07月11日津和野編

街歩き「津和野編

津和野のメインストリート、殿町通り。
白いなまこ塀と格子窓が残る屋敷が立ち並び、堂々たる風格を漂わせています。
「うわ〜、ものすごい数の鯉。こんなに大きいのも泳いでるんだ‥」
道の両脇の掘割に放流される町のシンボル、鯉。
この鯉は、江戸時代、
飢餓をしのぐため、非常食として飼われていた、と聞きました。

石畳の町をそぞろ歩けば、
かつての筆頭家老のお屋敷の堂々たる表門、
ゴシック様式の石造りのカトリック教会、
そして、武家屋敷をそのまま利用した町役場、と
趣ある建物が続きます。
民芸品を売るお店、カフェや酒蔵もレトロなたたずまい。
町の景観に、見事に溶け込んでいます。
さすがは、山陰の小京都。
古き良き城下町の風景が、旅の詩情をそそります。

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予想外に急勾配な山道を進んで行くと、見えて来るのがマリア聖堂。
津和野駅の西、乙女峠に立つ小さな聖堂です。
この誕生の陰には、悲しい物語がありました。
1868年、新政府はキリスト教を禁じ、
多くの隠れキリシタンを拷問にかけ、改宗を迫ります。
殉教者の霊を慰めるため、昭和26年に建立されたのが、このマリア聖堂。
以来、芝を植え、桜やつつじを育て、
年月を重ね、美しい聖地・乙女峠を造り上げました。

「なんて美しいステンドグラス。でも描かれているのは、悲しい物語なのね‥」

堂内には殉教者を描いたステンドグラスがはめこまれ、
殉教者のパネルや聖書も展示されています。

今では全世界にその名を知られ、
カトリック教徒の巡礼地になっている、マリア聖堂。
「聖母マリアが光臨した地」とされているのも、納得です。

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かつて津和野藩では、米の代わりに和紙を年貢として納めることが奨励され、
紙すきは大きな財源となりました。
「その匠の技を次の世代へ語り継ごう」と造られたのが、
「津和野伝統工芸舎」です。

吹き抜けの内部はひんやりとして、
昔から使い続けている和紙造りの道具が置かれています。

私も色紙作りに挑戦。
まずは、竹製の「すのこ」の内側に、押し花を自分の思い通りに配置。
この花は、裏手の山で摘んだ季節の植物を、スタッフが押し花にしたものです。
デザインが決まったら、和紙の原料となる植物を
煮溶かした液の中に木枠を浸して定着させます。
プレスして水分を除き、出来上がるまで、およそ30分。
職人さんが作る本当の和紙は、
一枚作るのに二週間もかかると聞きました。

津和野の自然を配したオリジナルの一枚。
何よりの旅の思い出が出来ました。

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津和野にある「弥栄神社」に伝わる古典芸能神事、鷺舞。
その昔、京都祇園会で風流として舞われたもの。
京都から山口へ、山口から津和野へと伝えられました。

鐘、太鼓、笛の音に合わせ、
対の舞い手が、純白の羽根を広げて優雅に舞います。
「へえ、嘴を閉じている方が雌鳥、開いている方が雄鳥なんだぁ!」
鷺の頭は桐材で、重さおよそ3キロ。
羽根は檜材、大中小39枚で、重さおよそ12キロ。
見た目は華やかですが、実はかなりの重労働だと聞きました。

境内での奉納が終わると、
子供たちによる可愛らしい小鷺踊りも登場。
一緒に市街へと繰り出し、殿町や駅周辺を練り歩きます。

雌雄二羽の鷺が、シャラシャラと羽を広げると
小京都・津和野に、本格的な夏がやってきます。

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<曲紹介>

津和野の街歩きと併せてお届けした曲は‥
M1‥JAZZTRONIK feat.ヤドランカ、「ムーン・リヴァー」
M2‥シャルロット・チャーチ、「アメイジング・グレイス」
M3‥土岐麻子、「All You Need Is Love」
M4‥グローバー・ワシントンJr.、「オーヴァージョイド」
M5‥スウィング・アウト・シスター、「あなたにいてほしい」
そして、
M6‥バーティ・ヒギンズ、「キー・ラーゴ」でした



<声の歳時記>


◇まずは、北海道。
「今年も、札幌がジャズの街に!」
日本国内でも、特に、ジャズに対する愛好が強いとされる北海道。
7/11(日)から、札幌市の大通公園や芸術の森野外ステージなど、市内各所で
「サッポロ・シティ・ジャズ2010」がスタートしました。
国内外のジャズシンガーや、有名なジャズ奏者、またジャズを愛するアーティストが
続々と登場する音楽フェスティバル。 無料のライブもあります。
期間は、8/29(日)までの50日間!

◇続いては、秋田県。
「超神ネイガー、大活躍です」
CD付きのオシャベリカルの秋田版がついに登場!
ご当地ヒーロー「超神ネイガー秋田弁カルタ」が、7/17(土)から県内で発売になります。
ネイガーのイラストが描かれた取り札と、秋田弁の標準語解説付きの読み札、
読み手CDがセットになったこのカルタ。 “ネイガーマスク”のペーパークラフトや、
パソコン向けのデータも収録した充実度。秋田弁の勉強もバッチリです。 お値段は、2,100円。

◇お次は、東京都。
「スイーツが、お好きでしょ?」
秋に控えた、羽田空港の本格的な国際化。 今、搭乗予定がなくても空港に訪れる新たな客層が
生まれていますが、その目玉になっているのは「羽田空港限定の空スイーツ」です。
バリエーションの豊富さは東京駅の限定スイーツを軽く上回るという、スイーツ激戦区。
人気パティスリーや中堅メーカーが、次々に限定スイーツを打ち出して、
空港で成功したら他にも出店…というプランを図っています。スイーツの先取りは、いかが?

◇そして、愛知県。
「三河伝統の花火です」
長さ1メートルほどの竹の筒に荒縄を巻いて火薬を詰めた“手筒花火”は、
豊橋市の吉田神社が発祥地。7/16(金)〜18(日)までの三日間、
三河花火の祭礼「豊橋祇園祭」が行われます。 初日は、手筒花火が吹き上げられ、
二日目は、豊川湖畔でおよそ1万2,000発の打ち上げ花火、最終日の本祭では、
源頼朝を偲ぶ“みこし渡御行列”が繰り広げられます。 花火は両日共、夕方の6時過ぎから。
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◇つづいては、大阪府。
「2億5000万年前の時代へ、タイムスリップ!」
実物大の恐竜を再現した、壮大なスケールのアドベンチャーショー
「ウォーキング・ウィズ・ダイナソー・ライブアリーナツアーinジャパン」が、この夏、
大阪城ホールに初上陸します。
大きさはもちろん、皮膚の質感、動きのリアルさまで追求し、
これまでに全世界で500万人が驚愕! 今回のツアーでは、10種類20体の恐竜が登場します。
期間は、7/22(木)〜25(日)まで。

◇おしまいは、長崎県。
「海の日を祝う祭りです」
南島原市の口之津港は、南蛮船が来航した港。
海との関わりが深い港町の緑地公園で、7/18、19の2日間、「マリンフェスタinくちのつ」が
行われます。 オープニングの餅まきに始まって、漁船パレードやペーロン大会、
イルカウォッチング、体験航海など、参加型のイベントもたくさん!
フィナーレを飾る花火大会は、夜8時半から。約2,600発の花火が、夜空を鮮やかに彩ります。