おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/29は、過去も現在も第一線の監督・俳優・作品を取り上げた3本をご紹介。
2本目は、誰にでも訪れる家族との別れ…それが安楽死だとしたら?父と娘たちの最期の日々を綴る、涙とユーモアあふれる感動の物語
『すべてうまくいきますように』
主人公は小説家のエマニュエル。ある日、84歳の父アンドレが脳卒中で倒れ、一命はとりとめたものの麻痺が残り身体の自由がきかなくなってしまいます。その現実を受け入れられず、「終わらせてほしい」と安楽死をエマニュエルに哀願する父。エマニュエルは妹と、父の気が変わることを望みながらも、合法的に安楽死を支援するスイスの協会とコンタクトをとることに。
一方で、リハビリが功を奏し日に日に回復する父は、孫の演奏会やお気に入りのレストランへ出かけるなど、生きる喜びを取り戻したかのように見えました。しかし、父はまるで楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げるのです。
娘たちは戸惑い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとしますが、そんな家族の前に愛や倫理、法律や宗教など様々な理由で反対する者たちが立ちはだかります。
果たして父は安楽死を決行するのか、止めてくれる誰かが現れるのか、それとも安楽死を禁ずるフランスの法律に止められるのでしょうか?
エマニュエルを演じたのは、『ラブーム』で人気爆発!今も活躍する国民的女優ソフィー・マルソー。
幼い頃から家族を顧みない自分勝手な父に振り回されながらも、父の魅力に抗えず「友達ならよかった」と思わずつぶやいてしまう複雑な娘役が素晴らしかったです。
毒舌、頑固、ワガママ、いじわる、でもユーモアセンス溢れる人たらしの父アンドレ役は、3度セザール賞に輝いたフランス映画界の重鎮、アンドレ・デュソリエ。
すべての欠点がなぜか魅力的にうつるアンドレというキャラクターを見事に体現しています。
安楽死、尊厳死といえば、日本では去年公開された『PLAN75』が衝撃的でしたが、誰にでも訪れる死をどう迎えるのか考えることは、よりよく生きていくためにも必要だと実感。安楽死の手続きや方法、そしてお金のことなど驚くことも多かったです。
サスペンスフルなストーリーテリングを得意とするフランソア・オゾン監督が緊迫感に満ちた展開の先に用意した、想像を裏切る結末とは?
安楽死という重いテーマながら、ユーモアを忘れない会話劇とスタイリッシュな映像で、家族の愛とは何か、人生とは何かを軽やかに問いかける、涙と笑いあふれる感動作です。
『すべてうまくいきますように』
2/3(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ 他公開
公式サイト:映画『すべてうまくいきますように』公式サイト (ewf-movie.jp)
監督・脚本:フランソワ・オゾン(『ぼくを葬る』『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』)
出演:ソフィー・マルソー アンドレ・デュソリエ ジェラルディーヌ・ペラス シャーロット・ランプリング ハンナ・シグラ エリック・カラヴァカ グレゴリー・ガドゥボワ
2021│フランス・ベルギー│フランス語・ドイツ語・英語│113 分│カラー│アメリカンビスタ│5.1ch│原題:Tout s’est bien passé│字幕翻訳:松浦美奈│映倫区分:G
© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION– SCOPE PICTURES
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
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