あなたは、刀、日本刀にどんな印象を持っていますか?
日本刀の名刀を男性に擬人化したオンラインゲーム「刀剣乱舞」をご存じでしょうか。ゲームに留まらず、ミュージカル、舞台、アニメ、映画と様々な形で大人気です。
さらに、ゲームのモデルとなった本物の日本刀を博物館にまで観に行く方も増えているとか。そんな女性たちを「刀剣女子」と言うそうです。なんか強そう!
そんな中、「岡山県立博物館」で保管されている、国宝の備前刀「太刀無銘一文字」、通称「山鳥毛」が話題になっています。それが、岡山県瀬戸内市による「山鳥毛里帰りプロジェクト」!瀬戸内市で生まれた名刀「山鳥毛」を地元に戻したい!その購入資金などを、ふるさと納税などによる寄付で募って、およそ1年3ヶ月。ついに購入の目標額に到達したそうです。その目標額が何と!
「瀬戸内市」の「山鳥毛」への想いとは一体どのようなものか!?
瀬戸内市教育委員会 社会教育課 課長補佐 若松挙史さんにお話しを伺います。
晴の輔 目標金額達成しました。すごい金額ですよね。
岩松「ありがたいことに、1月26日迄に寄付総額は8億239万円。返礼品費などの諸経費を除いた資金は5億6,838万円となり、太刀5億円と展示ケース1,309万円の購入費からなる目標額を上回りました。」
晴の輔 「山鳥毛」ってどのような刀なのでしょう?
岩松「戦国武将上杉謙信と、後継者である景勝の愛刀になります。」
晴の輔 「山鳥毛」の名前はどこから来ているのでしょう。
岩松「刀の『刃文』というのがあるのですけど、それが変化に富んで、非常に激しい『山鳥の羽』の模様であるとか、山が燃えたときの『炎のゆらぎ』みたいに見えるというところから、『山鳥毛』という名前が付いたと言われております。」
晴の輔 パッと名前を見た瞬間に、「毛」という文字が入っていたので、刀に産毛でも生えているのかな?(笑)と思ってしまいました。
岩松「(笑)この刀を作ったのが、瀬戸内市長船町福岡に拠点を置いて、鎌倉時代初期から活躍していた『一文字派』と呼ばれる人たちが作ったというものなのです。」
晴の輔 あれ?聞くところによると、今は岡山市にあるのでしたっけ?
岩松「そうです。『岡山県立博物館』に寄託されています。岡山県内にお住まいの方の個人所有物もので、その方が買っていただきたいとのご意思がありました。瀬戸内市が購入しないと、『また売却されてしまう』『展示はされない』ということが想定されます。」
晴の輔 守らないといけない。
岩松「そうですね、岡山県の宝、地域の宝として、正しく保存してまいります。」
晴の輔 「山鳥毛」が戻ってきたら、どこで保存されるのでしょう。
岩松「『備前長船刀剣博物館』という刀専門の博物館があります。購入しましたら、そこで皆さんに見ていただきたいと思います。」
晴の輔 町も変わるのではないですか。
岩松「それを目当てに観光に来られる方もいらっしゃるだろうし、『山鳥毛』を目指して頑張っていらっしゃる『刀匠』の方も非常に多いです。長船では一時期一人ということもありました。」
岩松「戦後、日本刀が不必要になり、作ることが禁止されたことが大きいです。ですから、職人の育成や、伝統技術の継承・発展にも貢献すると思います。」
晴の輔 多くの寄付が集まるのは、刀に興味ある方が大勢いる。
岩松「『文化的な継承』に共感していただいた方はもちろんのこと、寄付者の分布状況を見ますと『若い女性』が結構な割合でいらっしゃいます。昨年のクリスマス頃に、『刀剣乱舞』というゲームキャラクターに『山鳥毛』が登場してSNSで大騒ぎになり、寄付の上積みとなりました。」
晴の輔 あとは戻ってくるのみ。
岩松「(笑)」
「どっちだ!?晴の輔」
毎週スタッフから二者択一のお題が出ます。私がそれを選ぶというコーナーです。
「晴の輔さんがこれから日本刀の世界を楽しむなら?・・・まずは、岡山へ『山鳥毛』を観に行く それとも オンラインゲーム『刀剣乱舞』をやり始める どっちだ!?晴の輔」
うン、「刀剣乱舞」は今、話題ですからね。でも本物の「山鳥毛」を見てから始めたら、より楽しめるかも。
決めました!
