年末に向かって知り合いが本を出すことになりました。
一冊はすでに書店に並んでいる本で「ナインティナインのオールナイトニッポン」や「徳光和夫 とくもり!歌謡サタデー」などの構成作家の小西マサテルさん待望の第二弾「名探偵じゃなくても」です。
前作の「名探偵のままでいて」が出版の際は、小西さんからゲラという製本前の大量のコピー用紙を送って頂きそれを入院先のベッドで一気に読んだという思い出があります。
主人公は楓という若い小学校の先生と彼女の祖父。祖父は元小学校の校長先生で古今東西のミステリー小説に精通している老紳士ですが、今はレビー小体型認知症を患い時として幻視幻覚の世界を漂うことがあるという状態。
しかしながら意識がクリアな時には日常の様々な謎を理論立てて解明していく驚くべき能力を有する人物です。
孫の楓も祖父の影響でミステリー通になり祖父とともになぞ解きをするのですが、実は前作の終盤で祖父と孫には忌まわしく忘れられない過去があることがわかるのです。
ベッドの上で最初は「あぁ謎解きの物語なんだ」と読み始めたもののまさかの展開にぐいぐい引き込まれ「さすが『このミステリーがすごい大賞』受賞」と思ったものです。
その続編ですが今回は楓の周辺の人々を巻き込んでの物語となっていますから、ぜひ前作を読んでそれぞれの個性を理解したうえで今作に挑戦してほしいものです。
またこの作品にも小西さんのミステリー愛と造形の深さが随所にちりばめられていて、原作を読んでみたいと思う人も大木でしょう。
もう一冊は古い知り合いの東京大学博物館の教授、「日曜天国」でもおなじみの遠藤秀紀さんがなんとミステリー作家としてのデビュー作「人探し」です。
この作品は「小説推理新人賞」を受賞し満を持して12月20日に発売になります。
遠藤さんとは2004年に国立科学博物館の音声ガイダンスの仕事で知り合いました。収録は学芸員の先生がご自分の担当の展示をその場に立って語り私がそれを聞くといのうユニークなものでした。
多くの先生にインタビューした中で、断トツにお話がお上手で収録もとても良いテンポで行われ、この先生とは気が合うなぁと思ったものです。
専門は動物の解剖でメスを持って体の中に入り込むようにして解剖をし、その後は骨格標本を作りあらゆる記録を後世の研究者のために残してゆくという学問です。
大学の研究というとそれがすぐに収益に結び付くかと問われる昨今、象やクジラから小動物まで哺乳類の死体と、解剖学を極めようとする学生ととも格闘しながらデーターを克明に記録する姿は感動的ですらあります。
さてそんな遠藤さんが(先生と呼ぶと怒られるので)いったいどのようなミステリーを書いたのかと思いまししたが、読み始めて
これは遠藤さんしか書けない作品だとすぐに気が付きました。
骨格の研究から歩行の際の癖の話はまさに専門分野ですし、趣味の範囲を超えた鉄道の知識も随所にちりばめられた作品となっていました。
登場人物がある理由で人を探していますが、そのためにその道のスペシャリストとなり顔認証よりも精度の高い「人探し」のシステムを構築します。
警察もこのシステムを捜査に利用したいのですが、人権の問題もあり公にはその事実を発表できない状況です。
様々な状況と思惑が絡み合った登場人物たちも、それぞれが何かを探し求めて日々の生活を送っています。一度読みはじめたらもう途中で止めることが出来なくなる物語をあなたもぜひ。
遠藤秀樹さんには本の発売日の前日、12月19日(火)の4時台と5時台にゲストで登場です。こうご期待!

2026.10.23
夏から秋・冬の体へ
スペシャルウィークのお客様、清水ミチコさんとのトークは収録で笑っているにも関わらず、スタジオで聴きなおしても再び笑ってしまいました。 楽しく毎日生放送ではありましたが1...

2026.10.16
音の職人
37年ぶりのライブ・アルバム「JOY2」のリリースに先駆けて山下達郎さんが精力的にプロモーション活動をされている姿に頭が下がります。 テレビでは久しぶりに「エイト・ジャ...

2026.10.09
反省と寄る年波
3年半ぶりのニッポン放送のイベント「ラジオパーク・イン・日比谷」はとにかく天候だけがどうなるかという中で開催されました。 8月からの豪雨・長雨はリスナーの方々が多く住む...

2026.10.02
倉本聰さんのこと
「倉本聰」という脚本家の名前を始めて知ったのはいつの頃だったでしょうか。 ウィキペディアでテレビドラマの作品を調べると石坂浩二さんと浅丘ルリ子さんの「2丁目3番地」(1...

2026.09.25
「ラジオパーク」と「あけの語りびと」
台風25号は冠水、土砂災害、列車の不通、停電など様々な影響をもたらしました。 なのに今度は26号が日本列島に接近しつつあります。 ご案内の通り10月3日㈯4日㈰の2日...