押忍!前島花音です!
毎週金曜日に放送している「うどうのらじお」の中の中継コーナー
『まちかどステーション 噂を求めてどこまでも!』
5月12日は六本木にある国立新美術館で開催中の、
「ルーヴル美術館展 愛を描く」をご紹介しました!
私は美術展が大好きなのですが、以前からとても楽しみにしていた展覧会ということで、
プライベートでも事前にじっくり見ていましたものの、何度見ても足りません…!
ルーヴル美術館展、今回のテーマは「愛」
あなたは「愛」と聞くとどんなものを思い浮かべるでしょうか?
ドラマや映画でよく描かれる「恋愛」や「家族愛」はもちろんですが、
それだけではありません!
神々への信仰的な愛、逆に、神から人間に対する愛、嫉妬や欲望、死に至るような愛、愛の犠牲になったものなど…
ルーヴル美術館から選び抜かれた73点の絵画が、
「愛」というテーマに対して様々な切り口で展示されています。
今回中継でお話を伺ったのは、主任研究員の宮島綾子さん。
中継の時間では足りないほど、沢山の「へえ~!」と思わず言ってしまうようなお話を宮島さんから聞くことができたので、ご紹介します。
(展覧会を見ていて個人的に気になることが数えきれないほどあり、つい前のめりで沢山質問してしまいました笑
優しくお答えくださった宮島さん、ありがとうございました?
ディレクター「社会科見学に来た興味津々の小学生みたいだったよ」とのことです…)
今回の展覧会では「愛」が主題となり、4章に分かれて展示されています。
どれも魅力的な展示ですが、気になったのは
「作品を先に選定して、章にわかれるのか、その逆なのか」
今回の場合は、最初に章がきまって、それから作品が選ばれたそうなのですが、同じ作品でも色々なテーマに当てはまることもあるので、
「この作品は必要だけどどの章に展示するのか…」
「●章にあわせて選ぶが、このラインナップだと成立しないので一回ばらそう」
と何度も何度も考え、選定されたそうです。
それでは、まず、今回のキービジュアルになっている絵画の1つをご紹介します。
↑今回のポスターで見た方も多いかと思います!
1758年、パリ生まれの画家、「フランソワ・ブーシェ」によって描かれた
「アモルの標的」という作品です。
アモル、とは私たちが良く知るキューピットのことです。
アモル、すなわちキューピットが矢をもって的を射抜こうとしています。
私が、同じく展覧会に行ったというディレクターと話が盛り上がったのは、
こちらに描かれている「的」のモチーフについて。
今は「愛」というとハートをイメージする方がほとんどかと思いますが、こちらの絵が描かれた年代でも、ハートが愛の象徴だということに驚いたと共に、いつからこういったモチーフが使われているのかとても気になりました。
宮島さんに伺うと、
「想う」という感情には心臓が古代から結び付けられているのだそうです。
「考える」のは頭、「感じる」のは心臓と当時から認識されていたようで、
心臓をハートに近い形で絵画に表現されている初めての例は13世紀まで遡ります。
アモルたちは気持ちを司る心臓を射抜こうとしているので、的にはピンク色のハートが描かれているんですね!
16世紀ごろにはハート=愛となっているし、
男女の愛、キリスト教の神様への愛、信仰心、神から人への愛など、様々な愛がハートで描かれているのだとか。
「アモルの標的」は18世紀の半ばのものですが、
こちらの作品よりかなり前から描かれているんですね。
燃える心臓を持っている姿がよく表現されたイエス・キリスト。
イエスからの人々に対する愛が描かれているハートも作品に現れています。
神戸市立博物館に所蔵されている、「聖フランシスコ・ザビエル像」
(「フランシスコ・ザビエル」と聞くとおそらく一番最初に思い浮かぶあの絵です!
教科書に掲載されているのを見た事がある!という方も多いのではないでしょうか?)
私自身、何度も教科書で見ている作品ではありましたが、
燃えているハートには着目したことがなかったので、今までの世界からばっと視野が広くなったような感覚でした!
キリスト教の文脈だと、ハート=愛という決まりはかなり前からあったようです。
また、私がとても気になったのは、4章ごとに異なる「壁紙の色」です。
入ってすぐの所は「淡いピンク色」、
官能的、情熱的な愛を表現した章では「血のような深い赤」、
センチメンタル・生死にかかわるような愛、悲劇の愛を描いたところでは「濃い青」など、
場面ごとにガラッと印象が変化します。
宮島さんに伺ったところ、壁の色はルーヴルのキュレーターの方々と相談し決定したとのこと。
現在のルーヴル美術館の絵画部長さんが、コレクションギャラリーの壁紙の色を何度も変えていて、どういう色にしたら一番絵が引き立つかとても考えている方なんだそうです。
(彼が部長になってから3回くらい変わったんだとか!)
入口やメインで扱われている淡いピンクは、来場者を迎える場所ということもあり、とても華やかに!ピンクが選ばれることは珍しいんだそうですが、「愛」というテーマに沿っていて、とても素敵ですよね。可愛らしく、そしてあたたかい、春の陽気のような雰囲気です。
章によって異なる壁紙は、ルーヴル美術館の常設展で使っている壁の色が使われています。
テーマに沿っていて、かつ絵画の色が綺麗に引き立つよう考えられているからこそ、
グッと世界にのめり込むことができました。
是非それぞれの壁の色、より引き立った絵画をお楽しみくださいね!