「まずは、岡山へ『山鳥毛』を観に行く」
うーん、色々な刀剣を見てみたい。「備前長船刀剣博物館」…行く!で、せっかくの岡山だから、その足で温泉、「奥津温泉」に行っちゃう!
今日は、「岡山県瀬戸内市に国宝の日本刀が里帰り!?」というトピックスでお届けしました。日本刀って、その昔は武器・権威の象徴だったでしょ?今は完全に芸術品なのですね。「生で見ると凄いオーラを放っている」と、若松さんがおっしゃっていました。うーん、見たい!
そんな「瀬戸内市の『山鳥毛里帰りプロジェクト』」に
それでは、次回もお会いしましょう!立川晴の輔でした。
-WEB版こぼれ話し1-
晴の輔 「山鳥毛」は上杉謙信が使っていたのですか?
岩松「そうですね、『持っていた』という方が正確ですね。と言いますのは、刀は戦国の世であっても、高価なものなのです。フォーマルな所に持っていく刀と、戦に持って行く刀は、どうも使い分けていたらしいのです。」
晴の輔 でも間違いなく「上杉謙信」が持っていた。
岩松「『上杉家』の文書に『大切なお刀三十五振り』と書いてありますが、その中の一つに『山鳥毛』が出てくるのです。」
晴の輔 瀬戸内市自体が「刀剣の街」なのですよね。
岩松「『備前長船町』がある『長船地域』では歴史を語る上で『刀』は欠かせないものになっています。」
晴の輔 僕は落語家なので、「備前長船則光」というセリフをいうのです。「備前長船」は刀を作る流派、拠点にしていた場所ですよね。
岩松「はい『長船派』が盛況になる前に『一文字派』が栄えていました。日本の中でも、ここでは『111振り』あるのですけど、その中の『47振り』約半数に近い数が『備前刀』なのです。ですから日本一の質と量を誇っているのです。」
晴の輔 備前がシェアNo.1なのですね。
岩松「はい、『刀剣王国』と銘打っても恥ずかしくないものです。」
-WEB版こぼれ話し2-
晴の輔 「刀剣乱舞」というオンラインゲームから始まって、ミュージカルや舞台も流行っています。刀に興味を持つ方は、どちらかというと歴史好きな「おじさん」とかかな?と思うのですが、女子が食い付いてくるのですからね。
岩松「前は、博物館に行くと大体『ご年配』の男性が見ていて、一緒にきたお子様は、外の売店でソフトクリームなめている(笑)」
晴の輔 (笑)すごく想像できます。
岩松「今は、20代30代の『若い女性』がお一人で来られて、一日中見られているのが珍しくないほどです。」
晴の輔 食い入るように見ているのでしょうね。今来ているのではないですか?
岩松「『波』が来ています!」
晴の輔 「山鳥毛」が戻ってくるのを待つのみ。
岩松「はい、『行政手続き』というものがありますので(笑)、今後は議会に『買っていいですか?』とお尋ねして『買っていいよ』と議決していただければ、無事に買うことができます。」
晴の輔 あともうちょっとで「山頂にたどり着く」状態。
岩松「(笑)でもその『山頂にたどり着いて』からが、また大切になってまいります。プロジェクトの一環として博物館で一週間程度、刀を並べさせていただいたところ、一時間半待ちの『長蛇の列』ができました。」
晴の輔 惹かれるものがあるのでしょうね。
岩松「『地元のおばちゃん』が『わたしは初めて見たけど、他のもんと違うわ~』と力説していたので、いいものとは『いいオーラ』を放つのですよ。」
晴の輔 生で見たら感じるのでしょうね。
岩松「感じますので、是非とも本物を見ていただきたいです。岡山駅で赤穂線に乗り換えて30分で『備前長船刀剣博物館』がある長船駅に着きます。」
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