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9/20の2本目は、世界初、主演はニワトリ!“ニワトリの視線”を通して、人間社会をコミカルかつシニカルに描き出す異色のヒューマンドラマ
『雌鶏』

監督・脚本は、独創性と奇想天外な映像センスを誇るハンガリー映画界の奇才・パールフィ・ジョルジ。
この作品ではニワトリの目を通して現代ヨーロッパ社会を、鋭く、ユーモラスに描き出し、想像を超えるスリルと愛に満ちた物語を完成させました。

さて、その物語とは…養鶏場で生まれ育った黒い雌鶏が、搬送中トラックから脱走。
人生初の自由を手に入れた彼女は、命の危険を乗り越え、ワケあり一家が暮らす家へと辿り着きます。その家のニワトリ小屋で初恋を知り、初めて産んだ卵を温め育てようと決意しますが、大切な卵は人間の食料として回収されてしまう過酷な現実に直面!
人生とは?生きるとは?我が子がヒヨコになる日を夢見て前に進もうとする彼女に、思いがけない運命が待ち受けていたのです…。

今までのアニマル映画とは一味違う物語の主人公を演じたのは、なんと本物のニワトリ!CGIやAI、特殊効果なしで撮影されました。「動物トレーナーさん、グッジョブ!」の一言です。
スタントアクションを担う子、クローズアップに対応できる子など、各自の特性を最大限に活かし、8羽の雌鶏が役割を分担。まるで自分の意志で動いているかのような迫真の演技を披露させたのです。

雌鶏から卵が産まれてくる最初のシーンから衝撃でした!もっと楽にポンポン産んでいるのかと思いきや、やはり産みの苦しみがあるのだなと…「今まで簡単に考えていてごめんなさい」と心の中で呟くほどでした。

そして、始まる奇想天外なストーリー。
人間界の移民と裏社会の問題、そして雌鶏の子孫繁栄への本能が同等に描かれています。人間にとって卵は食料でしかなく、鶏にとっては人間社会のいざこざなんてどうでもいいこと。“欲望”のままおバカに争う人間と、“本能”のまま子孫を残したいと願う雌鶏…その対比が面白かったです。

まさしく「つゆの世は つゆの世ながら さりながら」…映画の冒頭記される、我が子を亡くした小林一茶の句。
「この世はつゆのように儚いとはいえ、諦めきれない」…その切実な思いは、命の尊さと無心に無垢に生きることの大切さを思い起こしてくれました。

『雌鶏』
9月25日(金)シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
公式サイト:映画『雌鶏』公式サイト
監督:パールフィ・ジョルジ
脚本:パールフィ・ジョルジ、ルットカイ・ジョーフィア
出演:雌鳥(エスティ、サンディ、フェリ、エンチ、エティ、エニクー、ノーラ、アネット)、ヤニス・コキアスメノス、マリア・ディアコパナヨトゥ、アルギリス・パンダザラス
2025年/ギリシャ・ドイツ・ハンガリー/96分/ギリシャ語、英語/5.1ch/カラー/日本語字幕:石田淳子/映倫:G区分
配給:ハーク
©2025 Pallas Film-Twenty Twenty Vision-View Master Films-ZDF

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