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2024.06.14

奥村組・代表取締役社長の奥村太加典さんに聞く 地震に強い建物を建てる技術の開発。

株式会社奥村組・代表取締役社長の奥村太加典さんが登場。

全国で土木建築事業を展開している総合建設会社、奥村組が

創業から100年以上という歴史の中で手掛けた、

建設事業の話や、通天閣の再建の話

そして、建設事業以外の新事業について伺うとともに、

建設業界全体でおこなっている人材確保や女性活躍の取り組み、

さらに今後の目標についても伺いました。

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

 

株式会社奥村組ホームページ コチラ

 

奥村組とは

創業から117年と数か月。

本社は大阪にある。通天閣の再建もおこなった。

初代の通天閣が火災で焼け、

同じ場所に通天閣を再建させようという機運が高まった。

地元の方に、通天閣を再建するのに

お金をだしてもらえるか聞いて回ったところ、

「お金、だしまっせ」とすごい額が集まりそうだったが、

実際集めてみたら4分の1しか集まらなかったそう。

そんな中、通天閣の再建を計画する会社に奈良出身の人がいて、

奈良発祥の企業である奥村組に声がかかった。

資金難の中で着工し、一部奥村組で費用を負担、工事費もかなりディスカウントした。

阪神・淡路大震災のときにはJR六甲道駅の復旧を担当。

当初、全部壊して造り直したら2~3年かかるといわれた、

JR総研ではいろいろな地震で壊れた構造物の研究をしていて、

現地を視察し、柱は壊れているが梁・スラブは使えると判断。

柱は壊すが、梁・スラブはジャッキアップして元の位置にもどし、

壊した柱をつなぎなおして復旧するというジャッキアップ工法により、

震災から74日で電車を走らせることができた。

現場は現地に泊まり込み、昼夜を分かたず仕事をした。

 

 

奥村組の新たな事業展開

地震に強い建物を建てる技術の開発にも尽力している。

昭和50年代に弊社で技術研究をしていた者が、

免震構造について技術雑誌で情報をキャッチした。

地震大国日本ではこの免震技術が役に立つだろうと思い、

福岡大学の教授と一緒に研究開発を行い、

1986年、日本で初めて免震構造の実用建物を奥村組が施工した。

奥村組は建設事業以外の分野でも新規事業を始めている。

奥村組は土木事業・建築事業を中心に長年事業を展開してきた。

3角形はすごく安定する。会社としても大きな事業が3本あった方が

安定するだろうという思いで土木、建築に加えてもう一つ

しっかりした事業をつくりたいと、いろいろな分野の事業を手掛け始めている。

一つは、軽井沢で夏秋いちごの「サマールージュ」を

地元の企業の小諸倉庫株式会社と一緒に展開。

もうひとつは、陸上養殖事業として、トラフグやバナメイエビの養殖。

さらに、再生可能エネルギーとして、バイオマス発電事業を

北海道と福島県で展開。

それぞれの新規事業はまだ細いものだが、

その細い事業を束ねたら1本の太い柱になってくれると思っている、

新規事業はもともと本業に近く、本業の知識で判断できるものを探したが、

なかなかなかったので、範囲を広げ本業から離れていてもいいと

始めたのがこれらの新規事業。

この離れたものをしっかりつないでいきたいと思っている。

 

 

リーダーの役割と攻めの広報

自分は創業家の社長なので、特に公平公正に社員をみるということが

一番求められているということだと常に意識している。

奥村組の社章は「人」とよめる。

建設業は人が持っているいろいろな知識、経験に基づいて

事業を展開し、建物を作り、土木構造物をつくり、お客様に納めて事業を展開する。

なので「人」が一番重要。

自分は経営者としては、ぐいぐい引っ張るところも一部あるかもしれないが、

比較的調和型だと思っている。

今、奥村組では「攻めの広報」をおこなっている。

もともと建設業の広報は、トラブルをおこしたときに

なるべく小さく収める守りの広報だった。

また、工事を発注されるところには建設のプロがいるので、

PR活動をしなくても先方が建設業界を良く知っていて、広報の必要がなかった。

しかし、民間の建物などを多く手掛けるようになると、

発注部門に建設のプロの方がいるとは限らない

奥村組という企業が認識されているというというのが

営業面で大きなポイントになる。

また、人材確保に苦労しているので、リクルートの面でも広報は重要だと考え、

今、どんどん攻めの広報をおこなっている。

昔は3K「きけん・汚い・きつい」と建設の現場は

皆が嫌うような場所だとされていたが、

今からは新3K+K。「給料がしっかりもらえる」「休暇が取れる」

「希望がある」そして「かっこいい」。

これに建設業界を挙げて取り組んでいる

きれいな環境で工事をしている現場が増えていっている。

 

 

女性の活躍の推進

女性の活躍の推進。女性技術者の活動を後押ししている。

奥村組のCMは女性の建築技術者を主人公にしてストーリーを描いている。

奥村組は女性にもっと建設業界に来てほしいという思いで採用活動を展開。

大阪国際女子マラソンも応援。

本社所在地の大阪で開催されるメジャーなイベントを、

協賛し、お手伝いしたいという思いで続けている。

この大会から世界へ羽ばたく女性アスリートを応援して

大阪を盛り上げたいという思いもある。

全ランナーのゼッケンに「奥村組」とはいっているので、露出度は高い。

コロナ禍ではそれまでの市内を巡回するコース設定ができず、

長居公園内の周回路を回ってもらうコース設定になった。

長居公園は近隣の方が憩いの場として利用されているので

人が密集しないように、周りからマラソンがみえないように、

大会直前にフェンスを1.5キロにわたりコースにはった。

大会終了後にすぐに解体。

この大会では本業の建設業でも大会のお手伝いができたと思っている。

幅広い層に奥村組をしっかりPRしたいと思っている。

森川葵さんに出演いただいている「奥村くみシリーズ」のCM以外に

メジャーリーガーの吉田正尚選手を起用したCMもつくっている。

 

 

これからの奥村組

これからの時代は、技術の変革、ITやAIの利用など

想像ができないくらいの早いスピードで変わっていく可能性がある。

そういった世の中の動きにしっかりとアンテナをたてて情報をキャッチして

取り残されないようにフットワークよく、変えるべきものは

どんどん変えていかなければいけない時代がくると思う。

奥村組は人を大切にしている企業。お客様からの信頼をないがしろにしない

ということで取り組んできた。

その根底の部分はずっと守り続けた上で、変えるべきところは変えていく。

新しい技術を取り入れるために、奥村組だけではなく、

他のスタートアップやベンチャー企業とも連携をとっていきたい。

自分はマラソンが趣味。

建設の仕事はマラソンと相関性があると思っている。

マラソンはスタートからゴールまでが一つのレース。

建設の着工から竣工・完成までに例えると、

着工に至るまでの準備期間が長い。

マラソンもスタートラインに立つための、42.195KMを走りきるための

練習は半端なものではない。

また、レースも建設も多くの人に支えられ、自分一人でできるものではない。

自分の曽祖父で奥村組創業者の奥村太平が晩年よく言っていたという言葉に

「腹が立ったら明日怒れ」というのがある。

明日まで持ち越してそれでも腹が立つ事柄は本当に怒らないといけないこと。

何か事があって、すぐに怒ることは控えるようにということ。

自分は元来非常に短気なので、これを座右の銘にしている。

 

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