高田文夫のおもひでコロコロ

2023.04.12

第60回『ゴホンと言えば神保町』

「オードリーのオールナイトニッポン」を聞いてるリスナーを「リトルトゥース」と呼ぶのは深夜の常識。武道館まで駆けつけたので私は極々一部では「最年長リトルトゥース」と尊敬されている・・・・訳もなく生きている。早くも来年の「東京ドーム」でのオールナイトライブも楽しみである。私の「ビバリー」も来春35年をクリアし36年目なので小さく小さく何かイベントをやるかも。ロフトプラスワンとか下北沢スズナリじゃ大きすぎるのかな・・・。「そんなに客が来る訳がない」と若い連中に なめた口をきかれるのでニッポン放送の玄関でも借りて ひっそりやるか。
若林がラジオで「八重洲ブックセンターが なくなったのは淋しいネ」と言ってたのが嬉しかった。東京駅の前の大好きな本屋である。「あんまり言ってなかったけどブックセンターから少し行くとオレン家なんだよ。八丁堀」江戸っ子だねぇ。山里との青春を描いた「だが、情熱はある」というドラマも面白かったネ。高校生の春日(同級生)も傑作。山ちゃんのお母さんがヒコロヒーというキャスティングの妙。これから楽しみ。
そんな中 4月11日 日本テレビの「0時の森」いつも若林と水卜ちゃんがやっていて生っぽいので  ほとんど見ている(この日はTAIGAさん出番なし)。この日は古本屋、古書店特集。以前も このテーマでやって評判が良かったのだ。ゲスト又吉先生。「北斎漫画」の本物など京都の古本屋で手に入れたものを紹介してゆく。そして又吉も色々御縁があるということで下北沢「古書ビビビ」の馬場クンを紹介。ド派手なシャツで登場。緊張。実は私とも親しく「ビバリー」も ずっときいていて なにより我が「さんぽ会」のメンバーわたなべ君(テレビマンユニオン)の小学校だか中学校の同級生。故に私とも つきあいがあって呑みに行ったりもする。今度所沢まで「みうらじゅん展」に3人で行く。
カルチャーに特化した古書店ということで本も様々紹介するうちに私の本が映って馬場ちゃん「これは高田センセーの85年の本で若くて勢いがあるから たけしさんとのやりとりなんか最高ですよ。なにより集めたメンバーが凄い。表紙もスッキリおしゃれ」<注>表紙は山藤章二大画家伯の珍しい「切り絵」
85年。40年近くも前の対談トーク集「高田文夫の近くてトーク」(太田出版)。帯を見てもらえば分るが まさに「笑い」の「文化」のサムライジャパン。高田“クリヤマ”大監督だ。

ひたすら世間話をするのは「ビートたけし」「小林信彦」「谷啓」「森田芳光」「景山民夫」「手塚真」ほか大勢。貴重。
まさに私の元祖「聞く力」である。文春の人もしみじみと「最初高田さんで聞く力やろうと思ったんですが何故か阿川佐和子さんに行っちゃって」だと。超ベストセラー逃がしたわ。

私は神保町などの本屋歩きが趣味なので何冊か本の紹介。
3年くらいかけて漫才協会の協力のもと力作ができました。ほとんどの現役漫才師をモーラしてある(傷だらけのモーラである)。これは助かる。便利。

「ザ・漫才協会ファンブック」(主婦の友社)108組が載っている所属芸人名鑑

(左)会長の青空球児と好児と私(外部理事)
(右)おぼんこぼんとナイツ
ほとんど知らない漫才師もいっぱい載っていますので脳トレにも最高。
そんなドサクサにまぎれて日本一 中味のない本が届いた。まったく目が出ない「ビックボーイズ なべかずお」著の「たまらんぜ!七転び八転び」(山中企画)色んな証言も載っていて「あの人は浅草芸人最後の愚の骨頂」勝手にヨイショしてご祝儀を頂くという「行儀の悪さは天下一品」。など怒とうのほめ言葉が続く。

もうこの話(本)は忘れて下さい。

まっとうな本を。「時代劇聖地巡礼・関西ディープ編」春日太一(ミシマ社)あのチャンバラのロケ地がわかる。「芝居のある風景」矢野誠一(白水社)安藤鶴夫も永六輔も立川談志も東京に居ない今、ちゃんとした芸能のエッセイを書けるのはこの人しか居なくなった。

「高田 お前の文章は どこで読めるんだ?」「出版の予定はないのか?」など様々きこえてきますが   。「週刊ポスト」では毎週 旬の人物をとりあげて お楽しみ頂いてます。「月刊Hanada」では4頁にも渡って毎回濃厚なテーマで書きつづけております。自信があるのは今月号で「グループサウンド(GS)」について書き来月発売号では東京の町を考えて「旧町名」について色々書いております。最後は志ん朝の“道中付け”を紹介し御存知おやじゆずりの「黄金餅」です。

「下谷の山崎町を出まして、あれから上野の山下へ、三枚橋から上野広小路へ出まして、御成街道を五軒町へ出て、そのころ堀さまと鳥居さまのお屋敷前をまっつぐに筋違御門から大通りへ出まして、神田の須田町、新石橋から鍛冶町へ出まして、今川橋から本白銀町へ出まして、石町から本町、室町から日本橋をわたって通四丁目から中橋へ出まして南伝馬町から京橋をわたってまっつぐに、新橋を右に切れまして土橋から久保町へ出まして、新シ橋の通りをまっつぐに、愛宕下へ出て天徳寺を抜けて、飯倉六丁目から坂をあがって飯倉片町、おかめ団子という団子屋の前をまっつぐに、麻布の永坂をおりまして十番へ出て大黒坂をあがって、一本松から麻布絶口釜無村の木蓮寺にきたときには、ずいぶんみんなくたびれた……あたしもくたびれた。」

旧町名のオンパレードです。

「で   生の高田はどこで見れるんだ?」というお問い合わせ。
4月22日(土)と23日(日)<ラジオパークin日比谷2023>4年ぶりの開催です。
22日は朝8時半から八木亜希子やら徳光和夫ら沢山出ます。11時には「鶴光」2時には「サンドウィッチマン」の生放送などホームページで確認してください。
私は なんと放送もなく収録もしないで配信もなし。もう自由です。22日3時から高田文夫、ナイツ、サンドウィッチマンの歯止めのきかない自由トークです。日比谷公園に集ったりしてください。ここだけがノーコンプラの集い。ラジオマニアが集りそうだから「私の嫌いなラジオ」とか語り合おうかな。

 

2023年4月13日

高田文夫

  

  • ビバリーHP導線
筆者
  • 高田 文夫
    高田 文夫
    高田 文夫

    高田 文夫

    1948年渋谷区生まれ、世田谷育ち。日本大学芸術学部放送学科在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道を歩む。「ビートたけしのオールナイトニッポン」「オレたちひょうきん族」「気分はパラダイス」など数々のヒット番組を生む。その一方で昭和58年に立川談志の立川流に入門、立川藤志楼を名乗り、'88年に真打昇進をはたす。1989年からスタートした「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」は4半世紀以上経つも全くもって衰えを知らず。