スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2025.01.10

2025年1月6日週 テーマ「ゲン担ぎ」

“心理的な安心感をもたらすもの”、『ゲン担ぎ』についてです。

■今週(1/6~1/10)のテーマ:『ゲン担ぎ』

 

1/6(月) 『ゲン担ぎとは』 

『ゲン担ぎ』とは、『良い結果になることを願う行動』のことです。

この『ゲン担ぎ』の『ゲン』ですが、仏教用語で“仏教の修行を積んだ後に得られる効果や効き目”のことです。

漢字で“体験”や“経験”の『験』と書きます。

 

このように“仏教の修行を積んだ後に得られるもの”なので、とても縁起が良いということで、

この『験』という言葉は『縁起』という意味でも使われるようになりました。

そして“縁起を担ぐ”が、ゲン担ぎの語源といわれています。

 

そうなると“縁起”が“ゲン”になった理由ですが、

これは江戸時代に庶民の間で流行した、『逆さ言葉』によるものと考えられています。

逆さ言葉とは“言葉あそび”の一種で、『倒語(とうご)』ともいいます。

例えば、『話のネタ』という言葉がありますが、『ネタ』とは『種(たね)』の『逆さ言葉』だそうです。

 

そして『ゲン担ぎ』という言葉も、この逆さ言葉から生まれたものといわれています。

『縁起』が『ぎえん』になって、さらに『ぎえん』が『げん』に変化していって、

最終的に『ゲン担ぎ』になったのだそうです。

 

この逆さ言葉ですが、現代では『業界用語』とも呼ばれていて、

例えば『お寿司』のことを『シースー』、『銀座』のことを『ざぎん』、

『ハワイ』のことを『ワイハ』などといことがあります。

 

【感想】

業界用語は逆さ用語、多いですネ。

今使っている方はあまりお見かけしませんが、

『六本木』のことは『ギロッポン』って言ってる人もいましたよネ。

“縁起を担ぐ”と“ゲン担ぎ”は、同じ意味なんですネ。

“ゲン担ぎ”とか“縁起を担ぐ”というと、アスリートの方を思い出すんですけど、

よく“右足からシューズを履く”とか“紐を結ぶ”とか、何かそれぞれ皆さん、持ってらっしゃいますよネ。

 

1/7(火)   『ゲン担ぎの豆知識①』

これから本格的に受験シーズンを迎えますが、“受験のゲン担ぎに食べる物”というのが、いくつもあります。

例えば、定番なのが『トンカツ』や『カツ丼』。

“カツ(勝つ)”の語呂合わせで、“受験に勝つ”です。

 

『おむすび』。“努力が実を結ぶ”、“良い縁が結ばれる”という思いからです。

 

『納豆やオクラなどのネバネバの物』

“ネバネバ”を“Never give up!”に掛けたのと、“粘り強く合格をつかむ”という思いからです。

 

『ウインナー』。

発音が英語の『winner(ウイナー・勝利者)』に似ていることからです。

 

そして、受験シーズンに人気のお菓子が『ネスレ日本』さんの『キットカット』です。

この商品名が、“きっと勝つよ”を意味する九州の方言、『きっと勝つとぉ』と似ていることから、

1990年代後半から九州を中心に“受験生のお守り”として広まっていったそうです。

 

食べ物以外にも、『試験の時、五円玉を身につける』。

こちらは『五円』が『ご縁』につながるからです。

 

他にも、日頃の受験勉強の時、『机にタコのものを置いておく』。

『タコ』は英語で『octopus(オクトパス)』ですが、“置くとパスする・合格する”につながるそうです。

 

【感想】

おもしろい(笑)

タコ、オクトパス、“置くとパス”は初耳でしたし、“きっと勝つとぉ”と、さすが九州、おもしろいですネ。

カツ丼ってイイですよネ。

私もドラマの差し入れに、カツサンドを入れることがあって、

“一生懸命みんなで頑張って制作したドラマが、視聴率で勝ってほしい“って願いを込めました。

受験生たち、きっと勝つとぉ。頑張ってくださいネ。

 

1/8(水)  『ゲン担ぎの豆知識②』

日本では古くから、“言葉にも霊魂が宿っている”といわれています。

『言霊(ことだま)』という言葉があるように、“言葉には不思議な力がある”と信じられています。

 

その際、“縁起の良い言葉”を発すれば“良いこと”が、

逆に“不吉なことを連想させる言葉”、『忌(い)み言葉』を発すると、

“良くないこと・悪いこと”が起こるといわれています。

 

そのため、本来の言葉とは違う言葉を使っているケースが日常ではよく見られるそうなんですネ。

例えば、結婚式や宴会などが終わる際に使う言葉『お開き』。

これは“終わる”という言葉が『忌み言葉』なので、それに代わって

縁起が良い『開く』という言葉が使われるようになったそうです。

 

他にも“イカの内臓を取り除いて干したもの”のことを『スルメ』っていいますよネ。

ところが、この『する』という言葉が、“賭け事でお金を無くす”という意味の『する』や、

“財布やお金を盗む”という意味の『する』をイメージさせて“縁起が悪い”ということで、

ゲンを担いで別の呼び名が誕生しました。

それが『する』を縁起の良い『当たり』に変えた、『あたりめ』です。

 

