ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.08.17

サンデー早起キネマ・番外編『サバカン SABAKAN』

毎週おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
今回は番外編。オンエアとは別に、是非ご覧頂きたい作品を取り上げます。

この夏、子供たちに、昔子供だったあなたに、是非ご覧頂きたい子供が主役の青春映画
『サバカン SABAKAN』

“イルカを見るため”に冒険に出る2人の少年の〈ひと夏〉が描かれています。
主演の番家一路くんと原田琥之佑くんは、2人とも今12歳で映画初出演です。
しかも監督も初めて!という金沢知樹氏。ドラマ「半沢直樹」など主にテレビ・舞台の脚本や演出を手掛けてきました。「子供たちが観る初めての実写映画になったらいいな」という思いで作ったそうです。子供たちの忘れられないひと夏の冒険は、大人になった私の心の奥の扉も開いてくれました。

そんな物語は、売れない小説家・久田の回想から始まります。
部屋にぽつんと置いてあったサバの缶詰。彼には“サバカン”を見ると思い出す少年がいました…。

1986年の長崎。口を開ければ喧嘩ばかりだけれど、とっても愛情深い両親と弟と暮らす久田は、斉藤由貴とキン消しが大好きな小学5年生。
ある日、久田は、家が貧しくクラスメートから避けられている竹本と、ひょんなことから“イルカを見るため”、子供の足では遠いブーメラン島を目指すことに。2人乗りで頑張って漕いだ自転車も転んで壊れてしまい、海では溺れかけ、挙句の果てにヤンキーにも絡まれ、散々な目に合います。でも、別れ際には自然に「またねっ!」「またね~!」とあいさつするようになり、“久ちゃん”“竹ちゃん”と呼び合い友情が深まって行きます。
そんなある日、別れを予感させる悲しい事件が起こってしまいます…。

久田を演じた番家くん、竹本役の原田くん、2人とも映画初出演とは思えない素晴らしい演技!美しい長崎の大自然の中を元気いっぱい走り回る“昔の田舎の子供”がそこにいるのです。
私も海はないけれど“昔の田舎の子供”なので、共感できることが沢山ありました。

夫婦喧嘩ばかりの久田の両親を演じた、竹原ピストルさんと尾野真千子さんが最高でした!金沢監督は、竹原さんのことを「ガサツだけど優しいところがあって、たばこを吸いながら千円札をポケットにねじ込むのが似合う人」といい、尾野さんについては“九州の女性っぽい”と思っていたそうです。「気が強い、目つきも強い。でもその裏側に憂いがある、厳しい中にも優しさがある」と話しています。本当にその通り!“喧嘩するほど仲が良い”の典型です。そんな情が深い2人に育てられたら「真っすぐな子になるなぁ」と思えます。

他に、大人になった小説家の久田役は草彅剛さん、竹本のお母さんは貫地谷しほりさん、そして竹本の“ライバル”みかん農園の“内田のじじい”は岩松了さんが演じました。内田のじじいがいい味だしてます。育てたみかんを勝手に食べちゃう竹本を「コラーっ!」と追いかけてくるおじさん、昔いましたよね、“サザエさん”に出てきそうな…。
子供たちをおおらかに見守る大人たち、人との距離が近い時代でした。

プールの帰り、雨に降られて駄菓子屋さんに入ったなぁ。田んぼにハマって全身泥だらけ!お母さんに叱られたなぁ…すっかり忘れていたことを思い出して、ほっこりしました。
音楽はよく聴いていた当時に連れて行ってくれる〈タイムマシーン〉だと思っていますが、この作品は、記憶の玉手箱を開けてくれる〈魔法の鍵〉でした。
大人には思い出を、子供たちには冒険のワクワク感を与えてくれます。さあ!久ちゃん、竹ちゃんと一緒に冒険しに出かけましょう!

『サバカン SABAKAN』
8月19日(金)全国ロードショー

公式サイト:https://sabakan-movie.com/#
出演:番家一路 原田琥之佑 尾野真千子 竹原ピストル 
監督:金沢知樹
脚本:金沢知樹 萩森淳
配給: キノフィルムズ
© 2022 SABAKAN Film Partners

 

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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