06月17日和歌山県 有田市

街歩き「有田編」

JRきのくに線 紀伊宮原駅から歩いて20分。
熊野古道のひとつ「紀伊路」ぞい、
有田川のそばの緑に囲まれた穏やかな一画にあるのが、
糸我稲荷神社。
創建は652年、白雉3年と伝えられており、
京都の伏見稲荷神社よりも、およそ60年早いため、
この糸我稲荷神社は日本最古の稲荷神社と言われています。
鳥居の前には、「白河法皇みくるまをよせたまひし旧跡の碑」。
12世紀、鳥羽天皇の御世、白河法王が熊野詣を行った時、
ここで休まれた、と記されています。

石の鳥居の奥に並ぶ、朱塗りの鳥居。
ふと左右を見渡すと、大きな木が目に入ります。
「まあ、大きな楠が3本。
  へえ、樹齢は500年以上になるんだ。
   ここでずっと、熊野へ向かう人々を見守ってきたのね」
今も、熊野三山へ参詣する人々が多く立ち寄る糸我稲荷神社。
旅人の疲れた体を、楠の木陰がやさしく包んでくれています。

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有田を代表する特産品、みかん。
有田の山々には、みかん畑が広がっています。
5月にはみかんの花が咲き、そのあと小さな実をつけ、
夏の間にぐんぐん育ちます。

「“みかん山”と呼ばれるみかん畑を見上げると…
   今はキレイな緑の木々ばかりだけど、
     これが10月には、一面のみかんでオレンジ色に染まるのね!」

そんな有田の高級みかんブランド「味一みかん」。
その中でも、糖度14度を越えるものだけで作ったジュースが、
「味一スーパープレミアム
早和果樹園」。

通常、みかんジュースは外側の皮ごとしぼることが多いのですが、
このジュースは、皮をむいて袋ごとしぼるため、とろみが増すんだとか。
「ええっ! これって、本当にみかんだけの甘さなの!?
  え〜、信じられない! コクがあって…この一口でみかん何個分かしら。
    わ〜、贅沢な味だわぁ!」

今年の秋も、有田の山々がみかん色になるのでしょう。

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有田市の西側にある箕島漁港。
ここで漁獲される魚の中で最も多いのが太刀魚です。
その外見が「太刀」に似ていることから
こう呼ばれるようになったと言われる太刀魚は、
大きなものでおよそ1メートルにもなります。
朝3時ごろ、紀伊水道と呼ばれる海域の沖合に
小型底引き網漁船が出て、
夕方にたくさんの太刀魚を積んで戻ってきます。
地元では、刺身や塩焼きにして食べるんだとか。

そんな太刀魚を骨ごとすり身にして天ぷらにしたのが
「ほねく」また「ほね天」と呼ばれる加工品。

「ん〜、見た目は薩摩揚げに似た感じね。どれどれ、いただきましょうね…。
  うん、“骨ごと”というだけあって、歯ごたえもイイし、
    太刀魚のうまみを余す所なくいただけるわね!
     あ、これお酒にも合いそう〜!」

“ほねく”をおやつにいただきながら歩いていると、
日が暮れてきました。

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毎年6月から9月中旬、
有田川で見られる夏の風物詩、それが「鵜飼」。
有田の鵜飼は「徒歩漁法」と呼ばれ、
一人の鵜匠が操る鵜はたった一羽。
鵜匠自ら川の中に入り、
右手に松明、左手に鵜をつないだ手綱を持って、川を泳ぐ鮎を捕えます。
現在、有田の鵜匠は3名。
日本最古の漁法とも言われる伝統の「徒歩漁法」を
守り続けています。
見物は、屋形船の上から。
涼やかな風が吹く中、
川面に映る松明の火がキラキラと輝きます。

「こんな間近に鵜飼を見ることができるなんて!   
  まぁ! 船べりに鵜が止まったわ。
   とても大きな鳥なのね!」
この鵜は、和歌山県の海岸を飛んでいたところを捕え、訓練したもの。
鵜匠と一緒に、有田の伝統を後世に伝えています。

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有田の街歩きと併せてお届けした曲は・・・

M1‥10cc「愛ゆえに」
  M2‥ケニー・ロジャースとシーナ・イーストン「愛・ひととき」
  M3‥ロビー・ウィリアムスとニコール・キッドマン
                 「サムシン・ストゥーピッド」
  M4‥エルトン・ジョン「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」
  M5‥ザ・ローリング・ストーンズ「シーズ・ア・レインボウ」
    そして、
  M6‥アニー・レノックス「青い影」でした。

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『歌の歳時記』

今、歩きたい道がある。
今、触れたい風景がある。
そして今、聴きたい歌がある・・・

東京の季節の風景を、季節の音楽と共にお届けします、「歌の歳時記」。

6月になると、よく耳にする言葉「ジューン・ブライド」。
現代ではさまざまなスタイルのある結婚式。
その中で、神前式を創始したのが、千代田区にある「東京大神宮」。

『東京のお伊勢さま』と呼ばれ、親しまれている東京大神宮には、
“結び”の働きを司る『造化の三神』が祀られていることから
近年は、縁結びにご利益のある神社としても知られています。

人と人とが出会って、心を結び、縁を結び、幸せを結ぶ…。
それは偶然なのか、必然なのか、まさしく『神のみぞ知る』と言えましょう。

今月、結婚式を挙げたあなた、結婚式を控えているあなた、
そして、ご親族の皆さま、どうぞ末永くお幸せに。

  M1‥ふきのとう、「初恋」
  M2‥角松敏生、 「JUNE BRIDE」