今から10年前の「ラジオの人」が出てきました。2015年8月10日更新となっています。
戦後70年を迎えて私なりに振り返った内容になっていました。
タイトルは「神戸大空襲」で、この空襲を生き延びた母から話を聞いた内容を書き留めていました。
当時の母は体調が芳しくなく、様々な病院で診察をしてもらっていた頃だと思います。
そろそろ施設のお世話になったほうがよいのではという話も出ていたかもしれません。
そのような状況であったので幼き頃から時々聞いていた空襲の体験談を聞いておこうとなったのでしょう。
改めて読み返すと忘れていたことが多々ありました。
母は神戸市西灘国民学校6年で空襲を体験し、一軒家に両親と祖父祖母、弟妹と暮らしていたことと、防空壕に逃げ込んで扉を閉めようとした母の父、私にとっての祖父の鉄兜をかすめるように焼夷弾が落ちてきましたが、これが不発弾だったため防空壕に火が入らず一家は助かったとのことでした。
焼夷弾がさく裂していたら、私はこの世に存在していなかった事を改めて思い知らされました。
先日の放送で紹介した長崎のNBCラジオ佐賀の局長でパーソナリティーで小説家の村山仁志さんの著書「君と会える1%の未来」は木彫りの蟹に戦時下に生きた特攻兵の魂が宿り、それを拾った現代を生きる少女との交流が始まるというお話。
昭和4年生まれで予科練に入り特攻兵として出撃直前に終戦を迎えたという設定ですが、本のあとがきにはこの人物は村山さんのお父様の実体験をもとにしているとありました。
終戦時に疎開先の旧制飯田中学に通い日夜勤労動員で駆り出されていた私の父は昭和5年生まれです。
予科練、いわゆる海軍飛行予科練習生には14才半から試験が受けられたとのことなので、場合によっては父もと思いました。
ちなみに父の姉の夫は予科練から特攻兵となり村山さんの父上と同じように飛ぶ直前で終戦を迎えています。
叔父はその体験をあまり語ることなく亡くなりました。
聴いていたのに忘れてしまったこと、聴いておくべきだったのにそれが出来なかったこと・・・・様々な戦争体験。
8月15日、実在した駆逐艦にまつわる人々の物語、映画「雪風 YUKIKAZE」が公開になります。
劇中で交わされる会話の数々は膨大な量の資料の中から調べ上げた言葉なのだそうです、
戦時中にもかかわらずこのような事が語られていたとはと思う瞬間が多々ありました。
その場に居合わせて会話の内容を克明に記録してくれていた先人には感謝の気持ちしかありません。
迫力ある戦闘シーンが次々にという映画ではありませんが、当時の人々が何を考えどう行動をしたのかをご覧いただければと思います。

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