前回、文章の最後に「で、このブログ誰が読んでんの!?」と書いたら すぐに意思表示してくれたのが爆笑の太田光、クドカン、ロケット団に”さんぽ会”のわたなべ(ディレクター)達、数人から電話やらFAXで「読んでますから」。そんなものらしい。寄席で言うところの”つばなれ”してない状態。客の入りの悪い寄席は”つばなれ”を気にする。数えて行って”ひとつ””ふたつ””みっつ”と”ここのつ”までが「つ」が付いている。ひとケタの客入り。10人入ると やっと「つ」から離れる。10人以上客が入ることを「つばなれした」と言う。このブログ連載も早く「つばなれ」したいものだ。
ユーミンがアルバムを出しテレビ・ラジオにいっぱい出て様々喋っている。要するに「50年やって来たことをアーカイブ化したいのだ」と。「自分の中で体系化することが大事なのだ」みたいな事を言っていて「成程」と思った。私もこのブログも数少ない読者に向けてではあるが52年間大衆芸能と共にひたすら歩いてきたことを私の中で少しずつまとめているのだろう。本業の「放送」の方はOAしてしまえばそれで終り。まさに”送りっ放し”で何も残らない。それがまた放送人の誇りであり自負でもある。しかし親、親せき一同ら我が家の”家業”でもある出版、本、活字文化は何とか後世に残せる。今はネットだから こうしてブログでもどうにか残るという寸法だ。キチンと私をアーカイブ化しなくては・・・。
前回「八波むと志」の本がいいと書いたら もうすでに一部で超話題。しまいにゃテレビのニュースでも取りあげ「第八波がきますのでインフルエンザと一緒に5回目の注射も」と八波でせっぱつまっていた。この第八波はコロナ関係らしい。「脱線トリオ」の八波むと志、私の初恋の喜劇人 八波むと志とは関係がないようだ。下のサインは素晴らしいでしょ。我が人生最初の爆笑グループ「脱線トリオ」。三人揃ってというのがいい。各々のサインの上は自画像イラストである。右 由利徹 中央 八波むと志 左 南利明。

このサイン(私のみの家宝)を見つけ 持ってきてくれたのが誰あろうタブレット純。なつメロから古本まで古いものならおまかせと言うマヒナスターズで最後のメンバーなのだ。私の好きなものを知ってて気にかけて見つけて持ってきてくれる この心持ちが嬉しい。「週刊新潮」の連載も素晴しい。そこで今度の土曜日11月12日「タブレット純の歌謡曲の黄金時代」(タイトル合ってる?各々調べて)ラジオ日本で18時から20時。これが300回記念の放送だというので私が生でゲストで登場(私の出番は18時からの1時間)。たしか200回記念の時も私がゲストで その時の選曲は「歌う芸人達」だったので今度はもっとアッとおどろく選曲をしてラジオ日本の皆様に喜んでもらおうと思う。
およそ1年前、21年の9月に本屋に並んだ ぶ厚い本。興味はあったが手にとらなかった。それが噂が噂を呼んで 帯に「この本は一体 何人の人生を変えるのだろうか」「大宅賞受賞」とある。1年間手にとらなかった本が とんでもない事になっている。年寄りの面倒を見るのが趣味のような立川志ららが そのおそろしく厚い本を差し出し「これ陳平先生からです。ものすごい感動したし高田クンは野球も好きだから 話のウラのウラも分るだろうから。なにしろ面白い」と野末陳平90才の伝言。「ルージュの伝言」ならぬ「長寿の伝言」だ。本のお礼を言うよと言ったら志ららが「ダメです。今日は上智大学の学園祭があるので そこへチアダンスのパンツ見に行ってます」だと。どこまで元気な90才なんだ。本の右はメモで貼ってあったもの。「高田文夫先生 血圧が上がるほど面白い。タメになる本です 陳平」すでにこの本は1年で第15刷までいっている。

中日ドラゴンズを日本一にした異端の監督である、そりゃ色々うらまれたり憎まれたり・・・川崎憲次郎、宇野勝、和田一浩・・・野球好きにはたまらない男たちの心の真剣勝負が 。野末陳平をして「タメになる本です」と言わしめるのだから凄い本だ。90才にもタメになるのだ。
4日(金)夜 ビールを飲みながらカチャカチャやってたらNHK「アナザーストーリー」。「ン?」と見てたら「オールナイトニッポン」特集で亀ちゃんの巻終って「ビートたけし篇」。なつかしい映像出てきてナレーションが流れ「漫才ブーム真只中。ブームの渦中であきていたビートたけしに この男が声をかけた。「深夜放送やらない?」「えっ?」と見たら私のワンショット。若き日のドアップ。「放送作家の高田文夫である」いやぁ見ているこっちがびっくりしたわ。なつかしい「戦メリ」でのやりとりなど流れ それはそれで相当面白かった。
2022年11月7日
高田文夫

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