フジプレコン株式会社 代表取締役社長 松林克法
1967年、愛知県生まれ。
大阪産業大学を卒業後、アメリカに1年半語学留学。
帰国後、父親の経営するフジプレコン株式会社に入社。
2020年、社長に就任。
竹内:改めて授業内容を教えていただけますか?
松林:コンクリートと言いますと、一般の方だと生コンクリートみたいなのはご存知かもしれませんけれども。
竹内:はい。ミキサー車で運ばれている…。
松林:そうです、建築現場に搬入されてることが多いと思うんですけど、コンクリートを物の形に固めたものを現場に納めて、施工工事で扱われるのがコンクリート製品になるんですけれども、簡単に言うと、セメントと水と砂利と砂、この4種類を混ぜるだけなんですよ。
竹内:はい。
松林:様々な調味料を混ぜて調合するんですけれども、それを主にJR中心の鉄道業界に、北は北海道から南は九州まで、道路は関東圏から東海圏という形で納めさせてもらっていますね。
竹内:取引先としてはとても大きい会社ですね。このフジプレコン株式会社自体もすごく大きい会社っていうことですよね?
松林:いや、とっても小さな会社なんです。いろんなご縁があったんですけれども、高齢化社会に向けて、鉄道の工事に関しても、重たいものを線路の現場で持ち運べないということで、とにかく軽くしたいと言う要望があって、フジプレコン株式会社で作れないかという話の中で、国鉄の終わりの時代なんですけど、そこからひたすらお客様の要望を応えながら信頼を勝ち取ったみたいな感じですね。
竹内:じゃあ、他社よりも軽いコンクリートっていうのがウリってことですか。
松林:そうですね、軽くて持ち運べるっていうことが。
竹内:それをどうやって実現することができたんですか?
松林:コンクリートの硬さを強くすることで厚みを薄くして軽くなるとか、一般的には鉄筋で補強されているんですけれども、鉄筋だと錆びないようにするためには、コンクリートの厚みはどうしても確保しなければいけないんですけど、それをガラスで補強するとかですね、特殊な加工をしていまして、そういうことで薄く・軽くできるようになったっということですね。
竹内:そうすると、扱いやすいってことですね。大量に運ぶことができるんですか?
松林:そうですね、重さが半分なので2倍運べますんで。
竹内:そっか。今、会社は愛知にあるけれども、北海道から…
松林:鹿児島まで。
竹内:普通はそこまで遠距離で運ぶことはないんですか?
松林:そうですね。コンクリートメーカーと言うのは、一般的に営業圏は、70キロから100キロ圏内、工場からそこまでの範囲が輸送距離なんですけれども、軽いということと、オリジナル製品、全国どこにでもある製品ではなくて、うちしかないものをばかり作ってるものですから、全国に納めることが可能になっていますね。
竹内:素晴らしいですね。会社は創業何年になるんでしょうか?
松林:創業42年です。
竹内:コンクリートっていうと、私がよく目にするのは、住居を造るときに、ミキサー車から流し込む生コンクリートっていうんですかね、流し込む絵は見たことがあるんですけれども、部品を作ってらっしゃるんですね?
松林:例えばですね、鉄道ですと、踏切の遮断機があると思うんですけど、その下のコンクリートがフジプレコンであったり。
竹内:あ~。
松林:遮断機を作動させるための電気のケーブル配線が、線路があれば走ってるんですけど、それをケーブル配線を保護するのがコンクリートカバーなんですけど、それをうちの会社が納めさしてもらってますね。
竹内:コンクリートってそこら中で使われてますもんね。廃棄コンクリートの対処も今研究されていると伺っているんですけど、どういうことですか?
松林:そうです、環境の一環の中で、今、SDGsとか脱炭素ということに着目して、そういうことを追求していこうと思った中で、工場内で排出している炭素の排出量をあるデータの中に埋め込んで数値化できるようになった時に、ビックリされるかもしれないですが、1日に1トンぐらい廃棄のコンクリートが出てしまっているんですね。
竹内:型に収まらなかった、はみ出たコンクリートを合わせると。
松林:そうです、型に入れるには型よりも多く練らなきゃいけないんで、どうしても発生してしまう。
竹内:はい。
松林:その量が年間に何100トンって出て、結局廃棄するにもお金がかかるし、炭素も排出、無駄な排出をしてるっていうことで、それを有効に使えないかっていうことを色々考えて、それを側溝とかそういう大きな形のものではなくて、小さな形のものを作ることで何か有効活用しようっていうことで、小さなコンクリートの鉢植えのポットとかですね、物干しの下の台、基礎とかですね。
竹内:あ~はい。
松林:そういうものを始めてまして、それでどんだけ排出量を落とせるかっていうトライをしていまして、その流れの中で、名古屋芸術大学の学生さんと共同研究を始めてまして、廃棄になるコンクリートを有効にするための雑貨開発みたいなことを今始めています。
竹内:面白いですね。
松林:鉢植えとか、確かに物干し竿の下にありますもんね。ちょっと小さい何かってことですよね。
竹内:最後にこれからの夢、目標を教えていただけますか?
松林:そうですね、これからの次世代に向けて若者達がコンクリート業界って言うと、3Kみたいに見られるのかもしれないですけど、その中でも楽しく、笑顔溢れる会社づくりを追求してます。お客様の要望に応えられる、何でも応えられる、それがコンクリートじゃなくて何でもいいんですけど、応えながら、環境を重視して、世の役に立つ会社づくりを追求していきたいなと思ってます。
竹内:ありがとうございました!
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