スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2024.01.19

2024年1月15日(月)テーマ「お粥」

朝食の時、いただく方もいらっしゃるのでは?『お粥』についてです。

 

■今週(1/15~1/19)のテーマ:『お粥』

 

1/15(月) 『お粥とは』

お粥はお米を水の分量を多くして、柔らかく煮たものです。 

お米以外にも麦や粟、ソバなどの穀類、さらに豆類や芋類などを、

多めの水で柔らかくなるまで煮込んだ料理のことも、『お粥』といいます。

関西では『おかいさん』とも呼ばれています。

 

“お米のお粥”の場合、“生のお米からのもの”と“お米を炊いたあとのご飯からのもの”の2つがあります。

“生のお米からのもの”は『炊き粥』、“ご飯からのもの”は『入れ粥』といいます。

 

お粥と同じように“ご飯を煮込んだ料理”に、『雑炊』と『おじや』があります。

どちらもお粥の一種で、“出汁や具材と一緒にコトコト煮込んだもの“ですが、ここには微妙に違いがあるんですネ。

 

基本的に『雑炊』は、炊いたご飯をお水で洗って、表面のぬめりを取ってから煮込みます。

そうすることでサラッとした仕上がりになり、ご飯に味が染み込みやすくなるそうです。

それに対して『おじや』は、炊いたご飯を洗わずに、そのまま煮込んで作ります。

ちなみに『リゾット』は、炊いていない生のお米をオリーブオイルやバターなどで炒めてから、

白ワインや出汁、スープで炊いたイタリア料理となっています。

 

【感想】

お粥、雑炊、おじやの違いが分かって、スッキリしましたネ。

朝粥って最高です。

旅館の朝ごはんにあると嬉しいなぁと思います。

起き抜けの、まだちゃんと目覚めていないお腹に、やさしく染み込んでホントにイイですよネ。

でも、なぜかおウチでは、具合が悪い時しか、お粥って炊かないもんだなぁ・・・と思います。

お粥を食べてお腹をあっためて、やさしくしてあげましょうネ。

 

1/16(火)   『お粥の種類』

ひとクチに“お粥”といっても、お水の加減によって呼び名が変わります。

例えば、お米の割合が『1』に対して、お水の割合が『5』のお粥のことは、『全粥』といいます。

一般的に“お粥”とは、“全粥”のことを指しています。

“お米そのものの美味しさ”を味わえるお粥です。

 

それに対して、お米とお水の割合が『1:7』のお粥のことを『七分粥』。

割合が『1:10』のお粥のことを、『五分粥』。

そして割合が『1:20』のお粥のことは、『三分粥』と呼びます。

 

『五分粥』と『三分粥』は、それぞれお水の割合から『十倍粥』、『二十倍粥』、

または『二十粥』とも呼ばれています。

 

『十倍粥』が『五分粥』、『二十倍粥』が『三分粥』と呼ばれている理由なんですが、

これはそれぞれ作った時にできる“お粥の上澄み液”、『重湯』に由来しているそうなんです。

 

『五分粥』の場合、出来上がりは、お粥と重湯の割合が『5:5』になることから、『五分粥』。

『三分粥』の場合、その割合が『3:7』で、お粥が『3』になることから、『三分粥』と呼ばれるようになったそうです。

 

【感想】

私、お粥って案外、適当な水塩梅で作っていましたけど、

1:10、3:7の割合で呼び名が変わってくるってこと、初めて知りました。

重湯っていうのも出てきましたねぇ。

子どもの頃、お腹を壊すと飲まされたんですけども、子どもにとってはあんまり美味しいものではなくて、

重湯とかお粥とかを食べないで暮らす健康が一番だなぁ・・・と痛感する瞬間でした。 

・・・今は好きですけどネ。

 

1/17(水)  『お粥の豆知識』

日本のお粥の歴史はとても古く、中国からお米が伝わってきたのと同じ頃、紀元前1世紀頃といわれています。

当時のお米の調理法は、“蒸す”または“煮る”のどちらかで、“蒸したもの”が現在の『おこわ』に、

“煮たもの”が『お粥』になったと考えられています。

 

でも当時のお粥は固めに炊かれていて、現在でいう“ご飯”だったといわれています。

その後、奈良時代になると現在の奈良県を中心に、お米をほうじ茶やお番茶などで炊いた『茶粥』などが登場し、

これが西日本の他の地域にも広がっていきました。

 

さらに平安時代後半になると、現在と同じようなお粥が定着し、

『ひめがゆ』、『しるがゆ』という名前で登場しているそうです。

 

ちなみに“お粥を食べる習慣”があるのは、日本だけではありません。

例えば、お米を主食としている韓国や中国、タイといったアジアの国々やアフリカなどでも、

お粥が食べられています。

 