魅力的な絵画ばかりですが、その中で、宮島さんがメインにこの絵を!と実際にルーヴル美術館に提案したものが、
ジャン=オノレ・フラゴナール作「かんぬき」。
今回の展覧会の目玉である絵画の1つで、26年ぶりに来日。18世紀後半フランスで描かれました。
かんぬき(いまでいう鍵)に手を伸ばす男性、そこに抵抗するようにも、うっとり身を任せるようにみも見える女性、そして少し乱れたベッドで構成される作品です。(是非現地で見てみてください!)
「かんぬき」をどうしてもと思った訳は、
現世の人間の恋はさかんに描かれる中でも特別な、他になかなか例のない表現だからだそう。
この作品が描かれたのは1777~1778年。約10年後にフランス革命がおこります。
男女の優雅で快楽を追求した、官能的な愛を描くことが批判されるようになってきた時代です。(この時からもそういった雰囲気はすでに広がり始めていました)
18世紀フランスのエロティックで官能的な愛を描けた「最後の作品」であり。
「時代が移り変わる時を代表する愛の作品」そして「フラゴナール自身の代表作」でもありました。
「かんぬき」は見る人、一人ひとりによって捉え方が異なる作品です。
宮島さんも「なかなか説明しづらい作品」と仰る「かんぬき」の奥深さを感じてみてください。誰かと「作品を見て自分はどう捉えたか」話してみても面白いかもしれません。
もちろんすべての作品に想いがある上で、
宮島さんが「かんぬき」のほかに注目されている作品もご紹介します。
4章で描かれている男性同士の愛、
1821年クロード=マリー・ドュビュッフによって描かれた「アポロンとキュパリッソス」
失意のキュパリッソスの頭を屈みこんだアポロンが優しく支えています。
2人は美しく、子供と大人の境目のような儚い雰囲気を纏っていますね。
この作品が注目されるようになったのは最近なんだそう。
男性の体の線が細く描かれているものも、1790~1820年代くらいまでのフランス絵画の特徴で、こちらの作品にははっきり表れています。
「このような特徴は1990年代後半に指摘されたものでなので
新しい研究の流れをきちんと紹介できたらと思っています。
20年、30年前にこういった“展覧会をしようとしたら選ばれていなかった作品”を
見てもらえるのは日本ではあまりない機会ですね。」と宮島さんは仰っていました。
ポスターにもなっている作品、1798年にフランソワ・ジェラールによって描かれた
「アモルとプシュケ」は「愛」というテーマが分かりやすく伝わるので、
一番最初からルーヴル美術館にお願いしていたんだとか。
青年の姿をした愛の神アモルが、人間の王女であるプシュケの額にキスをしています。
私たちが想像するアモルは赤子のような見た目がほとんどかと思いますが、青年のすがたの恋のキューピット自身が、人間に恋をしてしまう、という姿はなんてロマンティックなんだろう!と、思わずキュンとしてしまいました。
ちなみにこちらの作品もポスターになっています!↓(凝視する前島)
今回は「愛」がテーマですが、
2018年の10月からミーティング、その際に宮島さんもルーヴル美術館へ行かれたそうです。
(ルーヴル美術館では絵画がより高い位置に展示されているそうなので、
間近で味わえる大チャンスなんですって!これは何回も通ってしまう…)
「愛」というテーマはその時から決まっており、そこから出せる作品がだんだん決まってくる、といった流れで展示を進めていったそう。
捉え方が無限にある「愛」がテーマの展覧会ということで、チャレンジングなものだったと、宮島さんは仰っていました。
神話やキリストについて、など分かれる所は明確だけれど、
色々な感性が考えられるので、その中のセクション分けを行って展示。
他に前例がない展覧会なので、お手本がない…
つまり、今後も「愛」というテーマを展覧会を開催するとしたら全く別のものになるかもしれませんね。
ほとんどの展覧会は4,5年前から準備をする、ということもお聞きすると、
挑戦という意味でも様々な方の想いが詰まった展覧会をより一層深く味わいたいと感じました。
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「ルーヴル美術館展 愛を描く」
開催期間は6月12日(月)まで!
開館時間は朝10時から夜18時、金曜土曜は20時までです。
(火曜は閉館日となっています)
女優の満島ひかりさん、声優の森川智之さんがご担当されている音声ガイドを聴きながら回るとより没頭できますので是非♪
お2人のお声、素敵で何度も聞き返しました・・・・
(案内人の満島ひかりさんが歌う展覧会テーマソング「eden/ひかりとだいちlove SOIL&”PIMP”SESSIONS」が制作され、
この楽曲を音声ガイドで聴くことができます♡
満島ひかりさん、三浦大知さんが歌唱!作曲・アレンジは世界的ジャズバンドであるSOIL&”PIMP”SESSIONSが担当されています。作詞も満島さんが担当されたそう!展覧会にマッチした雰囲気の素敵な楽曲も是非お楽しみくださいね✨)
ルーヴル美術館展 愛を描く | 企画展 | 国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO (nact.jp)
あなたも「愛」の絵画について一緒に考えてみませんか?
「ルーヴルには愛がある。」
追伸.
グッズもぜーーーんぶ可愛くて迷ってしまいスタッフをお待たせしてしまいました!すみません?
(スタッフたちもしっかりお買い物していました笑)
宮島さんオススメのハート型の栞も購入♡おそろいだそうです!やった!!
そしてハイパー余談ですが、当日はピアス、リングなどアクセサリーはハート型で揃えて行きました!
その展覧会にマッチする服装やアクセサリーを考えていくのも、楽しみのひとつです♡
「愛」に溢れた素敵な展覧会を全力で味わえてよかったな~~
いよいよ6月12日まで!是非行ってみてくださいね♡
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