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2024.02.16

俳優で一級建築士の田中道子さんに聞く建築物の魅力

俳優の田中道子さんが登場。

2022年に一級建築士の試験に合格。

一級建築士の資格をとろうとしたきっかけ、

難関な試験に合格するまでの道のり、

さらに俳優業との両立や建築物の魅力についても伺いました。

オフィシャルサイト コチラ

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Instagram コチラ

 

 

一級建築士に合格

2022年に合格率10%弱という一級建築士の試験に合格。

学生のころから建築の勉強はしていた。

いずれ1級をとり、仕事をしてみたいという気持ちがあった。

受験する条件が緩和されたことをきっかけに

また、コロナ禍でできた“おうち時間”を活かしたいと思い、チャレンジした。

大学を卒業してすぐ2級建築士の資格は取得していた。

1級と2級は建築できる規模が違う。1級はビルや駅などなんでもOK。

試験はやることはほとんど一緒だが、科目が増え、内容が高度になる。

仕事をしながら勉強をしていた。

1分の時間も無駄にできないという強迫観念が常にあり、

頭も心もストレスフルだった。

それでも自分でやり始めたことなので、あきらめることはできず、

受かった時のことを想像して、ストレスと戦いながらの日々だった。

本業の俳優業を勉強に左右されないようにということだけは

守ろうと決めて受験した。

勉強は二の次、三の次、さらにその後に家事や自己管理がきてしまい、

体調を崩さないように気をつけた。大好きなゲームもやめた。

合格発表の時は雄叫びを上げたい気持ちと、

安堵から深いため息が混在するような、

抜け出せた、という気持ちが強かった。

 

 

一級建築士になるための勉強方法

女優をやりながら一級建築士の勉強。

1年3か月で合格。1500時間。1日平均4~5時間の勉強。

休みの日には12時間~15時間勉強した。

しかし、自分が追い込まれているときこそ

女優としての仕事も気持ちが入り、上手くいくことが多かった。

追い込まれている自分を楽しんでいる節もあった。

気持ちとかやる気で寝る間を削るということができた。

振り返ると、よくあそこまで自分を奮い立たせたと

自分をほめてあげたい気持ちになる。

もともとゲームに出てくる街のデザインをしたくて

ゲーム会社に就職したかった。

最初に好きになったゲームは「ファイナルファンタジー」で、

その、日常に見る建物とは全然違う非現実的な世界観の

作り手側に行きたいと思った。

好きな建物や憧れはゲームの中だったりと、

自分の理想はそこに集約されている。

一つの建物を作るというより、街全体、

人々の暮らしを作り上げたいという気持ちが強い。

 

 

女優業と建築士の仕事

建築物を創造、デザインするということと、女優として役づくりは

自分の中では脳のスイッチを切り替えている。

クリエイティブという意味では同じような創造力を必要とするが、

実務として、設計の業務は理詰めで考えることが多く、

自分にとっては似てる部分もあるが対局にある。

資格を合格したことを活かして、いろいろ仕事をしている。

日本の国内では高度経済成長期に建てられた建物が今、解体ラッシュ。

解体現場に行くバラエティに出演している。

今まで設計することはあっても解体する人のことを考えて

設計をしたことがなかったが、その一面を知ることができた。

人の気持ちに寄り添うことができるということは

芸能の仕事にもいかされることだと思う。

全てを無駄にせず、両方を活かしたい。

日本の未来を作るには建物が重要。

魅力的な街だと観光客も増え、経済も発展し、どんどん魅力的な街になる。

最近好きな建物は「麻布台ヒルズ」。

あの建築家が好きでアメリカの彼が建てた公園に行きたいと思う。

やはり、魅力的な建物は足を運んでみたいと思ってくれると思う。

そうやって世界中からたくさん人が集まり、

賑やかな日本になって欲しいと思うので

魅力的な建物が増えていってくれたら嬉しい。

自分の家を設計するのは夢。

 

 

解体現場の美学

「解体キングダム」という番組で

いろいろな解体現場に足を運ばせてもらっている。

最近では変電所にある変圧器の解体現場にいった。

建てられたのは66年前。66年前の人達が作り上げた技術の結晶と

しくみと、開封した時に油の古くなったにおいと共に、

ストーリーまでみえるような現場に行けたことが思い出深い。

古い神社仏閣の解体にもいったが、

先人たちが残した技術、魂を感じると、とてもロマンチック。

それを未来につなげていくバトンリレーの一部に自分もいるのではないか

という気持ちになれ、そういう現場に行くことが楽しい。

やはり、日本は突出して解体の技術が高い。緻密に作業をする。

近隣の住民に配慮して解体している現場を見ていると、

とてもありがたい。日本の建設業の土台を担ってくれていると感じる。

最近、「ガス溶断」という鉄を切れる資格や、重機の資格も取った。

一朝一夕では技術は見につかない、

現場に20年、30年やっている方がいて初めて

スケジュール通りに成り立つ工事ばかり。

そいう技術を持った方々がいることが貴重でありがたい。

最近驚いた現場のひとつが「水中解体」

橋の足元の解体で潜水士の資格も必要でそのスペシャリストに会った。

他の人にはできないことでかっこいいと思った。

 

 

これからの夢、目標

女優の仕事も建築の仕事も心から好き。

今後、相乗効果があると信じている。

社会人でも、もう一度勉強し直すということが流行っている。

自分も一度達成したことで勇気をもらったので、

興味があることには二の足を踏まず、

いろいろ挑戦していきたい。

一生やりたいことが周りにあふれているのかもしれない。

今は学校施設に興味があり、

保育園や幼稚園のデザインをしたいなど

細かい夢がたまっている状況。

人生をかけてひとつひとつ叶えていきたい。

叶えることで自分の心のエンジンになる。

一級建築士の資格に合格したことでやりたいことの幅も広がった。

ひとつ叶えるとそこから枝状に広がっていく。

女優業では現在、フジテレビ系ドラマ『大奥』に出演中。

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