10月24日宇和島編

街歩き「宇和島編
市街地のほぼ中央にある、宇和島城は、
標高80メートル弱の独立した丘陵の上に築かれた海辺の城。

1596年、慶長元年に藤堂高虎が統治の拠点として、
中世城郭である板島丸串城の近世城郭化をはかり、
その五年後に完成。
堀を作り、石垣を築いて、天守閣以下 大小数十の矢倉を構え、
立派な城郭を築きあげました。
今では、堀は全て埋められ、
三之丸をはじめとした大部分が失われてしまいましたが、
本丸・二之丸などを含むおよそ10万平方メートルの城山が
在りし日の姿を伝えています。

「うっそうと生い茂る木々や草。
   苔むした石段……… 歴史を感じるわ」
一歩一歩進むと、ようやく石垣が見えてきます。
改修を重ねた城は、造られた時代や用途によって、
さまざまな石垣や石組が築かれています。
「へぇ、碑文が刻まれているものもあるのね。 この細工は、何かしら?」
そんな石垣に触れながら、天守を目指します。

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宇和島市三間町は美しい沼の多い地方。
「三間」という地名は、水沼が語源…とも言われます。
大小100を超えるため池の中で、最も大きいのが「中山池」。
1627年、寛永四年、かんがい用に造られました。
現在、中山池周辺は「中山池自然公園」として整備され、
人が自然と触れ合える里山が再現されています。

江戸時代の築造物や森、広場などがあり、
池の前には広大な花畑。
秋になると、中山池自然公園や、その周辺の刈り入れ後の田んぼも併せて、
およそ10ヘクタールの広大なコスモス園が誕生します。
「わあ! 見渡す限り、一面のコスモス!!
   20種類くらいのコスモスが植えられてるんだぁ。
     ピンク、赤、白に黄色・・・もう色とりどり。
     よく見てみると、花びらの様子も全く違うのね。
 グラデーションがかかっていたり、線が入っていたり、
   あ!? これはくるんと丸まってる!」
ここだけでなく、県道宇和三間線の沿道にも、
およそ1.2Kmに渡って、コスモスが咲き誇ります。
町中にコスモスがあふれ、やわらかな日差しが降り注ぐ。
気持ちのいい、秋の宇和島です。

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JR宇和島駅から歩いて20分。
たどり着いたのは、宇和島市営闘牛場。
17世紀の後半頃、宇和海を漂流していたオランダ船を漁民が助け、
そのお礼として贈られたのが、二頭の牛。
この牛がたまたま格闘して、闘牛が始まった…
また、農耕用の和牛が自然に野原で牛の角を突き合わせ、
農民たちがこれを楽しみにしていた、という説もあります。
いずれにせよ、土俵を設けた本格的な闘牛は
19世紀はじめには行われており、その後 興行化。
人々はその闘いに興奮し、熱中するようになりました。

闘牛に出場するのは牡の和牛。
歩いて足腰を鍛え、山の斜面を角で突いて首や肩の筋肉をつける。
こうして、1トンほどの大きく強い牛に成長します。

直径20メートルの土俵。
ここが勇ましい牛たちの闘いの場。
格闘時間は無制限。逃げたほうが負け。
「角と角をつきあわせて、一歩も譲らないわ!
   なんか牛の目が…闘志にメラメラと燃えているように見える!!
     わあっ! どんどん押されて一気に土俵際の柵に押し込まれちゃう!!!
      いけーっ! 負けるなーっ!!!!」
思わず、拳に力が入ります。

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これぞ宇和島の味、と称される「じゃこ天」。
宇和海でとれる小魚「ハランボ」の身をすり潰して、
平べったい小判型にし、そのまま揚げたもの。
練り製品を揚げたものを、宇和島では、「天ぷら」と言います。
「じゃこ天」と呼ばれるのは、
材料が小魚であることから「雑魚天」、
それが変化して、「じゃこ天」になったという説。
また、原料のハランボの別名、ホタルジャコからとったという説もあります。

