竹内由恵のT-Times

2021.11.25

11月18日(木)放送 株式会社hanami CEO 公門誠治

株式会社hanami CEO公門誠治

1984年生まれ。
コンサルティング会社、ヘッドハンティング会社を経て、
先祖代々続く想いを引き継ぐために花業界へ。
2017年にお花の定期便medeluを創業、2021年に事業を承継。
株式会社hanamiの代表取締役に就任、現在は、CEO。


竹内: 公門さんて、とても珍しい苗字ですね?

公門: そうですね、九州の育ちなんですけど、地元でも僕の親族しか見たことがないですね。

竹内: そうなんですね。お花のお仕事をされている会社のCEO、どんな方なのかなと思ったんですけど、1984年生まれとお若いですよね。

公門: 花業界の経営者の人達って、年配の方が多くて。僕とかまだこの業界に入って4年位しか経ってないので、先輩方に比べるとまだまだこれからという感じですね。

竹内: 元々は全く違うお仕事だったんですよね?

公門: 父親が三代目だったんですけど、小さな時から父親を見て、それ以上の経営者になりたいって思いが、小さい時からありました。それで、コンサルティング会社に新卒で入ったのも、沢山の経営者の方に会えると思ったので。

竹内: 経営者になることを見据えて、コンサルティング会社に入られたんですね。

公門: そうですね。そこで経営者の方に経営の話を聞いて、教えてもらいながら、何年か働いて、その後、ヘッドハンティング会社を立ち上げて、自分で経営をアウトプットしたいという思いがあって。

竹内: 花とは全く関係ない仕事ですね?

公門: そうですね。特に僕がやってた会社では、IT業界に特化したヘッドハンティングをやってて、エンジニアの方とかクリエイターの方とか、CTOと言われる幹部クラスの方とか、そういう人たちをヘッドハンティングする仕事をしていて、そういった意味では、今IT系のサービスをしているので、全然違う業種ではあるんですけど、活きている部分があるなと思っています。

竹内: なるほど。お父様は、どのような、お花屋さんの経営者だったんですか?

公門: そうですね、本当にあの家族経営と言うか、よくある田舎の小さい会社で、社員とか大家族ぐるみで一緒にご飯食べたり、お酒飲んだり、新しいテレビとか車を買ったら、「おい、お前これ持ってけ」みたいな。そんな感じの人間ですね。社員から慕われてる姿を見てて、カッコいいなーって思っていました。

竹内: なかなか父親が働いている姿って見る機会がないかも知れませんが、家族経営だと見られますもんね。

公門: そうですね。私も小さい時から手伝いに行きました。特に花業界って繁忙期と閑散期の差が激しくて、お正月とお盆は、めちゃくちゃ花が出るんです。今じゃちょっと考えらないですけど、3~4日寝ないで働くみたいな。そういう時に手伝いに行って。

竹内: いつ頃からお手伝いをされてました?

公門: 小学生の時から手伝いに行っていましたね。荷造りの段ボールを作ったり、花束用に葉を落とす作業とか。単純作業をしていました。

竹内: いいですね。小学生の時からそういった経験て中々できないですもんね。

公門: そうですね。

竹内: お花って男性が小さい頃は特に興味を持たなそうなイメージなんですが?

公門: そうですね。やっぱり女性の方が沢山買ってくれますし、若い人より年配の方が買うのが今のマーケット環境です。

竹内: そうなんですね。

公門: ですから、当時、僕も花に思いがあったかと言うと、ただ単純に皆がそこでワイワイやってるから、ちょっとその輪に入りたいなとか、尊敬されてる父親を見てこういう人間になりたいなとか、そういった思いがあって。花のことを詳しく勉強したり、花を男性に手に取ってもらうにはどうすればいいのか考えだしたのは、つい最近です。

竹内: 物凄く歴史のある会社なんですね?

公門: そうですね。僕のひいおばあちゃんが明治39年に創業しました。今で115年位になるんです。

竹内: 明治時代ですかぁ!

公門: ホント、日本昔話のおじいちゃんは山へ芝刈りへみたいな、そういう時代で。おばあちゃんが山に、神棚に飾る榊っていう葉物、グリーンがあるんですけど、それを山に刈に行って、街で売るところからスタートしました。

竹内: そうなんですね。

公門: はい、その後、おばあちゃんの代は、戦後だったので、傷ついた人に心を癒して欲しいと、グリーンから花に代わりました。当時天秤棒を担いで、前と後ろに花を乗せて、父親を抱っこして花を売歩くみたいな。

竹内: え~、おばあちゃん凄いですね!

公門: 凄いですね(笑) それまでは、戦闘機の設計士か何かで、鉛筆より重いもの持ったことがない位のお嬢様だったらしいんですけど。それが朝早くから天秤棒で花を売って。

竹内: それはご結婚されてから?

公門: そうです、おじいちゃんに騙されたって(笑)

竹内: まさかこんな事をするとはと(笑)でも、楽しんでやっていたんでしょうね。

公門: 旦那が戦争に行くので、自分が家庭を守らなきゃいけないということで。

竹内: お父様で3代目ですね?

公門: はい。お父さんの時は、バブル期で、花の業界もグッと伸びた時期だったので、直接売るのではなくて、卸業者といいますか、生産者から花を仕入れてあの花屋さんに花を卸すというビジネスに転換したという。

竹内: 仲介の仲卸ですよね。

公門: はい。リブステージというサービスなんですけども、葬儀とか結婚式とか、装飾系の花屋さんに対して、九州全域にトラックとかハイエースで売りに行くみたいな、そういうビジネスになりました。

竹内: そして公門さんの代では?

公門: そうですね、「日常×花」をコンセプトに、お花の定期便「medelu」お花のネット仲卸サービス「Carry」というサービスを運営しています。

竹内: 改めて企業理念を伺っていいですか?

公門: 「花を愛でる人を増やす」という理念を掲げています。年齢とか性別とか所得とか、住んでる地域とかは関係なく、一人でも多くの人に花を手にとってもらえる、そういう世の中を作っていきたいなと思っています。

竹内: 確かに今は、花を飾るのって日常というより非日常のケースが多いですが、もっと気軽にお花を買って欲しいということですか?

公門: 花の先進国オランダに視察に行った時に、「オランダでは年収が低ければ低い人のほうが花を買う」と聞いて、現地では、花があるから、心が豊かになって、行動が変わって、暮らしが豊かになる。そういう文化が根付いていると。

竹内: へえ、そうなんですね。

公門: 日本では、心や暮らしを豊かにできるという可能性は、花の価値が伝わりきってないと思って、「日常×花」をやって行きたいと思っています。

竹内: 今は、サブスクリプションが好調なんですよね?

公門: そうですね、サブスクって気軽に始められるし、家まで届くし、金額もそんなに高くないし。1回1,000円くらいなんですよね。気に入らなければ止めれるし。サブスクと花って相性がいいですね。

竹内: そうですよね。

公門: 箱にQRコードを載せているんですが、そこから入ると、花の名前や花言葉ってこういう由来でできたんですとか、原産国とか、風水的にここに飾るといいですよとか。生け方の動画とか、そういった情報が分かるようになます

竹内: 以前勤めていたIT企業で得た知識を自身の会社に活かしてくれて、お父様も誇りだと思いますよ。

公門: いえいえ(笑)

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