10月31日尾道編

街歩き「尾道編」

海と山に囲まれた尾道。
いつしか民家は背後の山へと伸び、坂道の多い町が出来上がりました。
曲がりくねった石段、迷路のように入り組んだ小道を進めば、
眼下には、瀬戸内のきらめく海が広がります。
「あっ、ここは『転校生』っていう映画で出てきた踏切だ。
小説家の志賀直哉の暮らした家もあるのよね。
この先を右に曲がれば・・・
『時をかける少女』の舞台となった神社かな」
およそ2キロ四方に観光スポットがギュっと詰まったこの町は、
見どころの宝庫です。
軒と軒がくっつくような狭い路地には、おしゃれなカフェも。
町の人との触れ合いも、楽しみのひとつです。

坂道で出会うのは、猫。
屋根の上、石垣の隙間など、意外な場所で見つけます。
私も迷い猫になった気分で道をさまよえば、
尾道散歩の醍醐味が、ちょっとだけわかった気がしました。

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尾道のご当地グルメ、尾道ラーメン。
町のあちこちに、
「尾道ラーメン」と書かれた看板やのぼりを見かけます。

私が訪れたのは、海が見えるところに位置する、こじんまりしたお店。
暖簾をくぐれば、昔ながらのラーメン屋さんの佇まい。
厨房には直径1メートル近い大鍋が据えられています。

「うわ〜、きた、きた。これが本場の尾道ラーメンか。
こってりしてそうだけど、全部食べられるかなあ」
麺は硬めで、歯ごたえのある中細の手打ち麺。
スープは、瀬戸内の小魚を隠し味に、
豚、とり、野菜などを使用したコクのある醤油味。
そして決め手は、豚の背脂。
濃い目のスープと薄味の具とのバランスも絶妙です。
「なるほど‥
後味はすっきりしてて、見た目と違って脂っこくないのねえ」
気が付けば、一杯 完食。
シンプルながらも底力のある美味しさに感動です

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尾道市から尾道水道を隔て、およそ200メートル先にある島
「向島」。
温暖な気候を利用した洋ラン、みかんの栽培が盛んな島です。

海岸通りには、何本もの桟橋。
狭い水路には、渡船の航路がひしめきます。
「この桟橋、映画『さびしんぼう』で見たのと同じものかしら‥」
私が乗ったフェリ−は、
竜宮城をイメージしたカラフルなボディが特徴。
船内で切符を買って、いざ出航です。

短い航海とあって、ほとんどの人が、デッキに佇み、景色を楽しんでいます。
もちろん私も・・・
潮風に吹かれ、船上から尾道を振り返れば、
千光寺山のすそ野に広がる尾道の全景が望めます。

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尾道の奇祭、「ベッチャー祭り」。
もともとは、江戸時代に流行した疫病の厄除け祭りとして始まった
と、伝えられています。
調子のいい太鼓と鐘の音にのって、
「ベタ」「ソバ」「ショーキー」と呼ばれる鬼の面をつけた若者が
町を走り回り、子供たちを追いかけまわします。
手に持ったササラや祝い棒で頭を叩いたり、体を突いたりすると、
一年間の無病息災に恵まれる…そんな謂れがあるんだとか。
小さな子供を抱いた親などは、嫌がる子供を無理やり連れ出します。
まだ事情が分からぬ小さな子供たちにとっては、迷惑千万。
泣き叫びながら必死で逃げ回ります。
「あ〜あ、あんなに泣いちゃって。
なんだか可哀そう。 でも、ちょっとほほえましいような‥」
情緒豊かな坂道に、この日ばかりは子供の泣き声が響き渡ります。

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<曲紹介>

尾道の街歩きと併せてお届けした曲は‥

M1‥エンニオ・モリコーネ、「ニュー・シネマ・パラダイス 愛のテーマ」
M2‥ロビー・ウィリアムス、「ミスター・ボージャングル」
M3‥TAKE6、「ホワイ・アイ・フィール・ディス・ウエイ」
M4‥インシンク、「セイリング」
M5‥ジェイムス・ブラント、「ユア・ビューティフル」
そして、
M6‥マイケル・ジャクソン、「ヒール・ザ・ワールド」でした。



<声の歳時記>

◇まずは、秋田県。
「恒例の“菊の祭典”です」
現在、横手市の秋田ふるさと村をメイン会場に「第42回よこて菊まつり」が開催中です!
県内の多くの愛好家から、様々な菊の花が出展され、美しさを競います。
菊人形、玉菊アート、小菊の販売、キャラクターによるプレゼントなどをお目当てに、
秋田県の内外から多くの観光客が訪れるこのお祭り。 入場は無料。 期間は、11/7まで。

◇続いては、東京都。
「初冬の風物詩“酉の市”」
11月の酉の日に各地の神社仏閣で行われる、開運招福、商売繁盛を願う祭り「酉の市」。
今年は、7(日)の「一の酉」と、19(金)の「二の酉」。
市では金銀に輝く豪華な熊手が並び、威勢の良い掛け声と共に夜遅くまで賑わいます。
中でも、浅草は熊手の豪華さが際立ち、長國寺の「仏様のおとりさま」と、
隣り合う鷲神社の「神様のおとりさま」の両方にご利益をお願いできます。下町の江戸情緒をお楽しみあれ。

◇お次は、山梨県。
「グランプリを食べに行きましょう!」
今年の「B1グランプリ」の優勝は「甲府の鳥もつ煮」。
鶏の砂肝、ハツ、レバーなどを甘く濃厚な醤油ダレで照り煮した料理で、
昭和25年頃に市内の蕎麦店で考案されたと伝えられています。
グランプリに輝いたことで、甲府市職員のボランティア隊は、
「甲府の鳥もつ煮」の美味しさと魅力を全国に広めるために、「甲府の鳥もつ煮MAP」を作成!
MAPを片手に、食べ比べをしてみませんか?
MAPは甲府市のホームページからダウンロードできます。

◇そして、愛知県。
「作り手と使い手、大集合!」
11/6、7の土日、蒲郡市の海陽多目的広場で
「くらふとフェア蒲郡2010」が行われます。
全国からガラス、陶磁器、金属、木工、染織などのクラフト作家や、伝統職人が大集合!
実演販売にワークショップも開きます。
入場無料。雨天決行です。

◇つづいては、大阪府。
「ハーモニーの競演です」
大阪ベイエイリアの大型ショッピングモール、天保山マーケットプレース。
11/3の文化の日、館内の中央にあるロタンダステージで
「第11回 天保山ゴスペルフェスティバル」が行われます。
プロ、アマ、ジャンル、編成などを問わずに参加出来るフェスティバルとしてお馴染み。
観覧無料です。

◇おしまいは、佐賀県。
「アジア最大のフェスタ、開催」
11/2から8(月)までの七日間、佐賀市の嘉瀬川河川敷で
「2010佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が行われます。
今年で31回目となるこのフェスタは、世界中から100機を越えるバルーンが集まる、
アジア最大の熱気球の国際競技大会。たくさんの気球が大空を飛び交うバルーン競技を始め、
変形気球の祭典、夜に幻想的な空間を演出する「夜間係留」も好評です!