廣済堂出版から俳優の石坂浩二さんのエッセイ「翔ぶ夢、生きる力」が送られてきました。
編集部の方に知り合いはいなく、もちろん石坂浩二さんともお会いしたことはないので、なぜなのだろうと思いながらも帯に書かれた「『やすらぎの郷』で主演!シルバー世代の名湯が初めて綴る芸能界のステキな話、あの女優、この監督、プライベートでの出来事……そして趣味の飛行機への熱い想い」という文言に惹かれ拝読させていただきました。

倉本聰さん原作の「やすらぎの郷」は倉本さんを彷彿とさせる脚本家の役を石坂さんが演じていますが、はたして石坂さんご自身はどのような思いで演じていらっしゃるのか。
喫煙者の倉本さんが世の中の嫌煙ブームに対して、冗談じゃないというという思いで石坂さんはじめ多くの登場人物にパカパカとタバコを吸わせるのですが、はたして皆さんは喫煙者なのだろうか。
番組主題歌、中島みゆきさんの「慕情」を石坂さんはどのように思っていらっしゃるのか。
石坂さんが語る共演の元奥様の浅丘ルリ子さん、加賀まりこさん、有馬稲子さん、野際陽子さん、八千草薫さんのこと。
等々「やすらぎの郷」を観ている方にとって非常に興味深い内容なのですが、そもそも石坂浩二さんとはどのような人生を歩んで来られたのか、私にとって初めて知ることばかりでした。

石坂さんが慶応の学生の時に担当した「ウルトラQ」のナレーションや、大河ドラマ「太閤記」の石田三成や「天と地と」の上杉謙信、そしてなんといっても「ありがとう」や「2丁目3番地」、その他多くの作品を子どもの頃から熱心に観ていたことに気づかされました。
しかし、そもそも石坂さんがどのような経緯で俳優の世界に入られたのかなど勉強不足でほとんど存じ上げなかったのですが、若き日の石坂さんが出会う方々が凄いのです。
浅利慶太、菊田一夫、石井ふく子、市川崑監督などもうそうそうたる顔ぶれの方々と出会い、人生が大きく変化してゆくのですねぇ。
そしてこの本を読み進むうちに「私のヒコーキ人生」章に入り、初めてなぜこの本が私に送られてきたのかが分かったのです。
幼き頃から飛行機好きで乗ることも模型飛行機を作ることも大好きな石坂さんが、ヒコーキについて語るこの章の名機の数々のイラストを描いているのは、
「あさぼらけ」や「金曜ブラボー。」のリスナーで飛行機のイラストレーターの下田信夫さんだったのです。
そのそうなご縁で下田さんが私に本を送って下さったのですが「すべての飛行機をアッタカーく描いてしまう、昔からのファンだった下田信夫さんが素晴らしい絵を描いてくださいました。とても嬉しかったです。」という石坂浩二さんの「あとがきにかえて」を読んで私は思わず小さくガッツポーズをしてしまいました。
下田信夫さんの描く丸みを帯びた飛行機のイラストは私も大好きなのです、

その他にも「声のマイナーとメジャーの使い分け!?」や飛行機のうんちく話なも感心しながら読ませていただきました。
番組にゲストとしてお越しいただきたかったのですがおそらくはインタビューが殺到しているのでしょう、スケジュールの関係でお会いすることはかないませんでしたが、いつかナレーションの極意と飛行機の話を伺いたいものです。

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