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9/20の3本目は、先日行われたヴェネチア国際映画祭で「シネマ&アーツ賞」の最優秀作品賞に輝く三池崇史監督初のドキュメンタリー
『襲名』

一体何の襲名なのか…
「破天荒な光と影を纏い、王道と異端の二刀流で今を駆け抜ける役者“市川海老蔵”改め“十三代目市川團十郎白猿”。十三人目の團十郎、その誕生の記録です」という杏さんのナレーションで始まるのは、歌舞伎座での“助六由縁江戸桜”の場面。
この作品は、「十三代目市川團十郎白猿」と「八代目市川新之助」の親子同時襲名披露、その軌跡を追ったドキュメンタリーです。

歌舞伎の襲名は、俳優がある節目を迎えた時、それぞれの家で上位の名前を継ぎます。市川團十郎家の場合は、新之助→海老蔵→團十郎と段階的に襲名。
江戸歌舞伎の中心として、歌舞伎の歴史を築いてきた大名跡「市川團十郎」は、現代までおよそ330年で十二人が守り、9年ぶりに復活しました。

2019年、「襲名発表記者会見」を開いたものの、コロナが流行。
コロナ禍による約2年半の延期を乗り越えて実現した歴史的瞬間の舞台裏を記録し、名跡を継ぐ者としての責任、父として子へ芸をつなぐ想い、次世代を担う新之助が、受け継がれた歌舞伎とともに未来へ踏み出す姿を映し出します。

さらに、襲名披露公演の祝幕を手がけた世界的アーティスト・村上隆の創作の過程も記録。新たな芸術が生まれる瞬間です。ものすごくカラフルでポップで可愛くて、迫力溢れる素晴らしい作品です。

最初から最後まで97分間、ひとときも飽きることなく楽しめました。
劇場で見ているような迫力の舞台シーンがたっぷり楽しめますし、先代、先先代…と遡れる團十郎の歴史にも驚きと感嘆の気持ちで見入ってしまいました。
その時代時代に合わせ、伝統を損なうことなく歌舞伎を進化させていく、させていかなければならない、その情熱と心構え、技を磨く日々の努力に頭が下がります。

ユーモアあふれる魅力的な役者さんも多いのでクスッと笑ってしまうシーンも!
市川家だけが許される“睨み”だけでも一見の価値ありです。
迫力の舞台と共に、前代未聞の十三役の緊迫した早替わりの舞台裏も垣間見られます。とんでもない大役を終え舞台で浴衣に着替えた後の様子は、ガウンを羽織ったプロレスラーのようでした。

團十郎白猿が人として役者として磨かれていく様、新之助の目を見張るような成長ぶりにも目が離せません。
ファンの方には垂涎もののシーンも盛り沢山ですし、歌舞伎を全く知らない、敷居が高いと思っている方にもおすすめです。始まりから現代までの歴史はもちろん、歌舞伎を取り巻く環境や役者さんたちの努力、周りの方達の支えなど、日本の伝統芸能・歌舞伎を未来へつなごうという沢山の思いと情熱がここに詰まっています。

『襲名』
9月25日(金)全国ロードショー
公式サイト:襲名 – K2 Pictures
出演:市川團十郎 市川新之助 ほか
監督:三池崇史
祝幕:村上 隆
製作:紀伊宗之
プロデューサー:田中傳次郎 坂美佐子
制作プロダクション:オー・エル・エム PlanD
協力:松竹 日本俳優協会
配給:K2 Pictures
Ⓒ2026 K2 Pictures・3Top

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