特に中国は3000年以上前から、お粥を食べてきたという歴史があるそうなんですネ。

中国のお粥は鶏ガラなどのスープを使って、お肉や魚介類を加えて炊きます。

そのためお米は、出汁の旨みをたっぷりと吸い込んで、しっかりとした味付けになっています。

 

【感想】

日本のシンプルなお粥も美味しいけど、中華粥も美味しいですよネ。

昔、台湾で映画を撮影していた時、朝からお粥屋さんがたくさん開いていて、結構な人が利用している姿を見ていました。

朝粥が定着している文化だったんですよネ。

起き抜けに朝粥って、ホントに身体にイイんですよネ。

 

1/18(木)  『お粥の効果』

お粥は普通に炊いたご飯よりも消化が早いため、栄養の吸収が良いのが特徴です。

その分、内臓への負担も小さいです。

 

またお粥には、“体を温める効果”があります。

人間の身体は体温を上げることによって、免疫力を高めることができますので、寒い冬にいただくのはとても効果的です。

またお粥を食べると、水分をゆっくり体に染みこませることができますので、

特に病気などで体が弱っている時に、最適な食べものとされています。

 

その一方で、“カロリーが少ない”というデメリットがあります。

同じお米の量でも、ご飯と比べると『全粥』は半分以下、『五分粥』で1/5以下といわれています。

さらに栄養素が、基本的に炭水化物しか含まれていませんので、他の食材で補う必要があります。

その中でも特に免疫力を高めて、風邪を治すパワーの素となる『アミノ酸』が豊富な『卵』は、オススメだそうです。

 

またお粥は柔らかくて、サラサラ食べることができるので、ついつい噛まずに、飲み込んでしまうことが多いそうです。

いくら消化に良くても、噛まずに飲み込んでしまうと、消化不良を起こす可能性があるそうです。

特に飲み込む力が弱っているお年寄りの場合、いただく時に注意が必要です。

 

【感想】

確かに“お粥をしっかり噛む”って難しいですよネ。

私も2、3回噛んだら飲んじゃっているかもしれない・・・(苦笑)。

お腹にはやさしいけど、栄養が摂れないのは、やっぱり工夫しないといけませんネ。

卵以外にも鯛味噌とか昆布とか、明太子とか梅干しとか、ご飯のお供が必ず必要ですネ。

 

1/19(金)  『お粥と行事食』

お粥は行事の際にいただく“行事食”でもあります。

例えば1月7日にいただく『七草粥』です。

1年に5つある“節句”のひとつで、『人日(じんじつ)の節句』の行事食です。

 

この日に“邪気を払う”とされている 『セリ』、『ナズナ』、『ゴギョウ』、『ハコベラ』、『ホトケノザ』、『スズナ』、『スズシロ』の

七草を入れたお粥をいただくことで、1年の無病息災を祈るようになったといわれています。

 

また1月15日の『小正月』に『小豆粥』を炊いて、

その年の農作物の収穫を占う行事が、各地で行われていたことから、この日に『小豆粥』をいただく風習もあります。

 

さらに旧暦の8月1日、『八朔(はっさく)』と呼ばれる日に、お粥をいただく風習があります。

『八朔』は現在の9月上旬にあたります。

“農産物の収穫前の時期”ということで、田の神様に豊作を祈願する大切な日です。

 

この『八朔』のお祝いに“厄病除けに効果がある”といわれていた、

ススキの穂の黒焼きを入れた『尾花粥(おばながゆ)』をいただく風習がありました。

これが江戸時代になると、黒ごまを黒いススキに見立てた『黒ごま粥』になり、現在も続いているそうです。

 

【感想】

尾花粥っていうのは、ちょっと存じませんでしたけど、あるんですネ。

お正月に食べ過ぎた胃を休めるため・・・ともいわれている七草粥。

小正月の小豆粥。

私の祖母はお砂糖をかけて食べてたんですよネ。

いろんな意味があって、お粥って食べられてきたんですネ。

 

【今週の感想】

1/20は『大寒』ですが、寒さがより一層厳しくなる中、

お粥の温かさって、本当に身体に染みますよネ。

お粥って、“体調が良くない時に食べるもの”というイメージが強いかと思いますが、

お腹のことを考えて定期的に食生活の中に取り入れていきたいな・・・と思いました。

温かいお粥を食べて、寒さを乗り切っていきましょうネ。

 

追伸

能登半島地震で被害に遭われました皆様には、改めて心よりお見舞い申し上げます。

未だに余震が続いていて、不安な日々が続いているかと思います。

どうか1日も早く、平穏な日常に戻られることを、心よりお祈り申し上げます。

 

【お知らせ① 次週(1/22~)からのテーマ】

私たちが普段、耳や目にする言葉の中には“演劇用語”と呼ばれているものもあります。

そこで『映画や舞台で使われる言葉』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/