ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.11.06

サンデー早起キネマ『桜色の風が咲く』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
11/6は、唯一無二の素晴らしい人物・卓越した役者…壮絶な人生を描いた作品を3本。

1本目は、生きる希望を描き出す真摯で温かな人間賛歌、母と息子の絆の物語
『桜色の風が咲く』

実在の人物をモデルにした作品。この方をご存知の方は多いと思います。
9歳で失明、18歳で聴力も失いながら、盲ろう者として世界で初めて大学教授となった福島智さん。
目も耳も不自由な福島さんにとってコミュニケーションの手段はどのようなものなのでしょうか…。

教師の夫、三人の息子と共に関西の町で暮らす令子。
末っ子の智は、3歳の時に右目、9歳で左目の視力を失いながらも、家族の温かな愛に包まれ、持ち前の明るさでユーモアたっぷり、天真爛漫に育ちます。
やがて令子の心配をよそに、智は東京の盲学校に進学。親友ができ、淡い恋も経験し…高校生活を謳歌。たまに届く手紙には、令子が一生懸命打った参考書の点字翻訳にイチャモンをつけてくる生意気ぶりです。
しかし、智は18歳で聴力も失ってしまうのです。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独…そんな息子が立ち上がるきっかけとなったのは、令子が智との日常から見出した新たなコミュニケーションの“手段”でした。
勇気をもってひとつひとつ困難を乗り越えていく母と息子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていくのです。

息子がしたいことならなんでも支えてやろうという逞しさと覚悟を持った母・令子役は小雪さん。
苦しさの中に希望を見出す母の愛情と強さを体現。小雪さんにとって新しい境地ではないでしょうか。
楽天的で可能性を諦めない大胆さと、苦悩や思索などの内面、さらには盲目の演技も要求される難しい役どころ、智を演じたのは、注目の若手俳優・田中偉登さん。
福島さんと多くの時間を過ごした田中さんは「笑顔で前を向き進んでいけば道は開ける」と学んだそう。

そう!天から突然与えられた大きな試練、でも智もお母さんも、諦めない、負けないんです。
どうしようもなく落ち込むことも涙することもありますが、それでも、持ち前の明るさとユーモアで物事をまっすぐ良い方に捉えていく、だからこそ、彼らの前には道が開かれ未来が広がっていくのです。
人は誰でも落ち込み希望が見えない瞬間があると思います。あの時の自分にこの作品があったら…そう思わずにはいられません。
どんな状況でも諦めずに、自分のできること、自分の使命を見つけ、突き進めばいい。
心が折れそうなとき、大丈夫だよって背中をグイグイ押してくれる作品です。

『桜色の風が咲く』
11月4日(金) シネスイッチ銀座、ユーロスペース他にて全国順次公開

公式サイト:映画『桜色の風が咲く』公式サイト (gaga.ne.jp)
小雪
田中偉登 吉沢悠 吉田美佳子 山崎竜太郎 札内幸太 井上肇 朝倉あき / リリー・フランキー 
監督:松本准平、脚本:横幕智裕 、音楽:小瀬村晶、 協力:福島令子 福島智
製作国:日本/日本語/2022/ビスタ/5.1Ch/113分/英題:“A Mother’s Touch”
配給:ギャガ 
©THRONE / KARAVAN Pictures

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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