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09月13日鹿児島県 薩摩川内市(さつませんだいし)

街歩き「薩摩川内」

県立自然公園の中にあり、なだらかな7つの外輪山に囲まれた火口湖、
藺牟田池。
火口湖とは火山の噴火で陥没した部分に雨などがたまってできた湖で、
カルデラ湖とも呼ばれます。

周囲およそ4キロの湖畔には、梅や桜などの並木があり、
春は花見、秋には紅葉を楽しむことができます。

藺牟田池の西側の3分の1は湿原に。
植物が枯れて完全に腐らずに堆積し炭化したものが、
いくつもの浮島となり、
1921年、大正10年には、国の天然記念物に指定されました。

水面には様々な水生植物が生育。
また、絶滅が心配されるベッコウトンボをはじめ、たくさんのトンボが
ここで産卵や羽化を行うことから、昆虫たちの生息地としても知られます。

貴重な自然環境が残る、なごみの場所。
かわいい水鳥も、優しく歓迎してくれます。

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薩摩川内市の新たなご当地グルメとして開発された「キビナゴラーメン」。
目立ったご当地グルメがなかったという薩摩川内で、
市の指定魚であるキビナゴを使ったご当地ラーメンの研究がスタート。
様々な飲食店だけでなく、袋麺でも味わえるようになりました。

一番の特徴はスープ。
甑島の近海で獲れたキビナゴを一度蒸した後、
オイル漬けにしたものをペースト状に加工。
さらに、しょうゆスープ、昆布だしと合わせたものを使用しています。
トッピングには、アオサノリをはじめ、モヤシ、ネギ、チャーシューが付きます。

「キビナゴラーメンか。どんなラーメンなんだろう。
  来た、来た。‥まずスープは‥ん〜、魚独特の臭みがなくて、
   まさに旨味だけを凝縮したって感じね。
    麺は‥極細麺だ。コクのあるスープと、よく合うわね。」

食べ進んだところで、もうひとつの主役のアオサノリをスープに混ぜれば、
ふんわりと磯の香りが口の中に広がり、違った味の世界が楽しめます。

海の幸がもたらした香り豊かな逸品。海の恵みに感謝です。

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毎年9月22日に開催される薩摩川内市の伝統行事、「川内大綱引」。

当日は朝から
自衛隊川内駐屯地、建設業協会、地元の中高校生などが一丸となって
およそ10時間にも及ぶ綱練りを行います。
こうして長さ365メートル、重さおよそ7トンを誇る大綱が完成します。

その歴史は古く、一説には関ヶ原の戦いの際に、
士気を高めるため島津義弘公が始めたと言われます。
現在は、鹿児島県の無形民俗文化財に指定されています。

赤いハチマキを締めた上方と、
白いハチマキの下方に分かれ、
3000人以上の男衆が、大綱を引き合います。

一列に並び、太鼓を打ち鳴らす「太鼓隊」。
綱を引く「引き隊」はこの音に合わせて、
大綱にくくりつけた「引き綱」を一斉に引きます。
大綱の中央付近では、「引き隊」を妨害する「押し隊」が激しくぶつかり合います。
その様は、大迫力。
見る者を圧倒します。

熱気に包まれる沿道の観客たち。
男たちの心意気が交錯する、熱く激しい祭りです。

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薩摩半島から西へおよそ30キロ、東シナ海に浮かぶ甑島。
北部に位置する上甑島、中部に位置する中甑島、
南部に位置する下甑島と、3つの島が連なります。
地形の違いなどから、それぞれの島で違った表情が楽しめ、
断崖や巨岩は、圧巻の大迫力。
またキビナゴ漁を中心とした漁業も盛んで、新鮮な魚介類も豊富です。

川内港ターミナルから高速船『甑島』で50分。上甑島へ。
港から車で15分。やってきたのは、甑島を代表する景勝地の一つ、
『長い目』と書く「長目の浜」。
山裾が風や波によって崩れ落ち、沿岸流や季節風によって運ばれ、
悠久の時間をかけて形成された海の中道。
幅50m、長さおよそ4kmに渡って続きます。
薩摩藩主・島津光久公が、その眺めの良さに
「眺めの浜」と呼んだことが名前の由来とされています。

展望所へ。
遥かに続く砂州には、なまこ池、貝池、鍬崎池と大小3つの池が点在。
なまこの生息するなまこ池は海水と淡水の二層からなり、
貝池には30億年前に出現した微生物クロマチウムが現在も生息するなど、
自然の神秘を秘めています。

北に天草、北東に長島を一望。
大自然の織りなす奇跡の風景に感動です。


<街歩きパートの曲紹介>


薩摩川内の町歩きと併せてお届けした曲は‥

  M1‥モンキーズ、「デイドリーム・ビリーバー」
  M2‥アクア、「カートゥーン・ヒーローズ」
  M3‥グロリア・ゲイナー、「恋のサヴァイヴァル」
  M4‥ドナ・サマー、「ホット・スタッフ」
  M5‥フェイス・ヒル、「永遠に愛されて」
    そして
  M6‥スリー・ドッグ・ナイト、「喜びの世界」でした。


<旬彩季候>

四季、時とともに移りゆく春夏秋冬。
そして、美しい気候風土から生まれる味覚。
日本の旬のお話を、季節の歌とともにお届けする。
今回、注目する旬は…『まいたけ』

日本は古来より、海の幸、山の幸に恵まれています。
そして、季節の節目ごとに、ささやかな御馳走をしつらえて、
年中行事を営んできました。
私たちは、食べることによって健康を維持し、成長していきますが、
その原点は旬の食材を知り、上手に摂ることにあります。
出始めの「走り」、最盛期の「盛り」、そろそろ終わりになる「名残り」。
三つの旬は、初物を喜び、旨みを味わい、
移りゆく季節の名残りを惜しむ…という、日本人の心の表われ。
季節にそった“食の知恵”を知ることで、食生活を豊かなものにしたいですね。
今回、ご紹介する旬彩気候は、『まいたけ』。
天然のキノコの美味しさは格別ですが、日本で食用として認められているのは
およそ300種類。そのうち市場によく出回るのはわずか15種類ほどです。
文献から、まいたけも古くから食されていたと推測。
味もさることながら、食べるとカラダの調子が良くなる!と、珍重されていました。
名前の由来には諸説あります。
有名なのは“幻のキノコ”と呼ばれるほど希少価値があり、
見付けた人が舞い踊って喜ぶので名付けられたという説。
もう1つは、カサが折り重なっている形が、
蝶がヒラヒラ舞う姿に似ているので名付けられた説など…
いずれにしても、舞う事に関係のある茸というわけです。
栄養面では各種のビタミンや、ナイアシン、食物繊維が豊富に含まれています。
さらに最近の研究で、まいたけに含まれる食物繊維の一種
“ベーターグルカン”はデトックス(=解毒効果)や
免疫力を高めることが分かっているので、特に大人の女性には嬉しい食材ですね。  

    M1‥桑名正博、「セクシャルバイオレットNo.1」
    M2‥RIO、「アキアカネ」