ホテル評論家の瀧澤信秋さんが登場。
コロナ禍を経てここ最近のホテル事情に、
今ホテル業界を悩ます問題
さらに恒例の2024年おすすめのホテルもご紹介いただきました。
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近年のホテル事情
コロナ禍の直前まで東京オリンピックに向け、
ホテルの建設ラッシュもあり、盛り上がっていた。
オリンピックが延期になり、緊急事態宣言などもあり、
ホテル業界は大変な時代を迎えた。
しかし、逆に言うと、それがあったことでもっとサービスを良くしていこうと
ホテルがブラッシュアップされた
こんなにホテルが消毒、除菌に気遣った時代はなかった。
また、人手不足が問題になっている。
ホテルは今日採用したからホテルを預けられるというものではない。
人の命を預かっている、人がステイする場所ということで、
ある程度の能力が担保される必要がある。
しかし、ホテルは増えていく、という状況。
ビジネスホテルがとても増えている。
高級ホテルはクローズアップされ、増えているイメージがあるが、
客室数では圧倒的にビジネスホテルの増加が激しい。
ビジネスホテルだがビジネスホテルと呼ぶには申し訳ない
良いホテルがたくさんある。
他にないもの、今までにないものをどんどんやろうというのがホテル業界。
差別化と競合、競合と差別化の繰り返し。
ホテル評論家の仕事
ホテルの食品偽造問題を機にメディアからの取材が相次いだ。
ホテルを評価したりする仕事をしている人は日本に4~5人いる。
ホテルのいい情報を発信するのは大切なことだが、
何か問題が合った時に、忌憚なく批判したり批評する人がいなかった。
自分はもともとホテル業界に全く縁のない人生を送ってきたので
何もしがらみもない。
一つのホテルでもいいところは絶賛するが、問題点は徹底して酷評する。
ホテルは寝具の除菌にあまり注力していないイメージがある。
シーツは毎日替えるが、マットレス全体の交換や除菌には
まだあまり力が入っていないホテルが多いというイメージがある。
それを専門にやる業者が出てきている。
コロナ禍になった時に、この時期だから寝具の除菌を徹底してやろう、
そして、使わないと虫がわくので、コロナ禍だからこそ、
寝具の除菌をやりましょうを言い続けてきた。
ホテルにとって、お客様からの苦情:コンプレは財産。
それがきっかけによってサービスが改善することがある。
しかし、本当は財産のはずなのに、
度を超えた、お客様の感情を晴らす場として、
スタッフに対する問題が起きているという現実もある。
ホテル業界を悩ます問題
「カスタマーハラスメント」がずっと問題になっていたが、
法律でホテル側での宿泊拒否ができるようになった。
コロナ禍では、朝食ビュッフェ会場でのおしゃべりなど、
お客様同士のトラブルもあった。
コロナ禍はホテルにおいて人々を分断させたという印象がある。
また、コロナ禍でブラッシュアップもされたが、
ホテルが増えて人手不足により大変になっている。
AI化も進んでいる。
例えば、お客様からの内線電話をフロントで対応するのではなく、
青森にコールセンターを作り対応している会社がある。
ホテルの部屋から内線電話をすると青森のコールセンターに繋がり、
そこでパソコンに自動的にホテル名と部屋番号がはいって
部屋の写真や動画がアップされ、お客様からのリクエストに対応。
その会社は30ほどのホテルと契約し、
コールセンター代行業務をおこなっている。
2024年おすすめのホテル
テーマ1:「朝食のすごいホテル」
ハンバーガーを自分で作れる具材が何十種類も並んでいる。
大きなハンバーグ、チキン、ありとあらゆる具材が並んでいる。
朝食は御膳で原価率は120%
朝食単体では損をするが、リピーターが増え、結果として稼働率が上がる。
いいお客様が増え、宿泊料も上がっていくというデータがある。
テーマ2:ホテル単体で楽しめるビジネスホテル
自分はホテル評論家10年目。何かできないかと思った。
これまで特定のホテルとの仕事はしてこなかったが
瀧澤監修ルームを作った。
それが「BABAスイート」というスイートルーム。
ホテル評論家としてこれまで足りないなあと思っていたものを
全部入れた。
一つはサウナが大好きなので、サウナをいれたが、
サウナのあと水風呂に入りたいが水を冷やす装置が高いので
業務用の製氷機を部屋にいれた。
バーベキューもできる。
大人気のホテル。
旅行スタイルの変化
自分が小学生の頃は団体旅行がすごかった。
会社の社員旅行、慰安旅行があり、
温泉地は大型観光ホテルが流行った。
バブルが崩壊し、旅行が個人旅行に変化し、
温泉地の大型観光ホテルは淘汰された。
個人旅行はインターネットが役だっている。
昔は旅行会社で予定をたててもらったが、今は予約も自分ですべてできる。
個人旅行に対応している旅館やホテルが今は潤っている。
例えば、昔は、温泉旅館で大浴場が普通だったが、
最近は客室に露天風呂があるところが人気。
ホテルはホテル単体では出せる魅力は限られている。
最近はエリア全体をホテルと考えるホテルが出てきている。
そのホテルに泊まると、エリアの飲食店と提携していたり、
一定のエリアの中にいくつも同じ名前の建物があり、
母屋にチェックインし、自然とその町を回遊しながら別の宿泊する建物にいく、
という分散型というものもある。
昔はビジネスホテルやシティホテル、旅館、カプセルホテルと分かれていたが、
今は、いろいろなものを取り入れて、
いろいろな魅力を発信できるようなことをしようというホテルが支持されている。
AI化はとても進んでいて、スマホでチェックインができるところもある。
ホテルは楽しい。やはりホテルは人と人。
AIが入ってもそこに人の気持ちが入っているということが大事。
ホテルの魅力を評論家という名前を使って発信できればいい。
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