同じように、ゴマなどの食材をすりつぶすことを『あたる』。

その際に使う『すり鉢』も、『当たり鉢』と呼ぶようになったそうです。

 

【感想】

そういうことだったんですネ。

『スルメ』を『あたりめ』、『終わること』を『お開き』、センス良いですよネ。

聞いていて悪い感じがしないんですもんネ。

言霊って確かにあって、なるべく良い気持ちになれる言葉を使うとイイなぁと、

私も思うんですが、このようにちょっと良くないことがあっても、

良い言葉に変えていくと、人生や方向がイイ方向に行きそうな気がしますよネ。

 

1/9(木)  『ゲン担ぎの豆知識③』

『ゲン担ぎ』と似たような意味で使われている言葉に『おまじない』があります。

でもこの2つは違うもので、『ゲン担ぎ』が“良い物事との縁を起こすための日々の行動”であるのに対して、

『おまじない』は“神様や仏様のお力を頼ること”です。

 

ゲン担ぎの場合、過去の経験から、“この行動をすれば良い結果が出る!”と信じる気持ちが根底にあります。

それに対して、おまじないは“願掛け”です。

このように、ゲン担ぎとおまじないでは、“行動”と“念ずる”の違いがあるそうです。

 

他にも似たような意味で使われる言葉に、『ルーティン』があります。

『ルーティーン』、『ルーチン』ともいいます。

『決まっている手順』ですとか、『お決まりの所作』、『日課』といった意味があります。

 

ゲン担ぎとルーティンは、“同じ行動をくり返す”という点では共通していても、

まったく違うものなんだそうですネ。

ゲン担ぎの場合、“過去の経験”に基づいたものです。

そのため時には同じことをやっても、同じ結果が出ないことがあります。

 

それに対してルーティンは、同じことをくり返すことで、

体調や心の変化に気づいて、修正することができます。

それによって、常に安定した結果を導くことができるそうです。

 

【感想】

私は“朝、ラジオ体操とお掃除をしてから朝ごはん”というルーティンがありますが、

これは1日を気分良く過ごすためのもので、ゲン担ぎではないんですネ。

またゲン担ぎは、“ちちんぷいぷい”みたいなおまじないとも違って、過去の経験の成功体験があってのこと。

でも、どれも幸せになりたい気持ちの表れなんだなぁっていうふうに思います。

 

1/10(金)  『ゲン担ぎの雑学』

宝くじを買われる時、ゲン担ぎをします!という方、いらっしゃるかと思います。

そんな中、2023年度の『宝くじ長者白書』によりますと、

『1000万円以上の当せん金』を受け取りに来られた高額当せん者の方々を対象に、アンケートしたところ、

当せんした宝くじを購入する際に、何らかのゲン担ぎをした方は8割以上もいたそうです。

 

具体例として最も多かったのは、『良い事があった時に買いました』と『お参りに行きました』で、全体の13%でした。

ちなみに、過去5年のアンケートを見ても、『良い事があった時に買いました』と答えた方が最も多いそうです。

そして2023年度の場合、3番目に多かったのは、『トイレやお部屋の掃除』で10%、

続いて、『開運グッズを買いました』で7%でした。

 

また“宝くじを買った売り場”ですが、最も多かったのは『いつも買っている売り場』で46%でした。

そして“買ってから抽せん日までの保管場所”ですが、最も多かったのは『神棚や仏壇』で29%。

その次が『机の引き出し』で27%でした。

こうした結果を見ますと、皆さん、それぞれ何かしらのゲン担ぎをされているのが分かりますよネ。

 

【感想】

ゲンを担いだ人すべてが当選するわけじゃないけれど、

当選した人のほとんどがゲンを担いでいる・・・。これ貴重な結果ですネ。

良いことがあった時にお掃除をして、神社にお参りに行って、

宝くじを買ったら最高なのではないでしょうか。

せっかくだからゲンを担いで、愉快に生きていきたいものです。

 

【今週の感想】

昨年12/23の週が『名前に幸せを呼ぶ“福”が付くもの』。

同じく12/30の週が『縁起物』。

そして今週が『ゲン担ぎ』と、年末年始にあたり、

皆さまと一緒に少しでも心が豊かになるテーマでお送りさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

よく“気持ち次第”とか“心の持ちようひとつ”とか言いますが、

“名前に福が付くもの”や“縁起物”を身に付けたり、家に置いたり、

そして“ゲン担ぎ”することで、気持ちがポジティブになるなら、信じてみる価値は十分にありますよネ。

特に受験生の皆さまや、受験生のお子さんをお持ちの皆さまは、

この時期、何かしらゲン担ぎをされることもあるかと思いますが、

どうか『合格』という春の便りが届きますことを願うばかりです。

 

【お知らせ① 次週(1/13~)からのテーマ】

特に寒い時期に食べたくなる“アツアツの食べもの”の中から『グラタンとドリア』についてです。

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング  ♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング  ♪To Be  /  モントルー

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/