ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2026.08.02

サンデー早起キネマ『叛逆のサウンドトラック』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

8/2の1本目は、世界が東西に分かれ対立した冷戦下、政治の茶番に利用されたジャズミュージシャンたち…陰謀渦巻く歴史の闇をジャズが直撃する凄まじいドキュメンタリー

『叛逆のサウンドトラック』

1961年2月のある朝、歌手のアビー・リンカーンとドラマーのマックス・ローチは、新たに独立したコンゴ民主共和国の初代首相パトリス・ルムンバの殺害に抗議するため、国連安全保障理事会に、およそ60人の抗議者たちを引き連れて突入し、大混乱に。
その瞬間、世界は“脱植民地化”という名の地殻変動に飲み込まれていきます。希望と混乱の新しい時代の幕開けでした…。

ここから始まる作品は、植民地支配から脱却しようとするアフリカ諸国と、植民地政策で利益を守ろうとする西側諸国、そして西側と対立する東側、それぞれの思惑が織りなす戦いが元ベルギー領コンゴ民主共和国の動乱を中心にアーカイブ映像で描かれます。

アフリカでは、1950年代からヨーロッパの植民地支配から多くの国が独立、1960年は17カ国に達し、“アフリカの年”と呼ばれました。コンゴ民主共和国もその一つ。
しかし、ベルギーは、コンゴの豊富な資源を失うことを恐れ、アメリカと手を組み、ソ連のフルシチョフは、国連総会で、植民地主義を継続する西側を激しく非難します。
一方、アメリカは“ジャズ外交”を開始、ルイ・アームストロングを“アフリカ親善大使”としてコンゴに派遣。しかしその裏では、CIAが支援するクーデターが進行していて、その結果、ルムンバが暗殺されるのです。
そうした歴史の一幕が、ジャズと政治が共鳴した「もうひとつの冷戦史」として綴られます。

詳しい歴史を知らなかったので、探りながら見ていたのですが、もっと知識があれば、すんなりと理解できたのではないかと思いました。
以前、コンゴ民主共和国の医師ムクウェゲさんのドキュメンタリー映画(『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』)を紹介しましたが、この作品を見て、冷戦時代からずっと今も続いている問題なのだと改めて驚きました。
遡れば、奴隷制度にまで行き着くこの問題は、アメリカの人種差別にも繋がっています。“自由の国”と謳いながら今も続く差別に、人間の罪深さを思わずにはいられませんでした。
尊厳・主権・自由を取り戻そうとする闘い…この作品を見て一緒に考えませんか。

『叛逆のサウンドトラック』
8月7日(金)より Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、UPLINK吉祥寺他にて全国順次公開

公式サイト:http://hangyaku.onlyhearts.co.jp/
出演:ルイ・アームストロング、ディジー・ガレスピー、アビー・リンカーン、マックス・ローチ、ニーナ・シモン、ミリアム・マケバ、ジョン・コルトレーン、デューク・エリントン、メルバ・リストン、エリック・ドルフィー、チャールズ・ミンガス、オーネット・コールマン、ル・グラン・カレ、ロック・ア・マンボ、ドクター・ニコ、マリー・ドールン“ザップ・ママ”、パトリス・ルムンバ、エディ・ウォーリー、ウィリス・コノーバー、ルネ・マグリット、アンドレ・ブルアン、ニキータ・フルシチョフ、イン・コリ・ジャン・ボファーネ、マルコムX、コナー・クルーズ・オブライエン、アレン・ダレス、ジョン・F・ダレス
監督・脚本:ヨハン・グリモンプレ
2024年/ベルギー・フランス・オランダ/156分/16:9/5.1ch  
原題:Soundtrack to a Coup d’Etat 
日本語字幕:山口三平
配給:オンリー・ハーツ
© 2024 ONOMATOPEE FILMS BV, WARBOYS FILMS S.A.S., ZAP-O-MATIK, BALDR FILM,RTBF, VRT, JOHAN GRIMONPREZ

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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