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2023.08.10

8月3日(木)配信 さちこども歯科 院長 鈴木さち代

さちこども歯科 院長 鈴木さち代

鈴木さち代さんは1991年、北海道大学歯学部を卒業。
歯科医師免許を取得され、
鶴見大学歯学部付属病院での助手経験を経て、
1999年には、日本小児歯科学会の認定医になった。
翌年、橘こども歯科医院を開業、
2007年には、日本小児歯科学会の認定専門医を取得。
2018年には、「さちこども歯科」としての院名変更と
場所を移転されました。


竹内:さちこども歯科があるのが、川崎市中原区。

鈴木:はい。

竹内:どんな街ですか?

鈴木:もともと川崎自体、工場が多い場所なので、医院のそばにも富士通さんがありますけど、その社宅が多かったりとか、わりと住宅地ですよね。

竹内:ここに建ってから何年くらい経つんですか?

鈴木:中原区に引っ越したのが5年くらい前なので、その前はお隣の高津区っていうところでしていて。そこもやはり社宅がすごく多い場所だったので、お子さんがたくさんいる地区でした。

竹内:じゃあ、小さい頃からずっと通っていらっしゃる子もいる感じなんですか?

鈴木:はい、多いです。2000年に開業しているので。23年経ってますから。就職した子も来ています。

竹内:えー!じゃあ、小さい頃から永久歯まで面倒を見ていただけるっていうことなんですね。

鈴木:そうですね。

竹内:どんな治療をされることが多いんですか?

鈴木:10年くらい前までは、ひたすら削って詰めて、をやってました。1歳でもやっぱりむし歯を作ってしまう子がいたので、ネットで抑えて治療させていただいて。その技術は、最初に勤めた鶴見大学の方がすごく上手だったので、そこで学んだ技術で、しっかりと取れない治療っていうのをやっていたんですけど。

竹内:はい。

鈴木:でも、ここ数年どんどん変わってきて。予防っていう方向で考えていったら、今はほとんど削ってないです。

竹内:えー。それは予防すると、むし歯にならないっていう意味ですか?

鈴木:そうではないんですよね。むし歯はね、実は無くならなくて。むし歯の方はいっぱいいらっしゃるんですけど。

竹内:こどもでも?

鈴木:はい、います。作りたくはなくても、出来る必要があって出来てくると思っているので、そこと向き合う必要があるなと。

竹内:はいはい。

鈴木:なので、何もしないのではなくお薬は塗らせてもらうんですけど。

竹内:うん。

鈴木:ですけど、通っていただきながらお話して、どういうふうにしていくかっていうのを一緒に考えていくような形。

竹内:歯を削らない、と先ほど仰っていましたけど、さちこども歯科としては、どういう方針をお持ちですか?

鈴木:そもそも私自身の考えとして今は、むし歯は味方だと思ってるんですよ。

竹内:おおー、むし歯は“味方”!?

鈴木:病気も敵ではなく、味方。自分の体に何か危機が起こってることを教えてくれるものと思っているんですね。だから、むし歯が出来てくるってことは、生活だけでなく、心も原因だと思っているんです、私は。

竹内:へえー。

鈴木:そうすると、自分に向き合う必要があるってことですよね。

竹内:何か問題がある、と。

鈴木:そう、何か問題があるはず。そこに向き合わずに削って詰めても、何も根本解決ができないっていうことに気づいて。もう、削って詰めることをとことんやりすぎて疲れたので(笑)。「もうやだ」っていうぐらいやってきたので。逆にもっとたどっていきたいっていうところで、今このお話になるんですけど。やっぱり体に必要ないことは起こらないので、なんでむし歯ができるのかなって考えたら、教えてくれてるんだなって。

竹内:何か問題があるんだよっていうサインってことですかね。

鈴木:そうそう。なので、それぞれの人によって理由は違うと思うので、何が原因かっていうのを真剣に考えてもらうのが必要だって気づいたんですね。なので、それをお母さまとお話をして、お子さんの口に問題が出ているお子さんの生活、ひいてはお母さんのメンタルも関係してくるので、っていう単位で診させていただいてます。

竹内:こどもってやっぱり2歳児ぐらいだと歯磨きをすごく嫌がるんですけど。いい歯磨きの仕方ってないかな?って。もういつも嫌だ嫌だって言って。

鈴木:ちなみに、嫌がる時ってなんて言ってやってます?説得してます?

