スズキ・ハッピーモーニング 羽田美智子のいってらっしゃい

2020.06.26

2020年6月22日(月)~

子どもの頃、学校での楽しみな時間の1つ、『給食』についてです。

 

■今週(6/22~6/26)のテーマ:『給食』

 

6/22(月)  『給食の歴史』

 

学校給食の歴史は古くて、1889年(明治22年)のことです。

現在の山形県鶴岡市の小学校で、経済的に恵まれない児童を対象に、

お昼ごはんを無料で提供しました。

その時のメニューは『おにぎり』と『焼き魚』、『漬物』でした。

これが給食の始まりとされています。

 

その後、1923年(大正12年)には、

児童の栄養を改善する方法として、

国が学校の給食を勧めるようになりました。

 

ところが昭和に入り、戦争の色が濃くなるにつれて、給食は中止に。

再開されたのは終戦の翌年、1946年(昭和21年)12月24日です。

東京、神奈川、千葉で戦後初めての学校給食が作られて、

記念すべき日となりました。

 

1950年にはアメリカから小麦粉が送られてきたことで、

『パン』に『ミルク』、『おかず』という組み合わせの

『完全給食』が始まりました。

 

1954年には『学校給食法』という法律が出来たことで、

給食は”教育”としても考えられるようになります。

 

現在、新型コロナウイルスの影響で

学校給食を食べる機会も少なくなり、

給食のスタイルも距離を取って食べるなど、

変わってきていると聞きます。

なかなか以前と同じようにはいかないと思います。

1日でも早く、以前と同じように楽しい

給食ができることを願っています。

 

 

6/23(火)  『給食の牛乳』

 

1950年(昭和25年)、『パン』に『ミルク』、『おかず』という

組み合わせの『完全給食』が始まりました。

この時のミルクとは牛乳ではなくて、

『脱脂粉乳(だっしふんにゅう)』のことをいいます。

 

脱脂粉乳とは牛乳の脂肪分を除いたあと、

乾燥させて粉にしたもので、『スキムミルク』として、

現在も販売されています。

それをお湯で溶いたものが、牛乳の代わりに出されていました。

 

脱脂粉乳は牛乳から水分を除いて乾燥させていますので、

長期の保存が可能になります。

さらに牛乳の栄養分がギュッ!と濃縮されているので、

牛乳よりも栄養価が高いとされています。

 

そのままなめると、ほのかに甘く感じる美味しさがあるそうですが、

問題は味です。

見た目は牛乳のようでも、脂肪分がほとんどないので、

苦手なお子さん達も多かったそうです。

 

そんな脱脂粉乳ですが、1965年には

牛乳への切り替えが始まりました。

 

私はそのあとに生まれたので、脱脂粉乳のことは

先輩から聞いただけですが、やはり皆さん、

”あまり美味しくなかった”というような感想をおっしゃっていたのを

覚えています。

 

そんな給食の牛乳ですが、最初は『ビンに入った牛乳』でしたが、

その後、『紙パック入りの牛乳』が登場します。

    

私は『給食の牛乳』と聞くと、『三角パックの牛乳』を思い出します。

月に2回くらい、それがコーヒー牛乳に変わるんですが、

あの三角の形をした牛乳、本当に懐かしく、

今も飲みたいな・・・と思ってしまいます。

 

 

6/24(水)  『ミルメーク』

 

『ミルメーク』とは、名古屋にあります『大島食品工業』の商品で

牛乳をより美味しく飲むための『粉末のコーヒー牛乳の素』です。

 

昭和40年代の初めの頃、栃木県の学校給食会から

『給食の牛乳を子ども達が残さないように、

美味しく飲める方法はないでしょうか?』と相談されました。

すぐに開発を始めましたが、思うようにはいかなかったそうです。

 

そんなある日、社員の方のお子さんがコーヒー牛乳を

買ってきたそうです。

それにヒントを得て、牛乳にインスタントコーヒー、

さらに栄養分をプラスするために、

カルシウムを入れて飲んだところ、とても美味しかったそうです。

 

こうして1967年(昭和42年)に発売されたのが初代『ミルメーク』です。

それ以来、日本全国の小学校・中学校の給食で提供されて、

すっかり子供たちの人気者になりました。

 

その後、イチゴやココアなど、いろいろな味が登場しました。

また、牛乳がビンからパックに変わったのに合わせて、

『チューブタイプのミルメーク』も作られました。

 

そんな『ミルメーク』ですが、実はおひざ元でもある

名古屋の学校には提供されていなくて、去年からようやく試験的に

出されるようになったそうです。 

『ミルメーク』、本当に懐かしい子供たちの人気者ですネ。

 

