇治橋を渡ると、参道は深い森につつまれ、
街の賑やかさが嘘のような、静かで神々しい雰囲気。
玉砂利を踏みしめ、第一鳥居を通って 五十鈴川御手洗場へ。
石畳を下りて、五十鈴川の流れで手を清めます。
「内宮神楽殿、忌火屋殿、荒祭宮に子安神社。
   ふーん…いろんな儀式を行う場所に、さまざまな宮社があるのね。」

内宮の一番奥にあるご正殿に、天照大御神が祀られています。
その建物が 2000年前と変わらず 美しい姿を保っているのは、
20年に一度社殿を建替え、御装束や神宝を新調する
「式年遷宮」という祭りが行われているため。

この祭りを通じて、日本の伝統文化の継承や
自然と共存することの大切さを、改めて感じているのかもしれません。

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<曲紹介>
伊勢の街歩きと併せてお届けした曲は‥

M1‥ヴァンゲリス、「炎のランナー」
M2‥カーペンターズ、「スウィート・スマイル」
M3‥アトリエ・ボッサ・コンシャス、「ユア・ソング」
M4‥サラ・ブライトマン、「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」
M5‥セリーヌ・ディオン、「トゥー・ラヴ・ユー・モア」
そして、
M6‥アース・ウインド&ファイアー、「宇宙のファンタジー」でした。


<声の歳時記>

◇まずは、北海道。
「SLファンの皆さん、運転中ですよ〜」
現在、JR函館本線で、土日祝限定、「SLニセコ号」が運転中です!
運転区間は、札幌駅〜倶知安駅〜ニセコ駅〜蘭越駅の間で、
一日一往復。 車内は昭和初期のデザインを再現していて、温泉や紅葉の装飾が施され、
各車輌には“北一硝子”のランプが取り付けられています。
運転期間は、11/3までの土日祝です。

◇続いては、秋田県。
「うさちゃん、大集合!」
10/16、17の土日、
大仙市のドンパン広場で「第23回 全国ジャンボうさぎフェスティバル」が行われます。
大きさ・体形・毛並みなど9部門で審査され、各部門のチャンピオンが決定します!
また会場では、うさぎプレゼントクイズ、“デカラビ”と餅つき、体重当てコンテスト、
ジャンボうさぎパズルなど、イベントがもりだくさんです。

◇お次は、東京都。
「“肉食系”のアナタ、是非!」
こちらも、10/16、17の土日。東京都中央卸売市場で
「東京食肉市場まつり2010」が行われます。
年に一度、市場を特別開放して繰り広げられる、肉のフェスティバル。
今年の推奨銘柄「常陸和牛」や、モツ煮込み、とんかつ、焼肉も試食できる、
食欲の秋にピッタリの美味しいイベントです。 入場無料。 混雑必至です!

◇つづいては、愛知県。
「名古屋の秋を彩ります!」
10/16、17の土日は、全国各地でユニークなイベントが開かれますが、名古屋も負けていません!
市内中心部で「第56回名古屋まつり」が行われます。
祭りのメインは、信長・秀吉・家康の三英傑がおよそ700人を従えて市中を練り歩く
「郷土英傑行列」。
豪華絢爛に繰り広げられます。

◇そして、大阪府。
「“堺市”最大のイベントです」
毎年10月の第3日曜日とその前日、堺市内の各地で「堺まつり」が行われます。
火縄銃隊の演技や、この地域特有の大型太鼓台「ふとん太鼓」なども登場する大パレード、千利休の茶道文化を継承した「茶会」、特産物を即売する「なんばん市」など、盛りだくさん。時代色が豊かな二日間です。

◇おしまいは、和歌山県。
「“みかんの町”も、盛り上がります」
イベントラッシュの10/16、17の土日、有田川町花の里河川公園周辺で
「第13回 有田川町どんどんまつり」が行われます。
ダンスコンテスト、みかんとコスモスの絶景コースを駆け抜けるマラソン大会、
戦隊ヒーローショー、ふるさと交流会、フリーマーケットなど、ど〜んと開催!
二日目の夜には、シメの花火が打ち上がります。