音源を聴く

04月10日山形県 寒河江市(さがえし)

街歩き「寒河江市」

寒河江川を渡り、坂道を登って行くと、鳥のさえずりが聞こえてきます。
木々の間に厳かに佇む「慈恩寺」。

746年、天平18年に、聖武天皇の勅命により、
インドの僧、婆羅門僧正によって開山されたと伝えられています。

以来、時の権力者から手厚く保護され、
江戸時代に幕府から2,812石余りの御朱印を受けるに至り、
東北随一の大きな寺として栄えました。

平安末期から鎌倉中期にかけて作られた仏像の数々。
その多くは遠く京の都で制作されこの地に運ばれたといわれており、
重要文化財に指定されています。
その数は、平泉中尊寺にも匹敵するといわれています。

「本堂は重厚な茅葺きで、桃山時代の様式を今に伝えているのね。
  阿弥陀堂、薬師堂、そして三重塔も、重厚な趣だわ。」

本堂には、「鋳鉄仏餉鉢」も。
この鉢に頭を入れると若返る‥と信じられています。

そして裏手の遊歩道を登って行くと、山形盆地を一望できる展望台が。

「古の修行僧たちも、ここに立って、雄大な景色を眺めていたんだろうなあ」

過去と現在、時間を超えたつながりが、深く身体に染み込んでいくようです。

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寒河江の知る人ぞ知る名物、「焼き鳥」。
その特徴は、主に豚肉を使っていること。
昔から寒河江の人たちの間では、焼き鳥と言えば豚で、
ブロイラーの肥育が進んだ後も、古くからの食文化を守り続けてきました。

現在も市内に10数店舗の焼き鳥屋があり、味を競っています。

年季の入った木造建てに赤提灯‥
いかにも老舗と言った店構えの居酒屋へ。
店内は、焼き鳥を焼く煙が充満。
既にカウンターは常連客でいっぱいです。

「豚足に煮込み、それに焼き鳥は、ハツ・カワ・レバー‥
  ん〜、どれもおいしそうね。
   えっ、焼き鳥は、1串1串が、こんなに大きいの?
    ん〜、どっしりとしたタレと、新鮮なお肉の味が絶妙にマッチしてる」

笑いが絶えることのない店内でいただく、焼き鳥と店厳選の地酒。
これはお酒が進みそうです。

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サクランボをモチーフにしたテーマパーク、『道の駅 チェリーランド』。
施設の中心にある『チェリーランドさがえ』では
山形県内各地の四季折々の名産品や、選りすぐりの工芸品を販売。
また、山形の魅力とおいしさを堪能できるメニューが揃ったレストランもある
巨大な観光物産センターです。

そして「チェリーランドさがえ」のすぐそばに建つのが、
日本初のさくらんぼの資料館、「さくらんぼ会館」。
館内では、明治の初めから、寒河江でさくらんぼ栽培を始めた歴史や
栽培に関する写真など、貴重な資料を展示。

名物は、地元の素材などを活かした個性豊かなアイスクリーム。
常時14種類のフレーバーを用意。
私は、さくらんぼのアイスをいただきます。

「ん〜、フルーティーな香り。
  舌触りもなめらかで、とっても美味しい。
   このさくらんぼアイス。」

さすがは、さくらんぼの里、寒河江。
純白の花が満開になる5月。ルビー色の実が、たわわに実る6月には、
さらなる観光客が押し寄せます。

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市街地中央にある長岡山一帯にわたる公園、寒河江公園。
その西側部分が、桜の名所に恵まれた「さくらの丘」です。
遥か遠くの月山や朝日連峰を眺めながらの散策では、
様々な表情の桜が楽しめます。

寒河江公園には、日本三大桜の二世の木が勢ぞろい。
そこから斜面にそっては、桜のトンネルが続きます。
降りた先には八幡宮の桜。
八幡宮とさくらの丘の間にある寒河江高校の敷地には学舎の桜と、
長岡山の西側斜面全てが桜の木で埋め尽くされています。

園内の桜はソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラなど、およそ1000本。
鮮やかに咲き乱れるサクラの競演は圧巻です。
さくらの丘と郷土館、学舎の桜は、
2008年公開の映画「櫻の園」のロケ地となりました。

雪をかぶった白い月山、抜けるような青空、山の緑、目に鮮やかなピンクの絨毯‥
水彩画のような美しい風景が続きます。

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<街歩きパートの曲紹介>

寒河江の町歩きと併せてお届けした曲は‥

  M1‥ジャクソン5、「アイル・ビー・ゼア」
  M2‥シャニース、「アイ・ラヴ・ユア・スマイル」
  M3‥ジャネット・ジャクソン、「ホエン・アイ・シンク・オブ・ユー」
  M4‥ダイアナ・ロス、「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥギャザー」
  M5‥ライオネル・リッチー、「セイ・ユー・セイ・ミー」
    そして
  M6‥スモーキー・ロビンソン、「ビーイング・ウィズ・ユー」でした。


<花鳥風月〜旬の言の葉>

四季、時とともに移りゆく春夏秋冬。
そして、自然の流れにそうように存在する、数々の言葉。
彩りのある日本語を、季節の歌とともにお届けする
「花鳥風月〜旬の言の葉〜」
今回、注目するのは…『ミツバチ』

日本には日々の暮らしに溶け込み、
心和ませるいくつもの風物詩が1年を通じて巡ってきます。
それらが季節の景色を彩り、風にのって薫り、聴こえ…私達のまわりを包むことで、
趣きのある言葉が紡ぎ出されます。
花鳥風月、季節ごとの草花や生き物、旬の味覚、年中行事、詩まで、
日本の気候風土に寄り添うように存在している数々の言葉を知ることで、
日常生活を心豊かなものにしたいですね。
今回、ご紹介する旬の言の葉は、『ミツバチ』。

童謡「ぶんぶんぶん」の歌詞を覚えていますか?
「ぶんぶんぶんハチが飛ぶ、お池の周りに野ばらが咲いたよ、
 ぶんぶんぶんハチが飛ぶ」という、お馴染みの曲です。
この歌詞の通り、春の花々が咲き始めると、
蜜や花粉を集めるために忙しく飛びまわる働きバチ。
花から花へと飛び交い、せっせと蜜を集め巣に持ち帰ると、
落ち着く間もなく、蜜を求めてまた飛び立ちます。
働きバチが1日に10数回も食料を探しに出かけている頃、
巣で盛んに卵を産み続けているのが女王バチ。
産卵は一生をかけた大仕事であり、こうしてミツバチの家族はどんどん増えていくのです。

ミツバチは花から採取した蜜を、体内にある酵素によって果糖とブドウ糖に変え、
さらに羽ばたくことで水分を蒸発させて濃縮。
そうしてできあがるのがハチミツです。
天然の甘味料であるハチミツは花の季節が旬。
ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれ、
また、ハチミツの糖分は素早く吸収されてエネルギーとして使われます。
カラダが疲れているときのエネルギー補給にピッタリです。

  M1‥ザ・タイガース、「花の首飾り」
  M2‥スピッツ、「ロビンソン」