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4/26の1本目は、分断と排斥の世に放つ、ケン・ローチ監督最後のメッセージ
『オールド・オーク』

この6月で90歳になるイギリスの巨匠、ケン・ローチ監督が自ら“最後の作品”と語るのは、『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』に続く「イギリス北東部3部作」の最終章となるこの作品。
市井の民を見つめ、彼らの生活と闘争を描き続けてきた監督が最後に贈りだす希望とは…。

舞台は、とある炭鉱の町で最後に残ったパブ「オールド・オーク」。
活気溢れる時代から30年が経ち、すっかり寂れて貧困に陥っている町の人々にとって、このパブは、最後の砦となる止まり木のような存在なのです。
店主のTJ・バランタインは、やり繰りしてなんとかパブを維持していますが、2016年、町がシリアから難民を受け入れ始めます。おかげで、人々が安らぐ場所だったパブは、居場所を争う諍いの場になってしまいます。
TJは、シリア難民の一人、カメラを持った女性ヤラと出会い、友情を育む中で、困窮する町の人々とシリア難民のために誰もが無料で食べられる食堂を開こうとするのですが…。
果たして、彼らは、互いを理解する方法を見つけられるのでしょうか?

イングランド北東部は問題の多い地域ですが、その理由がよくわかります。重要な産業がなくなり廃退した町を政府が気遣うはずもなく、放置されたまま困窮していくばかり。その上、移民が送り込まれてしまう…移民が悪いわけではないのに、ぶつけられない不満と怒りの矛先は弱い立場の移民に向かってしまうのです。

そんな中、TJとヤラの友情には救いがありました。
二人とも心に大きな傷を抱えているのに、お互いを思いやる気持ちがセリフの端々に感じられて温かい気持ちになりました。
そんな二人に影響された町の人々の気持ちが少しずつ変わり始めます。
反対に、どうにも変わらない人たちがいるのも事実です。攻撃的で頑固でヘイトを叫ぶ人たち。怒りの連鎖からは何も生まれないのに、とても歯痒い思いです。
自分は変えられるけど人の気持ちは変えられないという難しさを改めて感じました。

日本も含めて今世界中で分断や争いが問題になっています。
違いを受け入れながら共存していくことは難しいことなのか…TJとヤラの友情に希望の光が見えました。今、すべての人に必要な視点だと思います。

『オールド・オーク』
4月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
公式サイト:映画『オールド・オーク』公式サイト
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
出演:デイヴ・ターナー、エブラ・マリ、クレア・ロッジャーソン
2023/イギリス、フランス、ベルギー/英語・アラビア語/113分/カラー/映倫:G
原題:The Old Oak
配給:ファインフィルムズ
後援:ブリティッシュ・カウンシル
© Sixteen Oak Limited, Why Not Productions, Goodfellas, Les Films du Fleuve, British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2023

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