私が子供の頃、牛乳がちょっと苦手で、

牛乳が大好きな子に飲んでもらって、

代わりにその子が苦手なニンジンを私が食べていました。

そこで友情が芽生える・・・という懐かしい思い出です。

イイ思い出がたくさんあります。

以前のような給食風景に早く戻れますように・・・

 

 

6/25(木)  『ソフトめん』

 

”今週は『給食』をテーマしましょう”と、番組スタッフと決めた時、

”一番思い出に残っているのは何ですか?”と聞かれて

私が答えたのが『ソフトめん』でした。

 

そもそも『ソフトめん』って何かといいますと、

1960年(昭和35年)に

”学校の給食用に開発された麺”のことなんです。

正式な名前がありまして、『ソフトスパゲッティ式めん』といいます。

『スパうどん』とも呼ばれているそうです。

 

給食の時、牛乳が一緒に出ますよネ。

ところが同じ麺でも『中華麺』や『うどん』のように

”汁がある麺”は牛乳には合わない・・・ということが分かりました。

そこで”牛乳との相性”を考えて作られたのが、

『ソフトめん』なんだそうです。

 

『ソフトめん』の材料は『強力粉』と『塩』と『水』です。

他の麺と違って”ゆでても伸びにくい製法”でつくられています。

モチモチした食感が特徴で、カレーにもミートソースにも

どんなソースにも相性がとてもイイです。

 

そんな『ソフトめん』ですが、東京都が最初に給食に採用して、

それから各地に広がっていきました。

ところが地域によっては給食に出たことがない学校や、

存在さえも知らない所もあるそうです。

 

私の地域では『ソフトめん』が大人気でしたが、

無い地域もあるんですネ。

私の学校で『ソフトめん』と相性が良かったのは、

何と言ってもカレーでした。

私の学校のカレーには、うずらの卵が入っていたんですけど、

皆さんの学校ではどうでしたか?

 

私はその卵が本当に大好きで、

なんとも可愛い卵が1個、ポンと入っていて大好きでした。

ちょっと甘めのカレーでした。

懐かしいですネ。

 

 

6/26(金)  『揚げパン』

 

『揚げパン』はコッペパンを油で揚げて、砂糖をまぶしたパンです。

きな粉をまぶす所もあります。

 

揚げパンは1954年(昭和29年)、

東京都大田区の小学校から誕生しました。

ある時、インフルエンザで学校をお休みする生徒さんが多くて、

給食用のコッペパンが数多く残ってしまったそうです。

 

コッペパンは乾燥しやすいため、固くなってしまいます。

そこで給食担当の調理師さんが乾燥しないように

”パンを油で揚げる”というアイデアを思いつきました。

さらに揚げたあと、砂糖をまぶすことで、

パンの表面の乾燥を防ぐことが出来ました。

 

この当時、子ども達にとって給食のパンは

貴重な栄養源でもありました。

そのため学校をお休みした生徒のために、

お友達が家までパンを届けていました。

 

”学校をお休みした子にも、美味しいパンを届けてあげたい”

そんな思いから揚げパンは生まれたのだそうです。

 

この揚げパンですが、地域によっては提供されなかった学校も

あるそうなので、馴染みのない方もいらっしゃるかも知れません。

 

ちなみに私の学校にも揚げパンはありませんでしたが、

こうやって知ると食べたくなりますネ。

 

私の場合、給食は”クラスが皆、にぎやかになる時間”でした。

いつもはおっかない先生も、ニコニコやさしい顔で美味しそうに給食を

食べている・・・

同じモノを同じようにいただくことで、クラスに一体感が生まれるんですよネ。

給食は子供たちにとって楽しみの1つですから、

1日でも早く、以前のような給食ができることを願っています。

 

 

■今週の感想 

 

給食は皆さんにとって、身近で懐かしい思い出ということもあって、

番組宛にいろいろと感想を頂きました。

ありがとうございます。

 

中でも”学校をお休みしたお友達に、給食のパンを家まで届ける”という

お話には、”自分も持って行きました!”といった感想が寄せられました。

病気などで休んだお友達のところに届けることで、

そのお友達の様子を知ることもできました。

給食はお友達との絆でもあるんですネ。

 

番組でもお話しましたが、新型コロナウイルスの影響で

給食が再開しても、以前のような風景に戻るのには

まだまだ時間がかかりそうです。

どうか1日でも早く、楽しくにぎやかな日常の給食風景が

戻りますように・・・

 

 

【お知らせ① 次週(6/29~)からのテーマ】

 

空にかかる大きなアーチ、『虹』についてです。

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be  /  モントルー

 

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パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/