今月11日、東日本大震災から10年を迎えました。

地球規模で考えると、10年は瞬く間ではありますが、私たちにとっては、さらに子どもたちにとっては、成長著しい歳月です。今回お話しをうかがったのは、この10年間の活動が評価され、復興庁の2020年度「新しい東北」復興・創生顕彰に選ばれたNPO法人「まんまるママいわて」の代表理事・佐藤美代子さんです。岩手県花巻市を拠点に活動していらっしゃいます。

「まんまるママいわて」の活動は、「東日本大震災で津波の被害に遭い花巻市に避難していた母子の不自由な暮らしぶりを目の当たりにしたこと」をキッカケに始まりました。当初は、公民館などにある和室を借り、被災したお母さんと赤ちゃんが、自由にお茶を飲んだりお菓子を食べたりしながら育児の相談が出来るような「子育てサロン」を開設されました。ここでママ友が出来た方もいらっしゃるそうです。

現在では、市からの委託を受けながら、産婦人科の少ない地域での活動を充実させることにも力を注いでいらっしゃいます。

また、サロンから一歩進んで、「産前産後ケアハウス」を作られました。この取り組みは、2時間のサロンでは解決しない問題への対応として、朝9時から夕方4時までお母さんと赤ちゃんに滞在してもらうことで、温かいご飯を食べ、助産師の母乳ケアを受けたり布団で休む時間を持つ、といった個別ケアが出来るようになっているそうです。

コロナ禍の今、「岩手県内の感染者数は少ないのですが、外出が出来ず、育児の相談をすることも適わない日々に、産後鬱が増えていると感じます」と、状況が深刻であることを教えていただきました。

そして、今後の目標として「これからもっと活動拠点を増やし、赤ちゃんを産んだら頼ってもいいんだよ、一人で抱えなくてもいいんだよ、ということが当たり前になる岩手県を目指したい！」と力強く語ってくださいました。

お母さん、お子さんたちの笑顔の毎日を心から願います。