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2024.07.30

音楽家のテイ・トウワさん語る坂本龍一さんとの出会いと交流。

音楽家のテイ・トウワさん登場。

国内外で活躍する音楽家でDJ・アーティスト。

1994年にソロデビューされ、今年が活動30周年!

電気グルーヴの石野卓球さんをボーカルに迎えた

ニューシングルのお話、坂本龍一さんとの出会い、

そして交流など伺いました。

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

オフィシャルウェブサイト コチラ

X(旧Twitter) コチラ

TOWA TEI feat. TAKKYU ISHINO「TYPICAL!」

8/7(WED) 7inch リリース

TOWA TEIソロ活動30周年を記念し、

ヴォーカルに初めて石野卓球を迎えた“ドテクノ”な一曲。

B面にはインストを収録。

 

 

 

新曲「Typical!」 

1994年にソロデビューして、今年、活動30周年。

音楽を聴くデバイス1つとっても、90年代からどんどん変わってきた。

スタートした時はオープンリール使って録音していて、

今みたいに、MacBook 1台で自宅で配信までできてしまうなんてことはなく、

だからみんなに聞いてもらうには、レコード会社と契約し、

レコードプレスされないと、DJとしてもみんなに聞いてもらえない。

今は便利になったが、便利が最高ではないということをとても感じている。

8月7日に新曲「Typical!」をリリース。

電気グルーヴの石野卓球さんをボーカルに迎えたニューシングル。

アナログの7インチシングルを最初に出した。

しかも今回はカッティングというレコードプレスするときの作業も、

デジタルのWAVデータではなく、アナログの、

昔使っていたハーフインチのテープに最終形を録り、持っていった。

30周年ということもあり、基本に立ち返った。

つくるときは、自分の場合はデジタル中心だが、

最後の、どういう形に定着するかというので。

データのままではなくて、テープにした時に、

やはり磁気テープのマジックというか、粘度感というか、

音と音がくっつき合う感じというのがある。

この曲に関してはすごく満足する出来に仕上がった。

これは 高い周波数での話なので。分かる人には分かる。

 

 

音楽を始めたきっかけ

あまり音楽は好きではなかったが、中2の時にYMOに興味を持ち、

そこから音楽を色々聞くようになった。

高校生になり、1番安い、1個しか音の出ないモノフォニックシンサイザーを買い、

弟のラジカセとピンポン録音で、見よう見まねで、

曲作りというか、音遊びをしていた。

音楽にまつわるデザインとかがあったらいいなあ

というぐらいの感じで、美大に行こうと思った。

浪人中に、高校生の時作ったテープを、坂本龍一さんのラジオ番組に送ったら、

オンエアされ、「今日はテイ・トウワくんの曲でお別れしましょう」と、

2回もオンエアされた。この時人生のピークが来た!と思った

美大へ行ってからも、シンセサイザーを買い、

曲ができるたびに聞いてもらえたらと思い送ったところ、

送るたびにオンエアしていただけた。

多分、世界で1番最初に褒めてくれた大人は、坂本龍一さん。

縁があって、その後も、ボランティアでプロジェクトを

手伝ったりしているうちにレコードジャケットをやりなよと言ってくれた。

最初のグラフィック仕事は教授にもらった。

自分は音楽で食べていけるとは全然思ってなかった。

海外に行くことを親がすすめてくれたので、編入試験受け、

ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインに行った。

毎晩のようにクラブ行き、1年ぐらい経ったら自分もDJになれていた。

 

 

ディー・ライトで全米デビュー

1度音楽はやめるつもりでニューヨーク行ったが、

念のため使っていたコンピューターとサンプラーを1台ずつ持っていった。

2人組のディー・ライトの2回目くらいのライブを見て。

1人はDJで、彼にDJ業を紹介され、意気投合して、

一緒に曲を作り出したら、いい感じに何曲かスルスルできた、

3回目のライブには、お前もステージ上がれと言われた。

それが87年の終わりか、88年の頭。

ローカルバンドとして、いろんなとこでライブをやったりするようになり、

90年の頭には、メジャーレコード会社5社からオファーがあり、

デビューが決まり、初夏にシングル、8月ぐらいにアルバムが出た。

そこからは人生ゼロスタートというか、ガラッと変わった。

デビュー曲がいきなり全米4位の大ヒット。

しかし、91年の前半に「ロック・イン・リオ」という大きなフェスで、

後ろ向きにダイブしステージから落ちた。

2人は絶頂だったので、ツアーをもっとやっていきたいということだったが、

自分はもうツアーは嫌だと思った。これを機にディー・ライトをやめた。

始まって1年経たずしてリセットがまた起きてしまった。

しかし、自分たちのセルフプロデュースのものが売れたので、

その後来るオファーはプロデューサー役で、

いろんな方向性を自分が決められる。

そういう意味ではラッキーだったのかもしれない。

 

 

坂本龍一さんの存在と創作活動

坂本龍一さんの存在は自分にとって、最初の音楽的アイドルで、

ずっと先輩で、多分前世はお父さん。そういう近しい縁を感じる。

ニューヨークで住んでた時は家も近く、よく奢ってもらった。

創作活動においては坂本さんの影響を受けた部分あまりない。

1番最初は、自分はただの憧れていた学生だったが、

ニューヨークでは 頼らず、自分の縁、自分のパッションで

クラブミュージックの方に行った。

そのおかげで、逆に、お互いプロとしてまたYMOの方たちとは

出会えるようになった。

やはり、スキル的にも、クラシカルなスキルとかは

世界的に見てもダントツなので、そういうところには自分は行かない。

あまり意識せず、自分の得意な、

自分がパッションをもてるものをやっていこうと思った。

自分の楽曲の制作はディーライトの頃から全部自宅。

最後の作業だけエンジニアに来てもらったり、

できたものをスタジオに1回だけ確認に行ったりという形には

変わってきたが、基本的にはベッドルームミュージックというか、

マイルームミュージックという感じ。

95年に日本に帰ってきて、父親になり、

2000年に子供をどういう環境で育てるかということも含めて

軽井沢に引っ越しをした。 そこがターニングポイントというか。

結果的に、まだ一応業界にいれるという意味では

延命措置だったのかなという気がする。

 

 

これからの音楽制作

8月7日にリリースした新曲「Typical!」は

2025年リリース予定のアルバムからの先行リリース。

7インチのアナログレコードでの発売。

今後配信もあると思うが、まずはレコードで聴いてもらいたい。

「Typical!」は辞書でみると“典型的”の意味。

どちらかというと、ちょっとネガティブに使う言葉だったりするが、

典型的でいいこともあるし、良くないこともある。

ちょっとシニカルな気持ちを色々込めつつ

単純に、楽しい曲作りたいなと思った。DJでかけたときに盛り上がる曲。

今後いろんなデバイスを使って音楽が聞けるような時代、

自分も制作に ちょっとずつ導入されいて、

例えばレコードのプチプチを取ってくれる周波数見つけて

AIが除去してくれるというソフトウェアも使っている。

最近だとChatGPTを使って作詞とかをやり取りしている。

最終的に出来上がってくるものをどれだけ使うかは

まだちょっと未知数だが、確実にスタートアップに立ったかなと思う。

AI元年で生まれてきた子や、今10代ですでに音楽作ってるような子たちと、

むきになって張り合っても仕方ないので、

自分は自分でニッチというか、

最初のコンピューターおじいちゃん世代になっていこうかなと思う。

 

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