新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック 院長 松谷大輔
北海道札幌市出身。
弘前大学・医学部医学科を卒業後、
東京慈恵会医科大学附属病院などを経て、
2023年7月、
「新宿内科 糖尿病・生活習慣病クリニック」を開院。
竹内:開院されたばっかりですね。
松谷:そうですね。7月に開院して、今5か月目です。
竹内:どうですか?5か月経って。開院したてだと患者さんってどのくらい来院されるものなのでしょうか?
松谷:糖尿病内科はけっこうゆっくり患者さんが来るので最初は少なかったです。「落下傘開業」と言う開業方法で、落下傘は、上からポトンと見知らぬ地域に落ちます。そこで開業して、0人から患者さんを集める。なかなか患者様が来ないんです。最初は。土曜日とかは0人で閑古鳥が鳴いていました。
竹内:ああ、そうなんですね。
松谷:でも徐々に徐々に「あれ、こんなところに糖尿病内科がある」という感じでどんどん増えてきて、2023年11月23日現在では1日に20人から35人は来院されるようになりました。
竹内:お医者さんになられて、糖尿病、生活習慣病を中心に診療しようと思われたのはどうしてですか?
松谷:もともと僕は腎臓内科で透析とか電解質っていう透析の管理とかやりたかったのですけども気持ちが変わりました。今でも腎臓内科の先生とか、循環器の先生には大変お世話になっているのですけれども、診療科を決める時にある疑問がよぎりました。「なんでこのまだ若い50~60代の方が透析をしているのか?」とか、「なんで50歳という若年にも関わらず心筋梗塞で命を失いかけているのか?」と。すると、臨床を経験していくと、多くの原因が、糖尿病、高血圧、脂質異常症が原因であるいうことに気づきました。透析や心筋梗塞になる理由は他にもあるのですが、生活習慣病が多いということで糖尿病・生活習慣病を専門とする医師になることを決意しました。透析になると、週に4時間、週3回透析しなければいけないなく、非常に生活の質が低下します。それも、40〜50歳の患者さんも結構いるんです。透析の医療費は国の負担で、年間800万円と高額医療費がかかってしまいます。そういう方々をこれ以上増やさないべきと思い、そっちの方がやりがいがあるんじゃないかと。
竹内:もう、根本を減らすっていう。
松谷:そうです。
竹内:なるほど。やっぱり糖尿病がどんどんどんどん重症になっていくと、透析をしなきゃいけなくなるんですね。
松谷:そうですね。糖尿病にならないこと、それを一次予防っていうんですけども。心筋梗塞とか透析とか脳梗塞になっちゃった人が、それらの疾患をもう1回起こさないようにするのが二次予防。僕は一次予防の道を選ぶことにしました。
竹内:普段からどんなことを心がけたらいいですか?糖尿病とか生活習慣病にならないために。
松谷:やっぱり知識をつけていただきたいんですけど、なかなかそういう場面もないので。 日本でやってる健康診断は、あんまり患者さんに指導するっていう場面がないんです。
竹内:うーん、たしかにそこまで時間なかったりしますよね。
松谷:引っかかった人には指導しているんですけども、そういう体勢があまりよくないなって。「これから糖尿病にならないためには」っていう講義を1つ設ければいいのかなとは思います。診療では血糖値が500mg/dLの25歳の方とかがたくさん来るんですよ。正常は100mg/dLなんですけど。
竹内:はいはいはい。
松谷:全く知識がなくて、500 mg/dLでも元気で「これって糖尿病ですか?」って言われるんですけど。126 mg/dL以上が糖尿病なので。
竹内:だいぶ糖尿病ですね。
松谷:だいぶ糖尿病なんですけど、本人は「えっ!?本当ですか!?」って感じなんです。
竹内:それって大丈夫ですか?元に戻せるんですか?
松谷:はい、戻せます。若い方はけっこうすい臓が元気なことが多いので、糖尿病になってもすぐデータは良くなるんです。
竹内:そうなんですね。じゃあ、とにかく早めに病院に行って治療したほうがいいですね。
松谷:そうですそうです。脂肪とすい臓っていうのは喧嘩するので。ずーっと脂肪と喧嘩していると、すい臓がオーバーヒートしちゃうんですね。
車に例えると、壁に車をくっつけて、アクセル踏んでずっとブワーッ!てなっている状態。前に進まないで、エンジンがオーバーフローする。そんな感じで、すい臓の機能がどんどん落ちていくんです。インスリンを出すすい臓というエンジンから煙が出始めて、ようやく血糖値の上がり始めます。
竹内:はいはいはいはい。
松谷:オーバーヒート状態がずっと続いて、エンジンが完全に壊れちゃったらインスリンをお腹にうって治療するしかなくなってしまうんです。
竹内:なるほど。そうなる前にね。早く、なんとかしなきゃいけないって感じですね。企業理念っていうのはおありなんですか?
松谷:基本的には、不自由な状態、例えば認知症とかの状態で延命することではなくてですね、足腰がしっかりした元気な状態で健康寿命を長くすることが最も重要と考えてますね。それを患者様に伝えることを最初にしてますね。
竹内:そうですね、間違いないですね。健康寿命ね。
松谷:そうなんです。60歳で認知症とか麻痺になっちゃって、心臓だけ元気な方ってけっこういっぱいいて、いっぱい見てきてるんですけど、外来で「そういう人生じゃなくて、今から治療すれば、90歳の元気なおじいちゃん、おばあちゃんになれますよ。どっちの道行きますか?」って言うと、積極的に治療して頂けます。
竹内:最後に、これからの夢、目標を教えてください。
松谷:そうですね、これから患者さんは増えるとは思ってるんですけども、今、2つ診察室がありますので、もう1名の糖尿病内科医を雇ってですね、新宿という日本を支えているビジネス街の生活習慣病、糖尿病を守っていきたいと。皆さんが健康になれることを願っています。
竹内:ありがとうございました。
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