高田文夫のおもひでコロコロ

2023.09.11

第71回『僕とジャニーズとブギウギと』

ごめんごめん。暑さのせいかこの連載書くのを忘れてたわ。
「タカダ 更新されてねーぞ」だの「高田大先生。もう書いてはもらえないのですか」などイチャモン的なヤツが数通。あとはダンマリ。まわって来る回覧板よりも読者数が少ないみたいだ。

私だって「九月場所」にそなえて体調整えなくちゃいけないし「漫才協会」と同じように「日大」も「外部理事」の話をどうにかしなくちゃいけないし、ジャニーズの会見も立ちあわなくちゃいけないし、ビッグモーターへ行ってゴルフボールを回収しなくちゃいけないしと、なにかと忙しいのだ。75歳でこんなに働く奴居ないでしょ。後期高齢者だよ、言っとくけど。高田ジュリー文夫だから。このジュリーは同い年の沢田研二のことだから。藤島サイドではない。

 

このあいだに「ビバリー昼ズ」であった人(ゲスト)は、

 

ヒロシ(8月21日) 
キャンプにあきてバンドを始めた。

 

古田新太(8月25日 録音) 
夜おいしく酒を飲む為、朝食と昼食をやめた。

 

談春と小春志(8月28日) 
この度 真打になった女流噺家。秋は談春&三三(さんざ)で「円朝噺」を各所でやるので忙しい。

 

<この間に宗男ちゃん秘書・ムルアカ死去>

 

柳沢慎吾(9月4日)
11分かけたひとりコント・始球式の話に爆笑

 

水森かおり(9月8日)
北区出身の紅白大歌手。芸人とばかり飲んでいる。あぁ~しらきと飲むが ちっとも盛りあがらなかった。

 

昼はこうして ほぼイカレている連中と会ってトーク(その分、芸は みんなシッカリしている。本家ビバリー“ヒル”ズに遜色ない顔付けである)

 

 

夜は夜で なにかと慌ただしい。
この度「漫才協会」の副会長となったロケット団 三浦と下っ端の倉本(カッパ)。
「ロケット団定例集会 其の110」(亀戸文化センター) 待ってましたのSPゲストが私という訳だ。

 

 

9月2日。また間違えて亀有へ行く。まぎらわしい。ギッチリ埋まった400人。
ただただ私だけを目当てに来ているジジババ。ここの客席には未来が見えない。
この半数は年内に自分の命日を迎えると思う。私の研ぎすまされた香港ギャグにお客様 全員KO。

ロケット団 三浦はキッチリ再婚してやがった。ひっそり引越しまでしてやがった。
ずーーーーっと今まで通り「三ノ輪」に居ろっつーの。

 

 

9月6日は渋谷公会堂。今はLINE CUBEと言う。
「吉幾三オンステージ2023」

 

 

会場への てんやわんやは「週刊ポスト」(9/15発売)に書いたのでよろしく(月刊Hanadaもよろしく)。
時間に余裕をもたせて行きも帰りもまわりを少し歩いたのだが、なつかしい店もまだいくつか。
なにしろ私は渋谷で生まれ、若き日はずっと「NHK」で仕事をし「北野ファンクラブ」は渋谷ビデオスタジオで ずっと撮っていた。あの「のんべえ横丁」は若き日の北島三郎が流しで歩いていた。

終戦後、渋谷の町をヤクザから守った愚連隊(ほとんど大学出のインテリ集団)。「安藤組」・安藤昇の右腕ステゴロ(素手)最強、映画・小説にもなっている花形敬に少年の私は野球で いつもノックをうけていた。我がチームと闘ったのが今 最も話題の初代「ジャニーズ」。あの日ジャニーに声をかけられていたら今頃・・・・・・・・・。
今でもワシントンハイツの横を通ると(現在、代々木公園)トラウマで そっと股間を押えてしまう(ジャニー喜多川はワシントンハイツ。金網のむこうの米国に住んでいた)

 

 

11日にポカスカジャンの大久保(WAHAHA座長)がプロデュースする「夏海姉妹」を連れてくるというがプロフィールは本物か。
1人は元「向島の芸者」、1人は元「ロック座のストリッパー」 夢のような組合せだ。
筒美京平の幻の曲「ホテル砂漠」でデビューだそうな。

 

 

 

若い人もいいがベテランも大切にする私である。お待たせ!! 
ゲスト「私」と発表したら秒で売れた「好楽喜寿記念落語会」。
40席という大きな寄席である(?)。完売なのでくれぐれも来ないで下さい。
9月14日は竹丸・一之輔・私である。

落語通ならおわかりの通り、好楽(圓楽党)、私(立川流)、竹丸(芸術協会)、一之輔(落語協会)という江戸の四派夢の競演である。・・・・・・・まぁ好楽はそんなに深い考えでキャスティングしたとは思えないけどネ。

 

 

9月13日~15日 池之端しのぶ亭 (根津駅徒歩3分)

 

 

毎週金曜日、午前中にニッポン放送でチラリ会う一之輔が9月8日、そう あのジャニーズの会見の翌日。「人類史上最も愚かな事件」と東山新社長が言い、井ノ原が「得体の知れない触れてはいけない空気があった」と名言を残した翌日である。
「センセー、“僕とジャニーズ”読みました?」 出ているのは知っていたがこの機に乗じた本だと思って書店でも手にとらなかった。
著者名をきいておどろいた。一之輔が推してる本の著者がなんと「全裸監督」の本橋信宏。
この人の本は昔から大好きで私の本棚にはズラリと並んでいる。「裏本時代」「東京最後の異界 鶯谷」「東京の異界 渋谷円山町」「新橋アンダーグラウンド」「出禁の男 テリー伊藤伝」などなど心踊るドキュメントばかり提供している。
すっかり見落としていた。書店で表紙だけは見ていたのだが。今回の騒動の発点、北公次の衝撃の本「光GENJIへ」(1988年)を書いて出したのが誰あろうこの本橋であったのだ。血わき肉おどる一冊。興味のある方は是非と。

 

 

ドキドキワクワクが止まらない。
結局私は芸能人・芸人の噂話、スキャンダルが好きなのだ。
いつまでも心の中に“小さな梨元”が居るのだ。有名人の素を見るくらい面白いものはない。スキャンダリズム、ジャーナリズム、知る権利、“小さな井上小公造”はなんで一茂・高嶋ちさ子達の番組に出なくなったのだ。出てこい小公造。
それは今のタレントだけでなく昔の芸能人であっても まだ興味がつきない。「高田さんの文章には昔の話であっても常にそこに今が入っているからスバラしい。守備範囲が異様に広い“今牛若丸”吉田義男のようです」なんてお便りもあって嬉しい。大衆芸能というのは「昔と今」両方分ってないとネ。巨大な点と点は芸という線でつながっているのだから。どんなアイドルだろうが、それはスタジオに残されてきた伝統芸能なのである。

 

芸能人のスキャンダルなら もう一冊。
以前も この人の一代記を読んで感銘をうけたのだが、また文庫になって出ていたので読み始めた。
この10月にはNHK朝ドラ「ブギウギ」もスタートするという。
笠置シヅ子と あの美空ひばりとの確執の裏などよく分る。出てくる人物も服部良一、エノケン、ロッパなど素晴らしい芸能の巨星ばかり。

 

 

戦後の芸能史がすべて分る。

 

PS 直木賞「木挽町のあだ討ち」、芝居町を描いてみごとでした。

 

 

2023年9月11日

高田文夫

 

 

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。