竹内:1つは、電車が好きなので「歯磨き列車が通ります」とか言って。

鈴木:いいですね。

竹内:最初はうまくいったんですけどね。だんだん効かなくなってきて(笑)。今度は、「コムッシーがいるからコムッシーをやっつけるよー!」とか言って。

鈴木:うんうん。

竹内:最初はちょっとやってくれたんですけど、またもう無視して、クルってそっぽ向いちゃって。なかなか好きになってくれないです。

鈴木:そうですよね。ちなみに、歯磨き好きですか?

竹内:私自身は、今はね、好きというか、しないと気持ち悪いっていう感じですね。

鈴木:そこなんですよね。「歯磨きって何のためにしてます?」って私よく質問するんです、いろんな方に。何のためにしてます?

竹内:歯をきれいにするため。

鈴木:そうですよね。今、竹内さんは、歯をきれいにするためって仰ってたんですけど、これ、診療室でママに聞くと、「むし歯にしないため」って言うんですよ、皆さん。

竹内:あぁー。そうですね。

鈴木:ただ、むし歯になられた方って、歯を磨いていなかったんですか?ってお話なんです。磨いていたはずなんです。

竹内:磨いているのになるんですよね。

鈴木:そうなんですよ。だとすると、こどもに、「むし歯になるから歯磨かせて」って言っても、「いや、お母さんむし歯になってるよね」って話で、説得力ないですよね。

竹内:あぁ~、はいはいはい。

鈴木:こどもはそんなこと知ってますからね。もうわかってますから。 違うでしょ、って。なんで磨くの、って。やっぱりさっき仰った、きれいにしたいからなんですよね。そう考えると、きれいにするのって、お風呂入れるのと同じですよね。

竹内:うんうんうん。

鈴木:そこを教えていく、伝えていくって必要があるんですよね。

竹内:清潔に保つっていうのは当たり前だよ、みたいな。

鈴木:そうそう。なおかつ、気持ちいいんだよっていうことですよね。

竹内:そうなんですよ~。

鈴木:だって、磨かないと気持ち悪い。そこはやっぱり習慣なので、教えてあげるしかないので、「気持ちいいよ」って言ってやっていくしかない。お風呂入れるのと一緒なんですよ。ほんとに。

竹内:そっか。「きれいになったね」みたいな。毎回言って。

鈴木:そうそう。時々ね、それでも聞かない子はやっぱりいるので、よく意地悪にお話するんですけど。食器とかスプーンとか、ちゃんと洗いますよね、毎回ね。だから「じゃあ、洗わないで次のご飯乗っけていい?」って、こどもに聞くんです、2歳ぐらいだとわかるから。そうすると、「やだ」ってけっこう言われます。「え、なんで?」って。

竹内:うん。

鈴木:でも、歯って直接食べ物噛み砕いてるわけで、歯も同じ道具だから、「歯磨かないんだったら、食器も洗わなくていいよね」って。

竹内:あー、なるほどね。

鈴木:「だからママにも、今日からボクのお皿は洗うのやめてもらおうか」とか言うんですよ。そうすると、「やだ!」とか言って、「うん、じゃあ歯も磨くよね?」って言うと渋々「やります」みたいな。

竹内:そっか。そういういろんな方法で、イメージをつけてもらうのがいいですね。

鈴木:「きれいが大事」っていうのをね。やっぱり、清潔に保つって健康のためには必要じゃないですか。

竹内:いやーそうなんですよね。

鈴木:それだけのことですよね。だからお風呂だって、嫌がっても入れるのはどうして?って聞いた時に、病気になるから、とは皆さん言わないですよね。

でも歯は、磨かないとむし歯になるから、ってどうして言うのかな?って。

竹内:そっかそっか。むし歯になるからって言うよりは、きれいに保つためっていうことですよね。当たり前の感覚っていうか。

鈴木:そうなんです。生活習慣なんです。

竹内:いやー、勉強になりました。ありがとうございます。

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