松本興産 株式会社 代表取締役 松本直樹
1971年生まれ。埼玉県出身。
大手自動車会社で5年間会社員としてキャリアを積んだ。
その後退社、父親が創業した精密切削加工の会社に、1997年に入社。
2007年、代表取締役社長に就任。
竹内:スリートみたいな見た目ですね、東京マラソンも参加されたりしてるんですよね?
松本:そうですね。過去に3回ほど参加させていただきました。
竹内:走る人の体型って感じで、細身で。
松本:いやいや。
竹内:精密切削加工の会社。「切る、削る」と書いて切削なんですが、これは何を切って削ってらっしゃるんですか?
松本:金属ですね。分かりやすく言うと、鉄、アルミとか。
竹内:アルミ缶みたいな?
松本:そう、アルミ缶。お客様がこういう形にしてくれっていうものを。
竹内:例えば?
松本:例えば、竹内さんが、こういう形状のボールペンだと書きやすいから、こういう形状のボールペンが欲しいと。お客さんがドローイングっていうんですけど、描くんですよね、絵を。例えば、長さが5センチで、円の大きさが2センチぐらい。で、手にフィットしやすいものを作ってくださいと。それに対して、分かりましたと。オーダーをいただいて、ものを作ってお客さんに確認してを何回か繰り返して、オーダーメイドのものを作ってくっていう。
竹内:じゃあ何でも、こういう形がいいて言われたら。
松本:何でもできるんですよ。それがたまたま自動車部品。自動車部品って本当に、部品ってパーツの塊なんですよ。
竹内:はい、そうですよね。いっぱいこう色んな部品連なって。
松本:そう、いろんな部品がそれぞれの役割を果たしているんですよね。それで車がしっかり動いて、しっかり止まって、安全を確認しながら目的地までしっかり皆さんを運んでくれるんですよ。車って、見え辛いんですけど、結構最先端のテクノロジーがたくさん詰まってるんですよね。それに僕たちの部品が使われてる。
竹内:例えば自動車の中にある部品もたくさんあるけれども、そのうちの何個ぐらいを担当してるんですか?
松本:部品でいうと3万点ぐらいあるんです。その中でうちが担当しているのが、大体200点ぐらいです。でも、たかが200点なんですよね。
竹内:まあ3万って考えると、それ以外にも色んな…
松本:そうそう、1%いかないんですよ。
竹内:松本興産の得意って、どういう?
松本:自動車の100年の歴史の中で、うちは、まだ20年ぐらいしか携わってないんですよ。
竹内:直樹さんが就任されてから、自動車の方に…。
松本:そうです、一応入らせてもらいました。やっぱり信頼と信用を積み重ねてきた業界なので、新参者が、直ぐに仕事で上手いもの作れるの?ってなるんですよ。
竹内:なりますよね。でもその中でも200点も担当されてるっていうのは、凄く広げられたんじゃないですか?
松本:自動車もね、100年前と現代の自動車って全然違うんですよね。だからそんなに、同じ会社でもやっぱり変化をしていかなきゃいけないっていうのが、やっぱりミッションとして、使命としてあるんで、その中で、なかなか変化に対応できなかった会社さんが多分あると思うんですよ。その中でうちがポッと隙間に入らせてもらって。
竹内:なるほど。
竹内:任された部品は、どういう部品だったんですか?
松本:今から25年ぐらい前から、車って、かなり環境を配慮してるじゃないですか。これからカーボンニュートラルじゃないですけど、排ガスをゼロにする。その一連の流れで、ちょっと難しい話になりますけど、25年前にも、今までガソリンで動かしてるところは燃費を良くしようと。そうすると、部材もそれだけの機能をもたらさないと、そこに到達できないですよね。要は燃費を良くする車を作れない。だから部材も難しくなってきてるんですよ。100年前、50年前、30年前、20年前、現在。どんどん難しくなってくるでしょ、部品が。
竹内:そういう進化を遂げているから、部品が変わっていくのに合わせて。
松本:そうなんですよ。25年前にトヨタ自動車さんとか、Hondaさんとかができなかった技術を目の当たりにしちゃったんで、そこで新しく作れる会社を探せって、恐らく指令が出たんでしょうね。そこで、うちに声がかかったんですよ、たまたま。たまたまですよ。
竹内:へー、たまたま。
松本:でもうちも、他の業界ではある程度の技術を積み上げてたんで。
竹内:下町ロケットの世界だなって思いました。
松本:おっしゃる通り下町ロケットなんです。目で見えないところに、うちの部品が結構活躍させていただいてるんですよね。
竹内:職員というか技術者の方って何人ぐらいいらっしゃるんですか?
松本:今工場が三つあるんですよね。タイの方にもあるんで、グループで言うと今300人ぐらいになっちゃってるんですけど。
竹内:大きい組織に。最初は何人ぐらいのところから?
松本:最初は、そうですね、親父の代のときは40人ぐらいで。
竹内:凄い、かなり大きくなってるんですね。技術者の方は、何人?
松本:技術者はその中で30人ぐらい。
竹内:技術職って、やっぱりベテランの方が多いんですか?若者って参入しますか?
松本:うちの平均年齢が今33歳ぐらいなんです。結構若いんですよ。
竹内:技術者の平均年齢が30代っていうのは、めちゃくちゃ若いなって思ったんですけれど、熟練の技術者はどうなっていくんですか?
松本:うちではマイスター制度っていうことで、技術職を極める、キャリアアップっていうのを、生涯、ずっと現役引退までやれと。うちの最長年齢で今75歳ぐらいの人がいるんですよ。もうこの業界に、50年。
竹内:へー凄い。
松本:でも、その人は、「社長もう辞めさせてくれ。もう俺75だから。」って言ってるんですよ。でもダメダメって、言って、まだ技術継承してないでしょ、と。
竹内:あーやっぱり、その人の技術が素晴らしいから。やめてほしくないんですね。
松本:辞めて欲しくないですよね。ただその人が次の人、若い世代に技術を継承できるかって言ったら、多分難しいんじゃないかなと思うんですよね。
竹内:それは、なかなか継承できない?もうその人の才能なんですかね?
松本:才能なんでしょうね。
竹内:最後にこれから実現したい夢を教えてください。
松本:そうですね、世界の人々にもっと幸せになってもらいたいんで、日本のみならず、海外にもっとうちの工場が進出して行って、フラットな形でうちの会社が伝えて、皆さんが幸せになってくれたら。だから極力、貧富の差をなくしていきたいなっていうのが、最終的な目標ですね。
竹内:本当にグローバルになってるんですね。
松本:そうです。気持ちがグローバルになっちゃってるんで。
竹内:気持ちがグローバル!今、タイに工場があって、じゃあそれを更に広げていきたいっていう
松本:そうです、3年後にはメキシコの方にも進出しながら。
竹内:もう決まってるんですか?
松本:もう決まってるんです、コロナでちょっと、躓いちゃったんで、これは絶対実現して、ラテン系のノリを入れていこうかなって。
竹内:ラテン系ってのノリってどんなノリですかね。ラテン系ののりで切削していくっていう?
松本:そうですよ。ラテン系でも削れますよっていうのは、と実現しようかなと。
竹内:いやーいいですね。はい、ありがとうございます。
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