宇和島の街を歩くと、あちこちにある蒲鉾屋さんで
揚げたての「じゃこ天」を見かけます。
我慢できずに、歩きながら買ったばかりの「じゃこ天」をパクリ。
「うん、小魚を骨ごとすり身にしただけあって、独特の食感。
  魚のうまみが口いっぱいに広がって…
    もうアツアツはたまらないおいしさね!」
この「じゃこ天」、冷めたら軽くあぶり、
大根おろしなどを添えて食べると、これまた格別のうまさ。

「じゃこ天にぴったりなのは…
  やっぱり、地元・鬼ヶ城連山の湧き水を使った
    地酒よね!!」

「ふぁ〜〜〜、最高!!!!」
地元の料理に、地元のお酒。
これぞベストマッチ。

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<曲紹介>

宇和島の街歩きと併せてお届けした曲は、

M1‥ビージーズ、「イン・ザ・モーニング」
M2‥平原綾香、「秋桜」
M3‥ケイコ・リー、「タイム・アフター・タイム」
M4‥カーリー・サイモン、「レット・ザ・リバー・ラン」
M5‥ジェイムス・テイラー、「きみの笑顔」
そして、
M6‥グレン・メデイロス、「変わらぬ想い」でした。

<声の歳時記>

◇まずは、秋田県。
「“ごてんまり”の祭典、開催」
由利本荘市の伝統的民芸品である“ごてんまり”は一針一針に真心を込めて作られるもの。
真ん丸の形は円満の象徴で、お祝いものとしても重宝されています。
10/30(土)から11/1(月)までの三日間、鶴舞会館で
「第41回全国ごてんまりコンクール」が行われます。
地域特有の伝統模様や、斬新なデザインなど、全国各地からおよそ400点の力作が集まります。

◇続いては、東京都。
「紅葉を堪能しませんか?」
都内にも紅葉スポットが沢山ありますが、多摩川を挟んでひときわ見事な景観を繰り広げる
多摩地域。 秋が深まる10/30、31の土日、奥多摩総合運動公園で
「第25回奥多摩ふれあいまつり」が行われます。
模擬店、各産業団体による特産店、郷土芸能などのアトラクションもあり、
ファミリーで楽しめるイベントです。

◇お次は、富山県。
「魚津の幸が、まるっと集まりました!」
10/30、31の土日、魚津市の、ありそドームと海の駅蜃気楼の二つの会場で
「第6回魚津産業フェアまるまる魚津」が行われます。
ありそドームでは、趣向を凝らした各企業団体の展示と即売ブースがメイン。
海の駅蜃気楼では、海鮮浜焼きや大鍋など、獲れたての魚がいっぱい!

◇そして、大阪府。
「この秋も、大阪がヨーロッパ色に染まります」
今や秋の風物詩となった「大阪ヨーロッパ映画祭」。
関連イベントを含めて、今年は10/30(土)から始まります。
17回目となる今回のメインイベントは、大阪を舞台に撮影した短編映画のワールドプレミアが
オープニングを飾り、未公開の最新映画12本の上映、豪華ゲストの来日、
日本ポルトガル修好150周年を記念してポルトガル映画の特集など、充実のプログラム!
会場は、大阪市西区のイシハラホール。 期間は、11/23までです。


◇つづいては、和歌山県。
「サバ・アジ尽くしです!」
有田郡の湯浅港は、古くからサバやアジなどの水揚げ漁港。
10/31(日)湯浅漁港周辺で「第10回紀州の鯖っと鯵まつり」が行われます。
「鯖・鯵船釣り大会」に、獲れたてを堪能出来る「鯖っと鯵味グルメフェア」、
名物キャラクター・サバ君とアジ君の缶バッチ配布など、
イベント盛りだくさん! 雨天決行です。

◇おしまいは、長崎県。
「市内最大のイベントです」
長崎県の北部、松浦市は、中世から戦国時代にかけて活躍した水軍“松浦党”の故郷。
10/30、31の土日、松浦市役所周辺で「第10回松浦水軍まつり」が行われます。
ステージイベントに、物産展示即売会、“松浦党”が活躍した時代の貿易船を再現したパレード、
市民総踊り、武者行列などがあり、歴史絵巻が繰り広げられる二日間です。